2012.05 風雪に耐えるのではなく

わーくすてーしょんのあるくらし ( 231)

2012-5 大橋 克洋

木漏れ日も気持ちよい葉桜になった目黒かむろ坂

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◯ 風雪に耐えるのではなく

季節感はちょっとずれますが、先月の TV で東北の雪深い地域、ビニールハウス栽培で花を育てる農家の話を聞きました。寒い中で育った花は「色づきが良く」「茎がつまって生育」「花保ちも良い」のだそうです。その農家の人の言葉で、はっと思い当たることがありました。「風雪に耐えるのではなく、風雪の中で生きて行く」ことが大切なのだそうです。なーるほど、人生には苦しいことや辛いことが色々あります。あるいは「我慢してもう少し続けよう」とか「嫌だけど、やらなきゃ」ということがあります。

こんなとき「辛さに耐えなければならない」と考えるのではなく「それを当たり前の環境としてとらえ淡々とこなすやり方」もあるんだなあと。確かにそのような気持ちでやってみれば、辛いトレーニングもそれほど辛くは感じないかもね、、

◯ 日本のメルト・ダウンがはじまっている

日本医師会のニューズレターで「いまどきの子どもの生活習慣病?」というエッセイに眼がとまりました。私のところは産婦人科、「胎児の超音波写真が欲しい」あるいは随伴してきたご主人が「超音波画像を見たい」という要望がとみに増えて来た感じはあります。新聞や雑誌に載っている超音波画像は一般の人にも解りやすい時期のベストの写真なので、いつでもあのような写真が見えると思ってしまうのでしょう。大学病院の高価な機械なら多少違うのでしょうが、一般的にある時期を過ぎると「象の一部を見る」ような写真で説明がなければ解りませんし、説明されてようやく「そんなものか」と思うようなものなのですが、、

最近は子どもの運動会でもビデオカメラのファインダーしか見ておらず、わが子の姿を自分の眼でしっかり見る親が少なくなったそうです。「超音波の写真は投影光による写真でなく、レーダーや魚群探知機と同じ仕組みの断層写真。障子に映った影のようなもの(例えが古いなあ)」「実際に動いている赤ちゃんをお腹の上から触れたり、生まれてから自分の眼でしっかり見てあげることが大切」というような話をしています。このように最近はバーチャルで捉えようという傾向が強いのがちょっと気になります。バーチャルは一般の人にとってどちらかと云えばエンターテイメント性の強いもの、それよりもリアルなものを捉え子育てにいかして欲しいと思うのですが、、

で、冒頭の話に戻ります。産婦人科では気がつかなかったのですが、紙おむつの高性能化?に伴い最近は小学校に入学しても紙おむつをしている子どもが2、3人いるとのこと。小学校5年生で林間学校になると紙おむつをしてくる子がいる。お母さんの習慣で「遠出の際は念のため」みたいな感じだそうです。養護の先生はそのような子ども達の「下の世話」で疲れ切ってしまっているとか。「トイレット・トレーニングで母子一体となって、発達段階を一段一段登って行くのが本来の育児の楽しみであったはず」「このような子どもとのささやかな関わりが、喜びというより面倒臭い風潮になってきているように思う」と書かれていました。私が常々書く「歩ける子どもをベビーカーに乗せて歩く親」と同じ話ですね。

太平洋戦争より前までは、子どもは20歳を待たずに成人。女の子は17、18で嫁ぐので他家へ入って恥をかかぬよう辛い思いをせぬよう、親は心を鬼にして厳しく育てました。男の子も同じで、山本周五郎の短編小説などを読んでいると、それがひしひしと伝わってきます。動物の親でもそうです。幼い時期は保護して育てますが、一定時期を過ぎれば他人のように冷たくあしらい独り立ちを促します。日本はどうなっていくのでしょうか、まさに「日本のメルト・ダウンが始まっている」のに、多くの人がそれに気付かないのは「放射能よりずっと怖い」ことだと思っています。

◯ スーパー・ムーン

5月5日の夜 Facebook に満月の写真が幾つかアップされています。犬の散歩から帰って来た家内と娘も「月がすごく奇麗だった」と云っていました。窓から空を覗いても月は見当たりません。どうやらまだその窓から見えない東の方角に上がっているようです。しばらくして再び空を覗くと月が見える位置にやってきました。ベランダから望遠付き一眼レフを構えます。やー、写真に撮ろうとするとやたら明るいですね。ASA50 に落とし、カメラを持つ手を建物に添えブレを防ぎながら何枚か撮りました。なかなかウサギの模様が撮れません。

十数回シャッターを切ったうちの1枚がこの写真

早速、写真を facebook にアップすると、2、3分もしないうちに2名の方から「いいね」のレスポンス、8分後には4名。「ひえー、今ゴールデンタイム? アップして2、3分でお二人からいいねが戻ってきました、びっくり!!」の書き込みをしました。

ある写真には「スーパー・ムーン」というコメントがあります。「スーパー・ムーンって何?」と早速 Google 検索。NASA の発表によれば「スーパームーンとは、月と地球の距離が一番近くなる時に通常よりも月が大きく・明るく見ることができ、海の満ち潮が数センチ高くなったりするという現象」だそうです。2012年のスーパームーンは 2012年5月5日 または 6日にかけて、いつもより14%大きく、明るさは13%も増すとか。なるほど、明るくて撮影しにくかったのはそのせいもあったんだ、、

◯ 今月の歩術

相変わらず1日おきに 6km から 7km 歩いています。現在のところ、この位の距離が気張らず、物足りないという程でもなく丁度良いようです。ゆっくりではありますが体重は月に 1kg ずつ順調に減少しています。目標値まであと2ヶ月ほど掛かりそうですが、急激に下げ顔がげっそり貧相になった経験があるので、この程度で様子を見ながらが丁度良いでしょう。血圧も下降してきましたが、こちらはもう一息。やはり減量にはダイエットだけではダメで歩くのが一番のようです。「喰わなければ絶対痩せる」こと間違いありませんが、、

その日の気分により東西南北色々な方向へ歩行コースを選んでいます。最初は iPhone の Google map に頼りっきりでしたが、少しずつ土地勘がついてきました。車と違い、歩きで最短コースを選ぶと家から歩いて行く範囲にも、今まで歩いた事のない 道や、興味深いスポットが色々あることが解ってきてなかなか面白いです。私の住むところは美智子皇后のご実家と雅子妃殿下のご実家の丁度中間、どちらへも 2km ちょっとです。このように話すと「先生、高級な所に住んでいるんですねえ」と云われるのですが、私の住むところはその中間の武蔵小山、場末とまでいかなくとも非常に庶民的な下町です。ウオーキングで美智子様のご実家前を通ってみました。今では取り壊され国へ寄付、現在は区の管理する「ねむの木の庭」という小公園になっています。5時閉園とあって前を通ると鉄の門が閉まっていましたが、庭には色とりどりの花が一面咲き乱れていました。では、ということで今度は雅子様のご実家前を通ってみました。今でも前には護衛のポリスボックスが設置されていました。今どき飛んでもない奴がいますからね。

今年は4月までかなり寒い日がありましたが流石に5月ともなると暑くなってきそうで、先月までのベストも脱ぎ捨て半袖姿でも復路にはかなり汗ばんできます。このように継続的に歩く事はなかったので乗馬の時以外で帽子を被ることはなかったのですが、日差しが強くなってくるので「歩くには適当な帽子が必要」と思うようになりました。小父さん風でなくスポーティーなキャップを Amazon あたりで探したいと思います。

◯ 今月の歩術 その2

両国で呑み会があるので Google map で距離を見てみると 14km ほど。お茶の水の東京都医師会から自宅までの距離と余り変わりません。当日は土曜で午後の診療もないので歩いて行くことにしました。最近は気分的にでもよいから排気ガスを避けて歩きたいということで、メインストリートを避け歩くことが多いのですが、両国までですとやはり国道1号線を含むメインを行かないと効率が悪そうです。

歩行者天国の銀座

余裕をみて早めに自宅を出発したのですが、やはり早く到着してしまいそうで、銀座松屋で時間つぶし。夏の軽量ジャケットをみつけました。銀座通りは歩行者天国。これは歩きには最高ですね。ウインドウ・ショッピングを楽しみたいのか歩道は通常に近い状態でしたが、広い車道はスカスカでとても歩き易かった。

両国橋から

定刻10分前に両国駅近くのビア・レストラン到着。2時間半ほどの歩きの後、連れの到着を待たず、早くも大ジョッキに手をつけました。この店はビールの種類が豊富、トロピカル・ドリンクのような白ビール、見かけも味も WINE なビールなど、呑み仲間と楽しい会話、色々なビールをとても美味しく楽しませて頂きました。

しかし、こうして見ると何ですね。今回のように「長距離歩いてやるぞー」と意気んだ時と、4月の「つれづれなるままに花見巡り」の時とでは歩いていて気持ちが違います。どう違うかというと、前者には義務感のようなものがあり楽しい歩きと云い難いところがありますが、後者では花を愛でながら楽しく歩け、帰宅してみたら「あれ、こんなに歩いたの?」。ちなみに両国までが 14.0 km、花見は 14.6 km でしたが、後者の方が歩いていて精神的負担はずっと少なかったように思います。もうひとつ、直線コースと周遊コースということでも気分的に違うようです。人間なんて気分ひとつで精神的負担も違うということ、、

翌日、学生の試合の応援に馬事公苑へ行くと、学生から「大橋先生、もしかして昨日浜松町の辺りを歩いてませんでした?」、えっ、見られていたか、、

◯ 動的中心への重心移動

昨年1年の「歩術の研究」を読み返していて「動的中心への重心移動」という文言発見。これは、身体が倒れ込む方向すなわち「動的ベクトルの中心に向け前肢を踏み込む」意念。以前ちょっとやってみたものの、その後すっかり忘れていました。思い出しながらやってみまると「おっ、これは軽く歩ける」。前肢をドシンと着地するのではなく「足底を水平にそっと降ろす」感覚が大切。猫のように歩くには、この歩きのトレーニングにより足腰に粘りの着いてくることが必要かも知れません。この意念で歩いてみると「春風のように軽く」歩けます。身体の何処にも無理がかからないので疲労も極めて少ない。決して重心を大きく傾けてはいけません、外見には判らない程度。馬術では坐骨により重心をほんの心持ち移動するだけで馬が自在に動く境地を「馬が手の内に入る」と言います。これに近いかな。よし、今週末の長距離歩行にはじっくりこれを試してみよう。

いずれ無意識にすべての動作にこの意念が含まれることを目標としましょう。考えてみれば、太極拳の動きにはすべてこの意念が含まれています。太極拳の極意「指一本動かすにも全身を使う」は「動的中心への重心移動」とも共通するように思います。「動的負担を全身に分散させる」ため、疲労も極めて少なくなるわけですね。この歩き方ですと、ちょっと「体重を前方に傾ける」だけで自然に足が動的中心すなわち前に出て「ふんわり地面に着地」。重心が着地点にあるので「バランスをとろうと余計な筋肉が働く」ことがありませんし、ふんわり着地するので「膝や腰の関節への負担」もありません。長距離を春風のように歩けるわけ。

ドシンと前肢を着くことで膝や腰の関節はじめ全身へ衝撃を繰り返すことは、それが軽いものであっても身体各所に思いがけぬ負担を強いて関節を痛めることになります。短時間では支障ありませんが、長時間ではっきりしてくるはず。このような歩きには前肢だけでなく、腰をやや沈み込ませ身体を支える柔軟で粘りのある後肢の鍛錬も必要です。

◯ 今月の脳トレ

油断している間の体重増加や血圧上昇をコントロールするため、3月から毎日の血圧・体重・歩行距離・飲酒・その他を記録するための EHR を開発しつつ実験運用を行っています。これが前回も書いた NOALight です。iPad でネットワークから切り離した状態でも運用でき、ネットワークに接続するとローカルに保存していたデータをネットワーク上のサーバへ同期する仕組みになっています。CSV で吐き出し、それをスプレッド・シートに吸い上げてグラフ表示もできます。体重減少をプロットしたグラフで見てみると、軽いリバウンドによる上昇下降を繰り返しつつ徐々に確実に体重が低下しているのをビジュアルに認識できるので励みになります。

NOALight の開発はそんなことを楽しみながらボチボチやっています。以前のように開発にダッシュすることはありませんが、それなりに余韻を楽しみながらの開発という感じでしょうか。

◯ Google Chrome は働き過ぎ?

最近、書斎の iMac やたら HD アクセスしっ放しでアプリが重くなることが多い。TimeMachine が仕事をしている訳でもないのに、いつまでも何のプロセスが走っているんだろうと ActivityMonitor を立ち上げ調べてみました。すると Google Chrome がらみのプロセスが沢山立ち上がっていて、CPU を 100% 近く喰っているやつもいる。「うーむ Chrome かあ」と Chrome を終了してみました。Chrome のプロセス達が居なくなりしばらくすると、さっきから絶え間なくゴロゴロ鳴っていた HD が大人しくなった。

Chrome は使い勝手が良いので Safari と使い分けていましたが、お利口なだけに暇なように見えても色々考えたり仕事をしているようです。私は性善説の人なので、彼ら悪さはしていないはずと思っているのですが。今までのように何日も立ち上げっぱなしというのはやめにしよう、、

それにしても外来で使っている iMac も殆ど同様の使い方をしていますが、HD 回りっぱなしの現象は起きていません。スペックも書斎マシーンの方がやや上のはずなんですが。Chrome の設定なんだろうか。このことを facebook でつぶやいたら早速「そのようなことがあるので自分はブラウザーを毎日立ち上げ直している」というフォローを頂きました。やはりね。そのようにお行儀よく使わなきゃいけないんでしょうね、、

◯ わたし好みのシステム tumblr

facebook の他に最近 tumblr というものの利用者が増えていることを知り「tumblr って何?」と検索してみました。タンブラーと発音するようです。facebook と違い自分の好きな写真や動画その他を収集し、スクラップ帳のように貼ってゆくものです。このシステムの特徴は他人のサイトをみてそこの収集品が自分と趣味が合うようなら、そのサイトをフォローすると、そのサイトの収集品が自分のダッシュボードに自動表示されるようになります。

私の好きな美しいデザイン・インテリア・建築・写真・その他、なかなか趣味の良いものが沢山あります。それらをフォローしていくうち自分の好きなものばかり掲載したグラビア誌が自然にできあがってきました。iPad の flipboard でフォローしていた幾つかのサイトも tumblr からフォローできるようにしました。好みのものがどんどん収集され、さらにその中から厳選したいものにハート・マーク(好きマーク)をつけると、ハート・マークだけのスクラップ帳ができます。そういう意味では flipboard より便利かも知れません。

facebook のように「仲良くしたい相手と結びつく」のではなく「好みのものと結びつく」ところが大きく異なります。フォローした相手が何処のどんな人か気にする必要はありません。なーるほど、世界には色々なアイデアを考える人がいるので、どんどん便利なものができますね。facebook に比べ tumblr はずっとシンプルな仕組み。シンプル・イズ・ベスト好みの私にぴったり、とても気に入っており、自分の収集品を眺めては悦に入っています。

そして「お返しもしなくちゃね」ということで、自分の撮影したお気に入りの写真や Web で見つけた面白い写真・動画などを載せる自分のサイトを作成し、この OceanWebSpace の左にあるメニューからその tumblr を開けるようにしました。そのうち地球上の誰かが見つけて拾って行くでしょう。

◯ 夜学で「東京デザイン・カレッジ」へ通った頃

tumblr の美しいデザインを眺めているうち、医局へ入る前のインターンの頃、夜学でデザイン学校へ通っていた頃を想い出しました。そもそも建築家かグラフィック・デザイナーになりたかったところ、父に「まず医者になり趣味でやれ」と言われた経緯があります。この学校は赤坂見附の交差点のすぐ傍、ベルビー赤坂の裏という非常に便利な所にあり、その後慈恵医大のすぐ裏のビルに移転しました。デザイン・建築・漫画などの科があり、日本で初めての漫画科では手塚治虫・馬場のぼる はじめ著明な漫画家が教えていました。

クラス・メートは変わった人間ばかりでしたが「どこか共通するところがあるなあ、何だろう」と考えてみました。それは「皆変わってはいても、嫌な奴が一人もいない」ことでした。昼間仕事を持ちながら夜学に通おうという人間、クリエーターを目指し夢を追う人間には嫌な奴がいないということ。職業はバラエティーに富んでいて、自衛隊の落下傘部隊、コックさん、土木業、警察官、税務署員など。医者の卵の私もそのひとりでした。


宮永武彦画伯 と 宮永画伯による「主婦の友」表紙

私の入ったデザイン科のデッサンでは、主婦の友の表紙でおなじみだった宮永武彦画伯に直接手ほどきを受けたことがあります。私の描いた木炭によるデッサンを宮永先生がちょっちょっと指でなぞると、見違えるように素晴らしいデッサンに変化し感激したものです。授業も大分進み課題が出るようになると、期限内に新しいアイデアを生み出すことの難しさを感ずるようになりました「今は楽しくやっていても職業にすると大変だろうなあ」。やはり父の言ったことはある意味では正しかったのかも知れません。しかし好きなことを仕事にするのには、やはり憧れるなあ、、

私の作品を東京デザイン・カレッジ学生作品として大智浩著「デザインの基礎」に載せて頂きました

最初の1年目は基礎。デッサン・クロッキー・彫刻・色彩学などなど「こんな面白いことやっていて良いんだろうか」と思ったものです。しかし良いことはなかなか長続きしないもの。2年目に入ったところで突然父が脳溢血で倒れ、あえなく中退になってしまいました。「いつの日かまたやりたいなあ、」と思ったものです。Web で調べてみると、この学校は大手ゼネコンの経営で 1965 年に設立されたものの、企業本体の経営がうまくいかなくなり6年で閉校となったそうです。私は第2期生だったわけ。みつけた Web の情報では当時の漫画科の卒業生達が昨年銀座で「幻の東京デザインカレッジ漫画科展」を開いたとのこと。あの学校からは著明な漫画家が排出されたそうです。「ゲゲゲの女房」に出て来た水木しげるの助手もあの学校の出身とか。漫画科展、行ってみたかったなあ、、

◯ Seagaia meeting 2012 @ 支笏湖

恒例の Seagaia meeting 今年は北海道の三谷先生のお世話で、札幌近郊の支笏湖畔で行われました。5月18日(金)からですが開会が朝9時ということで、前日の17日(木)外来終了とともに羽田から千歳空港へ。支笏湖は初めてですが、東京でとっくに終わった桜が満開で暑くもなく寒くもなく、訪れるには絶好の季節だったようです。とは言え、半袖シャツで通したのは私だけだったようで、行楽客にも半袖はほとんど見られません。私には朝のきりっとした空気がとても気持ち良かったのですが、、

部屋の窓から支笏湖をのぞむ、冷水で湖面が靄っている

鈴木君と相部屋の窓から夕暮れ迫る支笏湖が一望に見渡せます。支笏湖の周囲は山手線とほぼ同じなのだそうです。もし山手線内側に建物がなくなれば、こんな感じで山手線の向こう側まで手に取るように見えてしまうんだなあと。宿泊の丸駒温泉から会場までは 10km ちょっと、さすがに歩けば2時間以上かかります「大橋先生、会場まで歩かないでくださいね。熊もでるようですし」と釘をさされました。会場は対岸に見えているんですけどね。支笏湖の水は非常に澄んでおり氷水のように冷たいとか。朝夕の湖面近くはうっすら霧に覆われ、とても幻想的です。初日は講演もなく丸駒温泉で前夜祭の小宴会。

◯ Seagaia meeting 第1日目

朝の露天風呂では美味しい空気を胸一杯吸い込み、朝もやのたつ支笏湖の美しい景色に眺め入りました。鈴木君と湖畔に降り写真を撮った後、旅館の食堂で朝食。

2F ガラス張りの部分が眺望の良い食堂

サイバーラボの加藤さんや沖縄の九島先生と TED や老後の話などで盛り上がり、禅問答のような話で2時間も過ごしてしまいました。2日目の朝食は都立広尾病院の山本先生や岡垣先生と、これまた FileMaker に始まり電子カルテなどの話で盛り上がり。今回のミーティングでは朝食のコミュニケーションでインスパイアーされた収穫の方がずっと多かったように思います。以前サイバーラボの合宿にお招き頂いたときもそうでしたが、デキる人達と一緒に居るだけで「気」をもらい自分の能力が一段と高まります。今回もこの朝食でインスパイアーされたものは大きく、停滞していた電子カルテ NOA について新しいアイデアがいくつか湧きました。帰ると早速新しい機能を実装。外来診療で実際に使ってみたら便利、便利、、

さて Seagaia meeting 第1日目午前はプログラマーズ・キャンプ。MML3.0 から CDA の殻を脱ぎ捨てた MML4.0 の話。HL7-2.5 を MML へマッピングする話。CIMI: Clinical Information Modeling Initiative のインパクトについて。これは HL7 と openEHR が歩みより連携して行く動きについての話で今後の展開が興味深い。

午後からは、まいこネット・はにわネットの現状。北海道へサーバを移した新たな iDolphin の今後の展開について。Wine Style のデモと今後について。沖縄の離島で必要に迫られ自作された FileMaker による電子カルテ:演者の安谷屋先生はインターネット時代に育った非常に若い世代で、その新しい感性による今後への期待が寄せられました。精神科領域の地域医療連携:演者の九大精神科上野雄文先生、以前は数学者であの広中平祐先生の直弟子だそうです。NOA と源をひとつにする Wine Style その後の進化を楽しみにしていましたが、デモされた全ての機能は現在の NOA にもあるものでした。人間の発想はどうしても同じになるようです。私も何か新しい展開を考えなくちゃね、、

今年の会場をお世話頂いた三谷先生から乾杯の挨拶

晩は丸駒温泉で懇親会。この後、恒例の宴会部屋を用意しての2次会がありましたが、昨日の小宴会の2次会に出たのでパス。

◯ Seagaia meeting 第2日目

会場の支笏湖市民センター

EHRの多角的利用:ヘルスケア企業向けの機能提供ということで、2企業の方から話がありました。最近は分相応、ほどほどの生活に満足することにして金儲けの話には全く興味がなくそれなりに聞いていましたが、ひとつだけ私の琴線を打った文言「囲い込みをしない」。これは良いですね、「北風と太陽」の話と同じで、囲い込みをすれば逃げ出そうとする。囲い込みせず自然にあちらの方から転がり込んでくるのが理想と思います。

昼に MedXML コンソーシアムの総会を行なって解散となりました。

うららかな日のもと桜も満開の会場付近をぶらぶらと散策

遅い飛行機をとってしまったので 5時間近く時間をつぶさねばなりません。会場周辺は行楽地とあって土産物屋や飲食店も多く行楽客も多く見られました。気持ち良い日差しを浴び1時間ほど写真を撮りながらぶらぶらしてからバスで千歳空港へ移動。千歳空港って映画館もあるんですね。これで2時間ほど時間をつぶせました。

美しい支笏湖の景色とうららかな天気を満喫し「気」をもらった Seagaia meeting でした。

◯ 金環日蝕

5月21日の朝7時半、東京では300年に1度の金環日蝕が見えるということですが、残念ながら外は曇り空。次第に時刻が近づきますが予想したほどには暗くなりません。普通の曇った日ほど。肉眼で見上げるのは危険と盛んに報道されていましたが、時刻になって外へ出てみると朧月夜の感じで肉眼で見上げても大丈夫そう。

肉眼で見ても上の写真のようにくっきりと金の指輪が見えました。経過を眺めながら iPhone で連続写真を撮りましたが、撮った写真を見てみると拡大しても金環がまったく見えない。露出を調整して撮影しないとダメなようです。ということで、上の写真は Web 上を探し肉眼で見たものに最も近いものを使わせて頂きました。

それにしても300年に1度ということは、前回見えたのは江戸時代初期ということですね。300年後の世の中はどうなっているのでしょうか、、

◯ 2012 年オリンピック バレーボール世界最終予選

昨年惜しくもオリンピック出場権獲得に届かなかった日本女子バレー・チーム、その最終予選がはじまりました。ペルー、チャイニーズ台北、タイと3チームを3対0で下す破竹の進撃の日本チーム、第4日目はお互いに執念の韓国と当たりました。韓国にはキム・ヨンギョンという強いエースが居るものの今まで何度も下してきたので、苦戦しながらも凌ぐだろうと思っていたのですが、今までの勢いを活かすことができず日本チームの良いところを見せることなく、あれよあれよという間に1対3で崩れてしまいました。本当にバレーというのは「流れ」が大きいので、それを変えることができるかどうか、技術的にも体力的にも精神的にも以前とは雲泥の差で伸びて来た日本ですが、今ひとつ「運を引き寄せる力」を持たねばならないようです。

往年のエース栗原や井上達は今回のチームに加わる事ができず、ベンチの後ろで後輩達の動きを見つめていました。彼女らのコートに出たい気持ちがひしひしと伝わってきて、何ともやり切れない気持ちでした。監督は「オリンピック出場と決まればメンバーを組み直す」と言っていますので、彼女らにもオリンピック出場の可能性は無い訳ではないそうです。しかし、竹下佳江、佐野優子は当然として木村沙織、荒木絵里香などの中堅がしっかり仕事をしており、江畑幸子、山口舞、狩野舞子、岩坂名奈、迫田さおり、新鍋理沙、平井加奈子ら新進気鋭のメンバーの活躍めざましく、そのチャンスはかなり厳しそうです。

◯ キューバ戦

第5日目のキューバ戦、韓国戦の敗退をひきづり心配されました。上から叩きつけるようなキューバのスパイクになすすべを知らずかなりヤバイ感じ。追い詰められた第1セットで奇跡の連続8点をとり逆転勝ち。しかし相手に2セットとられてフルセットにもつれ込みます。最終セット、追い詰められギリギリのところでラリーが続きます。最後にキューバのミスにより辛くも勝利を得ることができました。途中から流れを変えるためコートに呼ばれた迫田の活躍めざましく、最後には真鍋監督もこの迫田の働きを十分評価していました。迫田さぞ嬉しかったことでしょう。

コート後方から前方に向け思い切りよく跳躍する迫田のしなやかなバックアタック、これでもかこれでもかと相手の防御陣を破りました。木村、江畑に次ぐ迫田の活躍が見られ本当に良かったです。昨年の予選ではなかなかコートに呼んでもらえなかった迫田に私も歯ぎしりしていましたが、この大活躍ですっかり溜飲が下がりました。

フルセットの苦しい試合キューバ戦に勝利し大喜びの日本チーム

どんなことがあろうと冷静な表情の竹下、小さな身体で何度も相手のスパイクをブロック。とんでもない遠方から弾丸のように飛び込んできて相手のボールをすくいあげる姿など、セッター本来の仕事以外にも非常に高い能力を発揮しました。狩野はまだ故障からの復調完全ではないのか本領発揮なりませんでしたが、ピンチ・サーバとして何度もコートに呼ばれました。いずれ故障が全快し、胸のすくような活躍が見られると嬉しいのですが。木村と並び完全にエースとなった江畑、キューバ戦では活躍を迫田に譲り殆どベンチでした。

◯ オリンピック行き切符を何とかゲット

第6日はロシア戦。残念ながらこの試合は見られませんでした。怪人ガモアの活躍はもちろんロシアの巨人達の高いブロックにはばまれ、ストレート負けだったそうです。第3セットで韓国戦のヒロイン迫田を投入し木村とともに得点を稼いだそうですが、逆転ならなかったとか。最後のチャンスは最終セルビア戦で2セットを穫るかどうかに持ち越されました。

第7日目のセルビア戦。徹底的にマークされたエース木村、疲れも見られたかスパイクがなかなか決まりません。キャプテン荒木の活躍めざましく、前半は 100% 近い確率でスパイクを打ち込みました。第1セットを穫ったものの第2セットを穫られハラハラさせられるゲーム展開。今回珍しく竹下のサーブミスが目立ちました。きわどい試合できわどい所を狙ったためなのでしょうか。辛くも第3セットを穫り、勝ち点の関係でこれでオリンピック行き切符を確保することができヤレヤレ。

これで安心するところなく、最後の1セットを穫り勝利で締めくくりたいところ。しかしセルビアも、ここで勝利しないとオリンピック行き切符を取得できぬ崖っぷち。両者の執念がせめぎあいフルセットにもつれこみました。日本としてはかなり苦しいゲームが続き、監督は何度か選手を入れ替えました。どういう訳か昨日のキューバ戦で大活躍の迫田を入れません。第2か第3セットの最後に投入したものの、相手に1ポイント穫られてセットは終わり迫田空振り。好調だった荒木も後半は相手にマークされ、ブロックで弾かれるようになりました。この試合ではバックアタックが有効でしたが、バックアタックの巧者である迫田を何故登場させなかったのか。いつものことながら私としては納得いかないところ。

いつも感ずることですが、外国チームには「撃てば必ず落とす」スパイカーがいるのに、なぜか日本選手のスパイクは威力が小さい。荒木の絶好調「上から叩き付けるようなスパイク」が何度かみられたものの、日本にも「威力ある速射砲」が欲しい。このコラムで叫んでいれば必ず叶えられるかと、、

それでも何とかオリンピックで日本チームの活躍を見られることになり、とても嬉しいですね。さて監督はオリンピックまでにはメンバーを再考すると言っています。オリンピックのコートに立てるのは誰と誰になるのでしょうか。確実に立てるはずの選手はすでに何人もいますが、最近の女子バレー・チームは余りにも多士済々で、実力を持ちながら微妙な立場の選手が何人もいます、皆に活躍のチャンスを与えたい。監督も同じ気持ちのはず。

◯ 今月の平塚小学校跡工事

今月はこんな感じで先月と余り変わっていませんね

次のネタ考え中、、、

当月中は随時内容を更新しています

時々のぞいてみてください

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五月晴れの馬事公苑 葉桜の下の気持ちよい木陰

これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です