わーくすてーしょんのあるくらし ( 366 )

大橋 克洋

katsuhiro.ohashi@gmail.com

2023.11 なりたかった人生ではなかったが

○ なりたかった人生ではなかったが

「思った通りの人生ではなかったが、良かったと言える人生だったのかも知れない」という文言を読んで「そうだよね、、」と思いました。誰しも「ああなりたい、こうなりたい」と思うもの。人間であれば当然のことですが、現実は甘くはありません「思う通りいかないのが人生」。頑張っても思うようにならないことがあっても「そうだよね、それが人生っていうもんだよね」と思うことにしています。これはストレス少なく生きる術のひとつ。

では私の思い描いた人生はどんなものだったのでしょう。建築家になって「そこに住む人が快適に暮らせる家を作る」ことがメインの夢でした。大学受験の際、開業医の父に「建築に進もうかな」と言ったところ「とにかく医者になって、建築は趣味でやれ」と言われ、長男だった私は素直に父の望む道を歩み 後を継ぎました。私の描いた夢はここで頓挫したわけですが、今ふりかえって これがどうだったかを考えてみると「医者の道も本当に自分で気に入った道ではなかったけど、まあ、よかったんじゃない?」と思っています。贅沢言っても仕方ありません、、

今になって考えてみると、父の希望通り大橋医院を継いだことは、私の尊敬する父への親孝行だったのかなと思っています。それにしても、建築家になれず残念な話を繰り言のように書くのは未練たらたらってことなんでしょうね、きっと。自分で選んだ道を歩いている私の子供たちには「幸せにやってるかい? 幸せを噛みしめることは大事だよ」と言ってやりたい。どんな境遇にあっても、自分がどう感じ自分を何処に置くかで人生はまったく変わってくる。我々は視覚・聴覚・触覚その他で知覚したものを脳で処理している。言ってみれば、全てがバーチャルのようなもの。自分で楽しく作り込んじゃえ、そう思い込んじゃえ、、ってなわけで、、

○ 今月の割箸建築

今月の建築は私が20歳頃に設計したものと似た L 字型レイアウト。あれから60年を経た生活感に裏付けられ、微妙なところに進化があるはず。

左端は洗面所と脱衣・浴室。グリーン部分は植栽。中央上部は壁面収納と廊下。壁面収納の右隣は家族用玄関。中央下部は3つの個室。右翼上部は左から客用玄関、トイレ、パントリー兼ランドリールーム。その下がキッチンでシンクの左部分は食事テーブル。右翼下部はリビング。

L 字の内側はゆったり広い濡縁でリビングの延長として使える。日光浴や椅子・テーブルを出し食事することもできる。

基本構造は RC、その内部の仕切は構造合板など多用した木造。外壁は外断熱構造で、内側のコンクリート部分には蓄熱目的もある。外に面するガラスはすべて断熱性能の高い積層ガラス。リビングの掃き出し窓は全開放でき、北側・西側は高窓をめぐらせ風通しを良く(写真では上・右側)。夏は自然通風で極力しのぐが、温暖化に伴いそれでも暑い場合は冷房を補助。床下全体に断熱処理を施し、冬場はエアコンまたはガス暖房の温風を流す。

初期投資は割高となるが、自然の日光・風などを利用し維持費を極力少なくすることをコンセプトとする。トイレ以外の殆どの部屋は自然光が入り、昼間の照明は原則不要。

○ プログラミングは霧の彼方に

先日、電子カルテ NOA を開いてみたところ、ヘッダー部分などは見えるのですが肝心の本文が真っ白け。いつの間にかのシステム・バージョンアップで仕様が変わったのでしょう、OS なのか DB なのか解かりませんが、、以前ならさっそくソースを開いて探索、原因をみつけ、チャッチャと修正というところなのですが、医療をリタイアして6年、最後にソースをいじったのはもう5年以上前でしょうか。何もかも霧の彼方、、根性でいじっていれば次第に思い出すのでしょうが、カルテの中を見る必然性が低いためもあって、その根性が湧いてきません。

あんなにメシより好きだったプログラミングが霧の彼方になってしまうなんて、こんな時がくることは考えたくもありませんでした、、でも、建築設計の方はバリバリなんで、あの頃の情熱はこちらで燃えているし、まあ、いいか、、

しかし、まてよ。現在、建築設計に使っているアプリも自作の Web アプリ。こいつがトラブると直せないということにもなる。どうしよう、、その時は、修正意欲がもっと強いのでソースと格闘する根性湧くかも、、いずれにせよ、プログラミング自体すっかり忘れてしまっており、昔やっていた落ち穂拾いのつもりで、めっちゃ時間かけるつもり根性入れる必要ありますね、、

後日談:半月ほど経て電子カルテ NOA を開いてみると「あれ?」無事全情報ちゃんと表示されているではないですか。何で非表示だったのか、何で表示されたのかは解かりませんが、、

創作の思考過程はどうなってる?

同じ創作活動でも、ソフトウエアと建築設計では頭の中の働きが大きく異なるのではないかと昔から思っています。

「建築設計は可視化されるので、ぶつ切りでも理解しやすい」というのがあるのではないかと、、それに比べ「ソフトウエア製作は小説を書くようなもの」。しかし小説では結構いい加減に書いても一応サマになるが、ソフトの場合そうはいかない。というのは、ソフトでは色々なパーツが相互に関連しており、多くの場合それが網目構造になっている。どこかを修正すると、それがとんでも無い部分に影響し、そちらがトラブルを起こすなんてことは頻発する。大きなソフトになると網目構造の関連性が極めて複雑になるため、簡単に可視化することが難しい。

従ってソフト製作にあたっては、常にソフトのすべてを頭の中に展開しておき作業を進めなくてはならない。ソフトそのものだけでなく色々な道具の種類や使い方、その格納場所を記憶しておく必要もある。従って、現在の私のようにそれらが一旦蒸発してしまっていると、再開には極めて多くの時間と労力が必要となる。過去の素晴らしいソフトウエアの多くは、一人の天才がかなり短い期間で一気に書き上げてしまっているのも、このような事情によると思っています。

かなり前から考えてきたことですが、ソフトウエアを可視化することができたら、何年か離れていたソフトであっても再び解析し修正なんて作業も、建築設計同様、比較的楽にできるようになるはず。それはいつ実現されるのでしょうか、、

今月の陽気

11月に入っても25度を越える夏日が2日以上も続き、またもや記録更新となりました。鳥取では30度の真夏日に達したとも、、

さらに7日に東京は27度と、この時期100年ぶりの気温を記録しました。私が学生の頃も11月上旬までは上天気で温かい日があったのを記憶していますが、これほどの気温上昇は最近のこと、、と思っていたら、、その次の週初めには朝の気温7.9度と12月並の気温、1週間で冷房から暖房へ変化。私はじっと我慢、着衣で調節しましたが、、

先月「今年の秋は短く、あっという間に冬に突入しそうな気がする」と書きましたが予想は的中、テレビでは「今年は秋がなかった」という文言を何度も聴きました。

今月も中旬に入ると、12月末のような寒い日が、、と思ううち2,3日後には日中20度を越える日もあり上着不要の日があるなど気温は乱高下。月末になって22度の日も。

このような気候に弱い人は体調を崩すことも多いんでしょうね。

○ 今月の歩術

先月に続き顕著なサルコペニアの症状は消えつつあり、1日6,7キロをこなすことができています。先月後半くらいから早朝散歩もTシャツ姿から、上にウインドブレーカーを羽織ったり、長袖にベスト姿になりました。しかし、今月初旬の3連休の夏日にあっては長袖の袖を肘までまくっても帰ってくると汗ばんでいるほどの陽気でした。

そして中旬をすぎると前述のような気候で、厚手フリースの上に断熱性の高いパーカーという真冬なみの完全武装で早朝散歩に出かけるようになりました。それでも帰路には熱がこもって暑くなり、パーカーとフリースのジッパーを大きく開き、Tシャツの胸を空気にさらして帰る日も、、

本題の歩きですが、今年始め頃から試みているモデルウォークを基本に、実際にはちょっとダレたりしています。