2018.06 街は移ろいゆく

わーくすてーしょんのあるくらし ( 304)

2018-6 大橋 克洋

大橋医院を閉院・売却してほぼ1年

その跡にフィットネスがオープンすることになりました

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◯ 街は移ろいゆく

先月も私の住んでいるマンション周囲のビル変遷の写真を載せました。

大橋医院の閉院・売却後、なかなか入居するテナントが決まらなかったようですが、ようやく24時間フィットネスに決まったようで、先々月頃から建物内部のリフォームが始まるとともに、先行予約が始まっています。この近辺にはこのような施設が殆ど無いので、結構利用者は多いのではないかと思います。通りがかりの女性が「あら、大橋医院潰れたのかしら」と話しているのを聴いた家内が「違いますよ」と余程言ってやろうかと思ったとか、、

私が生まれた武蔵小山周辺、終戦直後の焼け野原に近い状態からバラックが建ち始めた私の小学校時代。中学・高校・大学前半の頃まで街の景観に大きな変遷はなかったように思いますが、東京オリンピックの頃から少しずつマンションが見られるようになりました。

それでも私の住むこのマンションが建った1982年頃、この辺りではこのマンションが一番高く、13階からは360度周囲を見渡せたものです。新宿副都心は勿論、池袋のサンシャインもはるか遠方に望めましたし、東京タワー、船の科学館、遠方を横切る新幹線、横浜のランドマーク・タワーや三日月型のコンチネンタル・ホテル、そして富士山などなど。時には東京ディズニーランドの花火も見えましたし、大晦日に窓を開け耳を澄ますと池上本門寺で突く除夜の鐘も遥か彼方から聞こえて来ました。新年になったのを祝って横浜港あたりに停泊する船が一斉に鳴らす汽笛が風に乗って微かに聞こえたこともありました。

しかし次第に周囲に高いビルが建ち始め、うちのマンションもその中に埋もれてしまいました。今でも建物の隙間から、かすかに東京タワーのてっぺんが見えますが、それ以外は皆見えなくなってしまいました。幸い南西側は公園や低層の区施設ですので開けていて、丹沢越しにきれいな富士の山を望むことができます。

その南西側の都道26号線も拡張工事が進められており、マンション前の敷地が削られて歩道となってしまいました。特に武蔵小山駅周辺の再開発が大々的に進められており、駅前の景観は一昔前からは想像できないものとなりつつあります。私が中学生の頃、放し飼いだったうちの犬が武蔵小山駅ホームの上まで私に着いてきてしまい、電車に乗ってきたらどうしようと思っていたところ「ご主人様をここまでお見送りすればいいか」と、電車が来る前にヒョイとホームから飛び降りて家に帰ってしまったこともありましたっけ、、

地元の住人が多く東京の下町的だったのが、昨今では地元民の方が少なくなって、人と人との付き合いも世知辛くなったような気がします。いつも思うことですが、戦後の世の中の変化を見ていて「この地でこれだけ大きな景観変化は、日本始まって以来だろうなあ」と。

◯ 文化・技術も移ろいゆく

私の世代は少なくとも和食において、箸一膳あれば、ほとんどのものを食してきました。しかし最近は違ってきているようです。ふと TV を見ていたら若い人たちが卵かけご飯を木のスプーンで食べている。我々の世代は何でも箸で食べるのを当然として育ってきたので、どんなヌルヌル・ツルツル・ネバネバしたものでも細かいものでも、箸で何の不自由もなく食べてきました。

もちろん、このように箸で操りにくいものを食べる時には、茶碗を手に持って箸でかきこむという、ややお行儀の悪い動作をせざるを得ないこともあるので、お上品に食べるにはスプーンも必要かなとも。でも、高貴な方々はこれらについても箸一膳でお上品に食することができるのかも知れないなあなどと、、

いずれにせよ、箸一膳で何でも器用に食べるという技術も、これからの日本人からは失われていくのかなあと何か悲しく思えるのでした。

◯ 今月の歩術

ちょっと最近の歩きはペースダウンかな。年齢のためと普段の運動不足の影響がありそうです。仕事を辞めてしまうと、どうしても椅子に座っている時間が長くなるのが大きな原因でしょう。ちょっと自分の書斎を整理し、八卦掌の簡単な練功ができるくらいの最小限のスペースを確保したいと思いつつ。中国武術は「牛の寝そべる広さ」があれば練習できると言われます。仔牛の寝そべるスペースくらいなら何とかなるかな。

というわけですが、一応毎日の早朝散歩は欠かさず続けており、その日の気分でコースの方角を決めています。昨年までのペースで歩くと少し息があがってくるのも、前述のような理由なのでしょう。

早朝の緑つややかな道を、澄んだ野鳥の声でも聴きながら歩ければ、もっと気持ち良いのでしょうが、混み入った都会の街も早朝ならまだ肌に触れる風も涼やか。道端のゴミ袋を食い散らすカラスや雀の声しか聞こえませんが、それも良しとしましょう。

・・・

で、早速、書斎の模様替えをすることにしました。今までは6畳の真ん中に大きなデスクを置きそこで仕事をしていましたが、今度はその机を壁際の本棚に寄せ、その他すべての調度も壁際に寄せたので、部屋の中央に大きなスペースができました。ちょっと狭くはありますが、これで八卦掌の練功をすることができます。

◯ 今月の脳トレ

電子カルテ NOA に関し、久方ぶりに頂いたバグレポートに対応しようと原因を追ってみると多重の連想配列への変数代入でのバグであることが判明しました。しかし、どう見てもその変数代入の方法が間違っているとは思えません。

そこでテスト・プログラムを書いてみましたが、そのやり方でちゃんと動作します。はて、何が悪いのだろう。今まで経験したところでは、そことは関係ないように見える全然別のところでの処理がとんでもないところに波及することがあります。おそらくシステムのメモリー処理の流れの問題なのでしょうが、、

以前ならバグレポートに対し、間髪を入れず1,2日で修正版を打ち返していたのですが、今回ばかりは頭がスタックしてしまっています。どこかで発想の転換が起こるまで待つしかないのか、幸い代替手段のない致命的バグではないので、、

話替わって高校時代からの大きな趣味である住宅設計もやっています。市販の設計アプリには、やたら高価なプロ用 CAD アプリしかないので、手慣れた Web アプリで作成した自前の設計アプリを使っています。先日ふと、あれからだいぶ経つので安価な CAD のようなものが出てないかと検索してみたところ、思いがけず無償の建築設計アプリ、それも私のものと同様 Web アプリを見つけました。米国から発信されているものですが、早速使ってみると作成した 2D の図面を 3D で立体的に眺めることもできるスグレモノ。備品・家具など豊富なライブラリーがついているのも有り難い。

米国製ですが、和畳がないのが不便と思う以外は何の不満もない仕上がり。興味のある方はご覧あれ。https://floorplanner.com で提供されています。

私の場合、電子カルテを Web 版にしてから、PHP と Javascript によるプログラミングにどっぷり浸かってしまい、Web 版にする必然性のない会計アプリや設計アプリまで Web 版で書いてしまっていますが、このように「サーバからのサービスとして提供できるメリットは決して小さいものではない」という感じを受けました。

◯ 迫力あるラリー映像

WRC:世界ラリー選手権、トヨタ・ヤリスはかなり速くなり性能的に誇れるものになってきたようですが、トヨタのドライバーであるタナック、ラトバラともにここ数ヶ月不運続きなのが残念。特にタナックは王者オジェやヌービルにひけをとらぬ速さなのですが、今月のラリー・イタリアでは道の凹凸でジャンプ後エンジン底部を激しく石に打ち、冷却装置破損でデイ・リタイア。ラトバラもゴール後サービス・エリアに向かう途中オルタネータが動かなくなりデイ・リタイア。若手のラッピのみ快調に飛ばして3位に入り、今シーズン初の表彰台に上がりました。

このようなアクシデントさえなければ、3人そろってワン・トゥー・スリーのゴールも有り得た速さでした。不運とはいえ、トヨタ車のトラブルレスへ向けさらなる進化を期待。

俳優の東出君主役のオーバー・ドライブという映画が封切られました。ラリー大好きの監督が作った作品とあって、実際のラリーの特徴が要所要所に散りばめられているようです。しばらく待てば TV でも見られるのでしょうが、劇場で見た方が迫力あるに違いないと見に行ってきました。東出君がラリー・ドライバーと思いきや、彼はチーフ・メカニックで、その弟役がドライバーという設定。

映画は期待に違わぬ迫力。やや迫力に欠ける国内ラリーではなく WRC クラスの迫力でかっ飛ぶラリー車と轟音、縁の下の力持ちメカニック達の迫力ある動き。最近のラリー車の排気音はアブが飛び周るような甲高い音ですが、映画ではスポーツカーの排気音に近いのが私にとっては多少違和感かな。しかしこれは細かいこと。日本映画にありがちな格好つけだけのものではなく、実際の WRC クラスの内容でした。

ただ一つケチをつけるとすれば、ドライバー役のひねくれた性格設定がちょっとねえ。WRC などを見ていても実際の一線級ドライバーの殆どは、アスリートらしくスカッとしたナイスガイなんですけどね。

私も WRC の映像を見始めた頃、曲がりくねった狭い道を信じられないスピードでかっ飛んで行くのを見て目が回りそうでしたが最近はすっかり慣れました。しかし自分ではとてもじゃないが、あんな走りをしたら数分もせずクラッシュ間違いなし。ということで、ラリーを見つけない観客は迫力ある映像に目が回ることでしょう。

前述のドライバーの性格設定の点を除けば、ラリー好きあるいはラリーに興味のある方にとって、この映画「オーバー・ドライブ」はとてもお勧め。

そう言えば、この映画に出演していたトヨタ・ヤリスは WRC ではありませんが、実際のラリーで優勝したとのニュース。ヤリスの日本語名はヴィッツ。今度発売されるヴィッツの走りは格段に良くなったとの評判。WRC での教訓が早速実車に生かされたんでしょうね。

◯ 良い世の中になりましたなあ

さて、前述の映画ですが、ネットで調べると品川プリンスの映画館でやっているようです。早速ネット予約。ほう、SUICA 決済もできるんだ。カード決済もできますが、万一ハックされた場合 SUICA ならチャージされた額しか盗られないので安心、SUICA にしました。

最近 SUICA が色々なところで使えることを知りました。よく利用するコンビニ、院外処方薬局、病院(残念ながら私が利用する慈恵医大ではまだ未対応)、飲食店。SUICA カードだと金額が足りない場合、駅でチャージしなければなりませんが、iPhone アプリの SUICA ならその場で即座にチャージできるので便利便利。

ちょっとした物でも Amazon で探せば、まず無いものは無い。これも iPhone で注文しカード決済、品物は宅急便で届く。

余り必要なさそうだが後日必要になるかも知れないというパンフレットなど、以前はとっておいてゴミの山を築いていましたが、現在では iPhone のスキャン・アプリでスキャンし google drive へ保存、紙はパイ。こうしておけば、いつでもどこからでも参照できます。

こうして、かなり前から予想したように現代ではポケットに入れた iPhone という携帯端末さえあれば、ありとあらゆることができるようになりました。私の能力や経済力が落ちるに反比例して、情報処理機能が上がりモノは安くなってきた。本当に良い時代に生まれたなあと、つくづく思うものです。

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武蔵小山駅前に建設中のタワーマンション

今月はこんな感じ

週に1フロアーのペースで成長しています

これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です