わーくすてーしょんのあるくらし ( 354 )

大橋 克洋

katsuhiro.ohashi@gmail.com

2022.08 百日紅(さるすべり) 暑さにめげず 朝に咲く

今年は6月から季節外れの暑さ、7月に入っても東京は35度近い暑さに見舞われました。8月は晴れた暑い朝で始まりました。朝の気温は高く肌に触れる風が心地よかったのに「肌に触れる空気がちょっと暑いな」と感じたのは8月になってから、、今年は台風が少ないようです。第1号発生は比較的早かったように思うのですが、7月末でもまだ台風6号。東京まで至った台風は多くありませんでした。その代わり今年は集中豪雨のような天候が多い。線状降水帯により、降り続く雨に頻繁に見舞われた九州地方は大変だったと思います。「線状降水帯」という名称も最近聞かれるようになったもの。

熱波は米国や欧州を襲い、今まで酷暑に見舞われることのなかった英国では空港のアスファルトが溶け航空機の発着ができなくなったり、鉄道が曲がり鉄道が停まるなど。また熱波による自然発生的な山火事、豪雨による水害が世界各地を襲っています。

人類一丸となって地球温暖化を阻止しなければならないというのに、戦争にともなうエネルギー危機その他諸々で それを反対の方向へ引っ張り続けるプーチン、天はどのような運命を下すのか。

○ 終戦記念日にあたって

今年も終戦記念日がきます。終戦時3歳だった私も もう80歳、戦争を実体験として持つ人間も居なくなりつつあり、もう終戦記念日という呼称も風化しつつあるのでしょう。終戦を経て日本が高度成長期にあった頃、それを引っ張ったのは戦争で大変な思いや悔しい思いをしてきた体力・気力ある人達でした。最初は欧米の模倣からはじまった自動車産業や半導体産業その他が、世界に追いつき追い越し、米国の社会学者が「 Japan as Number One 」と米国への教えとするまでになりました。それから更に時を経て、その勢いは台湾・中国・韓国などに移り、現代の日本はちょっと元気がなくなっています。

戦地を経験した私の父は「戦争はしてはいけないが、兵役のような経験は一度はしておくべき」と語っていました。そのような経験をした人達だからこそ、戦後復興に大きなエネルギーを発揮したのだと思っています。配色濃くなった海軍兵学校では「万一日本が敗けた場合、諸君は日本を復興させる大きな力となる人材となるべき」と教えたそうです。そして実際にそこを卒業した人達の中から日本復興を牽引する人材が多数現れました。

では現代の日本はどうすべきか。もちろん戦争はすべきではありません。その代わり、なるべく多くの若者がスポーツを通して心身を強く鍛えられるべきと考えるものです。国民皆兵ならぬ国民皆スポーツ。でも、こんなこと大声で叫ぶと、きっと猛反対する声も上がるのが現代の日本かな、、

戦地に赴く兵士を詠う軍歌「さらば祖国よ栄えあれ、、」の歌詞にあるように、大きな運命の波に散っていった日本人が願ったもの。それは生き残った人達により、戦後復興の中で世界にも稀なパワーと智、弛まぬ努力で成し遂げられました。現代の日本、自分は安全なところから大きな批判の声をあげる人の多い世の中ですが、我々が享受している平和な生活、戦没された方々の願いと尊い犠牲に心から感謝を捧げるべきではないでしょうか。もちろん、戦争は最大限の努力で回避すべきという決意とともに、、

今月の陽気

今月3日には早朝から気温31度になりました。前日早朝も30度で、午前中に銀行へ行こうと外に出ると、照りつける太陽の下、肌に触れる空気もむわーっとして目玉焼きになりそう。こりゃあ、とてもじゃないが外で仕事するのは大変と思いました。それでも街行く人は少なからず。この炎天下で仕事しなきゃならない人は本当に大変だなと思ったのは、自分がリタイアした立ち位置だからでしょうか。現役の頃は、挑戦的に根性あるのみでしたから、、

当然夜は熱帯夜、緩い首振り扇風機と最小限の冷房をかけ やすんでいます。

中旬に入ると、線状降水帯が九州ではなく東北地方へ更に長く停滞。青森には極めて長い期間大雨が降り続きました。多くの家屋の浸水はじめ作物の被害も大きいと思われ、心から同情を禁じえません。

関東、特に東京は日本列島の中でも日本海側からは長く大きな山脈に遮られ黒潮に突き出した地形のためか、このように日本全国を襲う大雨や雪害などに曝されないことが多い。徳川家康は誠に良い地域を首都に定めたものと思います。

酷暑だった今年の夏も、終戦記念日の15日あたりをピークにその後は次第に気温が下がっていくのではと思っていました。予想通り17日の酷暑を最後として次第に落ち着き始め、1週間後の朝には、やや肌寒い空気。たった1週間でこの気温差にはちょっと驚き。もう大分前になりますが、暖房を切って1週間のうちに冷房を入れなければいけなかった年もあったなあと、、

今月末に発生した台風11号、沖縄方面に向かい進んでいます。最大瞬間風速75キロが予想され、沖縄付近で急変針し本州に向かう可能性あこのまま上陸すれば家屋倒壊など甚大な被害、人的被害も少なくないでしょう。おまけに、もうじき台風12号が発生し11号と並走しそうとの予測も。今年は台風が少ないと思っていましたが、この秋は巨大台風の可能性が高いとか。いやあ、心配ですね、、

○ 今月の歩術

6時過ぎに家を出ていたのが、朝もくなり5時半から6時に出発。まだ日も低く日陰が多いとはいえ、乾燥気味の暑いところを歩くのは嫌だなと、緑が多く涼しい林試の森公園を通ることが多くなっています。自販機で NECTAR を買いベンチに腰掛け、犬を散歩させたりベンチでストレッチ、広場の隅でテニスをやる人などを眺めながら冷たい桃ドリンクを喉に流し込むと、一時の疲れも癒やされます。散歩中ベンチで休むなど、数年前の三鷹往復や中原街道制覇で40キロ以上歩いた時くらい。通常の散歩中ベンチで休むなど皆無でしたが、今年からそうなりました。80歳になってからの変化です。

6時半になるとラジオ体操が始まり、広場や植木の陰で大勢の人達が一斉に身体を動かします。やはり早朝から外で身体を動かしているのは、仕事から手が離れたであろう高齢の男女が多いですね。ジョギングの若い男女も居ないわけではありませんが、、

杖を突き とてもゆっくりながら緩い太鼓橋を上がるお婆さん、脳梗塞などのリハビリか麻痺した身体で杖にすがり ゆっくり歩くお爺さん。麻痺した後躯を車椅子に乗せ ぜえぜえ言いながら前肢で頑張って歩く犬を散歩させるお年寄り。齢になっても根性が大切。そう言えば、小山台公園の小さな広場で杖を突きながらゆっくりゆっくり周回する高齢のお婆さんを毎朝見ましたが、3年ほど前から姿が見えなくなりました。よく頑張っていたなあ、、

で、私の歩きですが、この暑さの中4キロから頑張れる時は6,7キロを歩いています。酸素不足で途中から意識が薄れるのは呼吸筋の衰えと思い至り、歩きはじめから意識して深呼吸、それもマスク下での口呼吸でなく鼻呼吸を深くするよう心がけてみました。ほう〜、やはりちゃんと換気ができていれば、疲労感もかなり違いますね。こんなところでも老化に気づき、改善点を見出すのでした。

抗うつ効果ある行動

世界的精神科医が「これほど抗うつ効果が高いものは思いつかない」という「行動」を唱えています。それは「運動」。これには私も合点のいくことがあります。

以前このコラムにも書きましたが「何となく不安感がふっと浮かび上がることが頻繁。これがなかなか収まらない」そのうち、ふと気が付きました「そうか、これは軽いウツに違いない」。40歳頃からずっと医師会関連役員などを務め、その集大成として東京都医師会理事を最後として、70歳になるのを機会にすべての役職から退きました。この忙しく気の張った生活がなくなったことが引き金となったウツに違いない。野生のストレスの中で暮らしていた動物が捕獲され動物園のオリの中で飼われるうち、檻の中を絶え間なくグルグル歩き回るようになるのもウツかも知れない。やはり「生物は戦闘的に生きなければいけない」と、、

図らずも現在の生活は、仕事はリタイアしても早朝散歩を欠かさず暮らしている。これは正解なのでしょう。ただ、もうちょっと運動量というか運動のチャンスを増やさないとなあ、、

今月の割箸建築

なるべくワンルーム形式の大空間とし、中央に簡単なトレーニングなどができる広いスペースをとることをコンセプトに設計。右側は上から、パントリー兼洗濯室、キッチン、和室、玄関・トイレのゾーン。中央は居間ゾーン。左側は2層に分かれ左層は上からトイレ、ウオークインクローゼット、浴室。右は上から3室の個室が並び、下は脱衣・洗面室。

流しのあるキッチンカウンターは食事テーブル兼用で和室から掘り炬燵形式で利用。個室は寝るだけの目的で4畳半程度の広さだが夫々に大きめの個人用デスク。右下トイレは主に来客用、左上トイレは家族用。ウオークインクローゼットには各個室から出入りでき、トイレや浴室への通路を兼ねる。

中央の居間スペースを中心に左右に個々の機能を配した形状から、鶴翼荘と命名。

屋根・外壁全面を断熱材で包み、南側と北側の大きな断熱ガラス窓以外は広い開口部を設けず暖冷房効果を上げる。夏は南面・北面の開口部を全開放し良好な風通しにより原則クーラーに頼らない。気温を下げるため建物周囲は緑を豊富にしたい。冬はガスによる床暖房、薪ストーブも良いかも。中央の居間スペースは南側のデッキテラスを含め広く使うことができる。庭の緑を眺めながら入浴できるよう、浴室前庭周囲に目隠しの垣根など設置予定。

鶴翼荘:南側からの全景

平面図

懸念されることとして、個室が居間大空間に接しているので、就寝時に隣室の音が聴こえやすいこと。来客との会話や TV の音声、音楽などが聴こえる懸念がある。しかし本来、日本家屋は部屋を障子や襖で仕切るだけ、同様の暮らし方をすれば良いかなとも思うのだが、、やはり現代ではある程度の防音を、と考えても仕切り壁や居間との間の引戸に防音材を使う程度しかできない、、しかし個室をしっかり仕切ってしまうと、屋内一体として暖冷房するという構想にやや問題が生ずる。はてさて、、

考えてみると、現代のマンションでは寝室として使う和室とリビング・ダイニングを引戸一枚で仕切っている構造は珍しくない。これと同じと考えれば良いのかな、、