2012.07 雑念の中に生きる

わーくすてーしょんのあるくらし ( 233)

2012-7 大橋 克洋

西暦853年に建立された目黒区碑文谷の円融寺:散歩でよく訪れる寺社のひとつ

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◯ 雑念・雑物の中に生きる

江戸時代など昔の生活やその時代に生きた人の考え方を読むほどに、武士や商人などに見られる日本人の非常にピュアな精神や生活態度には心打たれるものがあります。もちろん、当時もそのような人は実際には少なく、多くの人々は現代のように雑念・煩悩に満ちたものであったはずとは思いますが、、

現代には何故そのような考え方や生き方が見られないのか考えてみました。それは、我々を取り巻くあまりにも雑多な情報・物質にあるのだろうと思います。このような中にあってもピュアな生活を保とうとするなら身の周りからそのようなものを極力取り除くよう務めることも必要でしょうが、一方「心頭滅却すれば火もまた涼し」の心構えも必要なのかと。人生とっくに折り返し地点を過ぎ、そのような心構えで生きたいとは思うのですが、毎年同じようなことを書きつつなかなか脱却できないでいます。まあ、「できないからこそ常に願う」「願っていればいつか必ず叶えられる」という、このこのコラムに一貫するコンセプトのようなもの。

昭和20年代、戦争から復員してきた父の建てた家、家族4人が八畳二間の茶箪笥とちゃぶ台しか無い日本間で生活していました。まことにシンプルな生活。木の風呂桶の焚き口で火吹き竹を使いながら風呂を炊きました。今では憧れるシンプル・ライフですが、その当時は何かと不便だったはず。家の中に凡ゆる電化製品が溢れ、ポケットの小さな電子機器で世の中のあらゆることを調べられる現在にあって、人間とはなんとも贅沢というか無いものねだりの生き物であるなとつくづく思います。

そう云えば朝ドラ「梅ちゃん先生」は戦争直後の蒲田が舞台。私達親子もあの頃、疎開先から帰り祖父が再建した蒲田の籾木眼科医院に仮住まいしていました。祖父の3人の息子、つまり私の母の弟達は梅ちゃんと同世代、慈恵医大の学生や医局員でした。終戦直後の蒲田駅や商店街の様子はよく覚えています。私はそこから蒲田の御薗小学校に通い始めました。父は大橋産婦人科再建のため、荏原で大学の先輩の栗原外科に勤めながら建設資金を貯めていたのだと思います。梅ちゃんの開業と同じ頃、とても共感を持って番組を観ています。

◯ SimplenoteそしてSiri

出先などでメモを取る時、最近はiPhoneを使うことが多いのですが、いろいろなアプリを試してきました。特に書きかけの原稿などにはEvernoteが良いとの結論で落ち着いていました。しかし最近Simplenoteを知りました。Mac、iPhone、iPad に対応しており、内容を自動的に同期してくれます。最近はこれが非常に気にいっており、出先での覚書はもちろん、電子カルテのアイデア・メモ、その他色々なものをメモしています。慣れてくると原稿もここで書いた方が便利そうです。完成したところでevernoteやdropboxに落とせばよいと考えています。

ところで今この原稿をiPad上で音声認識ソフト(Siriの音声解析エンジンを使っているはず)で書いています。その新しい効能を発見してしまいました。聞き取りやすい発音・言葉の区切りなどが必要なので、最近とみに落ちてきたと思われる滑舌の訓練にも良いようです。それからSiriに口述筆記させるには、喋る前にきちんと文章を考えておかなければいけません。喋りながら内容を考えているようではSiriに正しく文書を記述させることができません。何事も「走りながら考える」私にとって、これも良い訓練になりそうです。老化防止にとてもお勧めです。喋りも使わないと錆びますからね、、

◯ 今月の脳トレ

先月の悩み事がまだ解消できません。Googole site のダウンロード・サイトへ電子カルテ NOA のソースをアップロードする機能がどうしても快復しないのです。周辺ツールのアップロードは問題ないのですが、NOA 本体のアップロードだけが何度やってもエラーになってしまいます。仕方なしに要望のあるユーザさんへメール添付でソースを送っています。

そんなこともあり、5月の Seagaia meeting から帰って作り始めた試作品の方向性がかなり良さそうなので、新世代 NOA として育ててゆくことにしました。周辺ツールやライブラリーは従来のものに多少改変を加え再利用していますが、NOA 本体についてはまったくサラからの作り直し。外来診療に使いながらボチボチとブラッシュアップしています。「従来の殻を脱ぎ捨てて、」の心意気で始めたものの、次第に外見が従来の NOA に近づいてしまいました。「やはり20年以上現場で使いながら改良してきたユーザインタフェース、それで良いのかな」とも思っていますが、「まったく新たなものを!」の意気込みで始めただけに、自分としてはちょっと釈然としないところもあったりして。

がらりと GUI が変わってしまうのは、従来からのユーザの方に混乱を招くということもあります。一方で、そのようなことに引っ張られ、いつまでも新しいフェーズへステップアップできないのも私の意に添わない。そこをどう折り合いをつけるかが難しいところですね。ま、そんな楽しい悩みをかかえながら、次第に使いものになってきました。サラからの書き直しで何時ものことですが、凝りすぎ複雑になっていた従来の仕掛けをスッパリ切り捨て、かなりサクサク動くようになりました。

「ボタンなどコントロール類を一つでも少なく」「現場の作業を一動作でも少なく」「瞬間的に次の判断ができる」ことを目標にしています。実際の診療に使ってみると、見かけは従来と大きくは変わらないものの、これによりかなり快適性が増したように思えます。しかし往々にして新作時はサクサク動いていても、色々な機能を足して行くうち重くなってしまうので、その辺に気をつけながら、、

◯ 電子カルテ NOA 新世代の開発

そろそろ暑くなってきた連休、空調に頼らず開いた窓から外気を入れ脂汗を流しつつ電子カルテ NOA 新世代の開発を続けています。外来診療で従来のバージョンと並走させ使ってみています。最初現場では新バージョンのごく一部しか使いものになりませんでしたが、そろそろ7割方新バージョンでこなせるようになってきました。しかし、うまく動いていたはずのものが、他の部分を変更した反動で動かなくなり仕事中にスタックしてしまうということもあり、従来バージョンとの並走はまだ欠かせないところです。

凝って細かい作り込みをしていたところをバッサリ切り捨て、あえてダサいやり方にしてみたところもあります。現場でしばらく使いながらシェイプアップして行くことにしましょう。従来ウリにしていたユーザごとの細かいカスタマイズですが、レイアウト全体のカスタマイズに関してはちょっと棚上げにしています。今回の目玉である巻物形式が実際に使ってみるとかなり心地よく、この良さを活かしたレイアウト・カスタマイズのイメージが浮かばないからです。ただし個々の入力欄ごとの細かい機能カスタマイズは従来通り継承しています。NOA の使い勝手の良さにつながるところですから。

今回の書き直しでもうひとつの収穫は、従来から目指してきた「周辺ツールとの接続 API 」の確立。今まで周辺ツールを呼びだす場合、URL に添えたパラメータ渡しだったのですが、新バージョンでは URL のみで起動できるようになりました。これで「NOA に接続する周辺ツールを誰かが開発し、皆で共有する」という念願の「NOA プロジェクト・コンセプト」を実現する技術的基盤を確立できました。

実際には1つだけ、どうしてもまだパラメータ渡しにせざるを得ないツールがあるのですが、いずれこれも何とかクリアしたい。「根性と工夫と継続あるのみ」「食いついていけば、必ず実現できる」というのがプログラム開発から得られた経験則と自信です。プログラム開発にのめり込むまで「来る者は拒まず、去る者は追わず」極めてさっぱりした性格が、ある面かなり執念深くなったように思います。体操選手の内村航平のインタビューに「難しい技も、必ずできる」という言葉がありました。似たような過程から出た言葉でしょう。

本体はサラからの書き直しで、冗長だったところが大分すっきりしました。伸び放題だった雑草を奇麗に刈り取ったようなもの。しかしまだまだ「とりあえず動いたから良いか」という汚いままのソースもあります。いずれ暇ができたら、見えないところも奇麗さっぱり整理したいなと。そんなことで、とりあえず「古稀を迎えたプログラマー」は余裕でクリア。今後の継続には生活上の工夫と努力あるのみ、、

◯ MacOSX 10.8 Mountain Lion 来たる

いつもは OS アップグレードとともに速攻でインストールするのですが、今回は世の中で事前の盛り上がりがなかったりで自分の中でも盛り上がらず、新しい OS リリースを知りながらそのままでした。

そのうち Safari が「アップグレードしますか」と聴いてきたので、速インストール。早速 電子カルテ NOA を開いてみると「ありゃ、文字化けが」。殆どの日本語表示は問題ないのですが、ソース内で指定した日本語コードの一部が化けます。「何かの拍子で一部ソースのエンコードが UTF-8 から他へ変わってしまったのかな?」とソースを確かめてみますが、問題ありません。 今回の Safari のアップグレードは Mountain Lion に伴ったものだろうと思いますが、この文字化け問題は Moutain Lion にしても解決できないのでは、、

で、OS リリースから2日目、OS をアップグレードしました。やー、簡単ですね。AppStore から通常のアプリ購入と同様 1700 円で Mountain Lion 購入。ダウンロードできるまでに時間がかかりそうなのでそのまま放って仕事に出ました。昼に帰ってみるとダウンロード終了しているのでインストール。昼飯を終えディスプレイ前に戻るとインストールは無事終了、ログイン画面が表示されていました。このように今回は通常のアプリのアップグレード・モードと変わりません。へえー、楽ちんになったもんだなあ、、

さて、期待せずに Safari で NOA を開いてみると、おー、嬉しい期待はずれ。文字化けはなくなっていました。今まで Safari と Chrome 両方を使ってきました。Safari には URL 入力欄と検索欄が並んでいるのが特徴でしたが、今度は Chrome と同様この2つの欄が一つの欄で兼用になりました。便利になりましたが、私はこの外見で Safari と Chrome を見分けていたのが今度はうっかりすると間違いそうです。 今度の OS で何と云っても便利になったのは「音声入力」ですね。これでメールや原稿を書くのがとても便利になりそう、、と云いつつ、まだこの文章は手打ちだったりして、、

◯ Mountain Lion と暮らして2日目

今回の MacOSX 10.8 かなり安定した良い OS という印象で、ノートブックやデスクトップなどあと3台も OS アップグレードしました。なかなか使い心地がよく満足しています。仕事場の iMac も OS アップグレードしたので、明日の外来診療が楽しみ。Safari だけアップグレードした時に心配した電子カルテ NOA の稼働も問題ないようです。

最近カレンダーは Google calendar を使っているのですが、今度の iCal は Google calendar との相性が非常に良くなったのは嬉しい。今まで Mac 上では Web ブラウザーを開き Google calendar を使っていましたが、これから Mac 上では iCal でカレンダーを読み書きすることになりそうです。

一方 Mail ですが、こちらは今のところ Web ブラウザーから Gmail のままかな。Mac の Mail には宣伝がらみのジャンク・メールがやたら入ってくるが Gmail はそれらの殆どを振り切ってくれる。Mac の Mail にはもっと何か発想の転換が必要かな、頑張って欲しい。

文書や Numbers の書類などを iCloud に保存できるようになったのも良いですね。今までこのような使い方には DropBox や Evernote を使っていたのですが、iCloud の選択肢が増えた。どう棲み分けるかについては今後試行錯誤。

Mac 画面を TV 画面へ投影する AirPlay が使える機種は残念ながら我が家にないので試せません。まあ、居間には古い iPad があるから良いんですけどね。ハード的に画像処理できるチップを積んでいるかどうかの違いなんですってね。

Twitter との連携が OS レベルでできるようになりました。Twitter を使う意義の良く判らない私としては、それより Facebook との連携が嬉しい。Apple site の web site で Mountain Lion 紹介のページに大々的に Facebook との連携がうたってあるので、何度も設定画面を探したのですが見つかりません。web の世界を探しまわっても Facebook との設定方法に尋ね当たらない。散々悩んだ末わかったこと。Apple site の記述をもう一度よく見直してみると、虫眼鏡でしか見えないような文字、しかも薄いグレーで最後の方に「Facebookとの統合は今年の秋に予定されています」だと。おいおい、そういうことは隠さずもっと堂々と書いてよ、、

◯ 今月の歩術

3月から始めた夕方の散歩は隔日に歩くことを目標にしてきましたが、雨天や他の用事が入ったりすることがあり、ここ1ヶ月の記録を調べてみると3日に1回強の頻度になっています。歩行距離は 6km から 7km、5km だとちょっともの足りないかなと。直線距離にしてみると 6km 強歩けば結構の所まで到達する距離ですが、周回軌道を歩いているため余り遠距離を歩いている感じはありません。それでも歩き始めの1、2km に到達するまでは長く感じ、3km を越えると1km の距離がずっと短く感じてくるのは、どういうことでしょう。歩き始めはスピードが上がらないのかな? いやいや、そんなこともなさそうだ。いずれにせよ、まだエンジンやサスペンションが暖まらないためのようです。

「継続は力なり」と言いますが、このような距離の歩きを継続することにより、過去の東京都医師会通勤の頃とは変わってきたことがあります。歩度(馬術用語:歩行スピードのことを言います)が一定し安定してきたことです。例えば荏原の自宅から新橋あたりまで歩く場合、途中には五反田や伊皿子あたりの長い坂道があり、以前は「踏破してやるぞ」の意気込みでどうしても力が入っていました。しかし最近は「ただ淡々と歩く」ようになり、行程における力の無理・ムラがなくなってきて疲労も少ないようです。

「動的中心への重心移動」「前肢も後肢もなるべくべったり地面につけ、股関節を柔軟に」などの意念は相変わらずです。この意念を始めた頃は無理をして股関節を痛め、快復に1ヶ月以上かかったことがありましたが、今では股関節も大分柔軟になってきました。さらに股関節の稼働閾を広げ柔軟にすることを目標にしています。

NHK ミラクル・ボディーは世界的アスリートを高速度カメラや MRI など最新技術で解析する番組でとても面白くみています。昨日の「マラソン最強軍団」も面白かった。世界記録を塗り替えているアフリカ軍勢の強さの秘密は、高地トレーニングによる血液や心肺機能の最適化の他に「前肢をつま先から着地し足底全体で地面を受け入れる」「これにより全身への衝撃を激減し」「足の筋肉の負担もずっと少なくなる」このため疲労が非常に少ないということでした。最新科学で分析したところその原因は「幼い頃からの素足の生活習慣」とのこと、あったり前じゃん。私が常々ここで述べて来たように西洋人が厚い靴底を発明する前まで、人類は皆そのように歩いたり走ったりしてきたのです。しかし「後肢を水平に抜いて前肢を水平に着く」という私が目指してきたことが「走り」でも活きることを知ったのは新鮮な感動。私が数年にわたり主張してきたことですが、歩きでも走りでもやはりネコ科の動きが効率よいということですね。

◯ 今年の陽気

今年は6月中、気温が高い不快な日も少なく、梅雨らしい天候もありました。7月に入り

上旬になりますが、さすがにやや蒸し暑くなってきたものの今のところ比較的過ごし易い気温が続いています。そんなことで、この季節につきものの怠さもまだ殆ど感じませんが、梅雨が明けると暑くなり怠くなってくるはず。十分汗腺が開けば怠さも消失し爽快になってくるので、今のうちから汗を十分かくよう務めなくてはねと、、

7月12日にしては暑くない陽気。駒込の日本医師会館から自宅まで17km を2時間54分で歩いて帰りました。皇居前のお堀端の涼風も心地よく、いつもの散歩の3倍弱の距離、さすがに翌朝は足腰に軽いこわばりを感じました。散歩習慣から身につけた「淡々と巡航速度で歩く」ですが、都心を通過してくると状況が大きく変化するため、赤信号で長く停められたり後ろから追ってくる足音につい「追い越されてなるものか」と速度を上げたりで、リズムが乱されたための疲労かなと反省。今後の目標は「巡航速度を安定し保てること」。それでも従来なら最終でかなりピッチが落ちてくるのですが、平均速度10分7秒/km の歩度を最後まで維持できたのは散歩習慣のたまものと思います。翌朝体重を計測してみると1kg 近く減っています。発汗にともなう脱水が主でしょうけど、、

さてその翌日、そろそろ蒸し暑くなってきました。高温高湿の空気はどんより風もありません。普通であればかなり身体が怠くなるところですが、努力の甲斐あって身体の怠さもなく絶好調。これで判ったことは、蒸し暑くなり始めるとつけるクーラーがいけないんですね。今のところ多少暑くてもクーラーに頼ることなく、窓を開け外気に触れるようにして頑張っています。節電に協力しようということでもないのですが、たまたま、、

◯ 手塚さん御夫妻の建築物

手塚貴晴+手塚由比という御夫妻の建築家がおられます。写真のように基本的に床も壁も木材を使い、広々としたスペースと、どーんと大きな開口部を持つ家が特徴。私の好きな建築のひとつですが、Web で調べていたら先月の TV「プロフェッショナル・仕事の流儀」に出ておられたんですね、後でオン・デマンドで見られないか調べてみよう。

先日このお二人が書かれた「きもちのいい家」という本を大変面白く読みました。家の構造を思い切り割り切ってシンプルにし、住んでいて気持ちのよい家、百年経っても住める家を目指しているのだそうです。建てられた建築物がすべて私の好みにぴったりかと云うと、もうひと味、私には何か足りないような気もするのですが、手塚さんのお人柄はとても私と合いそうです。

「この設計事務所に自宅の建築を頼んだら楽しいだろうな」とは思うものの、先立つ資金もそこに住み続ける年限の余裕もありません。遠くから眺め楽しませて頂くことにしましょう。最近ではかなり名前が売れるようになってお忙しいことと思いますが、今後のご活躍に心からのエールを贈りたいと思います。

◯ なぜ寄ってたかって過剰反応するのか

「問答無用の何が何でも原発反対」への反対意見、すなわち「資源の乏しい」わが国において、風力・太陽光・地熱など自然エネルギーを使った発電設備、これらの単位当たり発電量はかなり低いので「それらが無数に至るところに普及」するまで最大の安全に努力しつつ原子力発電の灯を落とすべきではないと主張してきました。福島第2原発と同時に津波被害にあった女川原発には問題がでなかったわけで、「原発が悪い」ということより「原発の維持・管理が悪い」というのが正確な見方と思います。それにしても世の中は「原発けしからん」の一辺倒で、流石の私もここのところ鳴りを潜めていました。しかし産経新聞のコラムに私とまったく同じ主旨を堂々と主張する方があり、ちょっと自信を取り戻した次第。

今度は沖縄米軍基地に配備される垂直離着陸輸送機オスプレイについて、同様の「オスプレイは危険」「配備絶対反対」のシュプレヒコール。当の米国ではオバマ大統領自身が視察に使ったり、警備を最大に気遣うワシントンの上空飛行も認めているそうです(ある程度のパフォーマンスはあるにせよ)。たまたま珍しい新しい飛行機の事故ということで大きく一目をひいたものの、他の航空機事故に比し大きく事故率が高いということでもなさそう。車や列車など交通機関にある程度の危険はつきものなわけで、オスプレイだけ寄ってたかって目の敵にするのは私としては合点がいかないところです。それより危険を感じるのは最近過当競争により激安になった旅客機。あれだけ運賃を下げてしまうと色々なところにしわ寄せがくるはず。安全運行面にも、いずれ影響は及ばざるを得ないでしょう。

さて話を戻し、このような動きがマスコミ先導の「集団的いじめ」と見えてしまうのは、私の考えが歪んでいるのでしょうか。「いじめ」問題を大きく取り上げるマスコミが先導で人心を煽動し「集団的いじめ」を行うのは、いつものことながら釈然としません。もっと大きな眼で堂々と正論を戦わすべきではないでしょうか。

◯ ロンドン・オリンピック開会式に NeXT cube 登場

楽しみにしていたオリンピックが始まりました。開会式には盛り沢山の趣向がこらされていましたね。緑の草地をイメージした会場作りはいかにもイギリスらしく良かったですが、特にあの青々と草の茂った螺旋形の丘はとても気に入りました。

女王陛下とジェームス・ボンドを載せ王宮から飛び立ったヘリコプターを、下から見送る女王陛下の愛犬2匹のコーギーは可愛かった。スタジアム上空でボンドが颯爽と舞い降りるのかと思ったら、ピンクのドレスの女王陛下が飛び降りたのも面白かったですね。なかなかの演出でした。

開会式まっさかりの頃、会場中央の一軒家が宙に浮いたと思ったら、中にはデスクを前に座る一人の男。何と Web を発明したティム・バーナード・リーの紹介には感動。この場面を見た人は世界中におびただしい数いるでしょうけれど、彼の座るデスク上に NeXT cube と Megapixel display が鎮座ましましているのが判った人は極めて少ないはず。Apple から追い出された頃の Steve Jobs が創ったマシーン。その OS として開発された NEXTSTEP が現在の MacOSX として Mac の中に、そして発展形の iOS として iPhone や iPad の中に脈々と生きていることを知っている人もほとんどいないだろうなあ、、

もうひとつ感激したことがあります。イギリスで有名な小児病院の情景が開会式にドラマチックに取り入れられたことにも驚きましたが、NHS: National Health Service の大きな文字がメイン・スタジアムのど真ん中に大きく浮き上がったこと。日本で云えば日本の国民皆保険制度をオリンピックの開会式で世界に向け胸を張って宣伝するようなもの。「日本の国民会保険制度が世界に冠たる国民のための素晴らしい医療制度」であることは、日本医師会などが常々説いてきたところですが、日本の政府や行政はなかなか心から賛同する姿勢を見せません。国旗を掲揚したり国家を斉唱することがとても悪いことであるかのような教育をする国ですからね。そこへ行くとさすが衰えたりといえども(失礼)、英国の誇りは素晴らしいなと感動。少しでも我が国の人達も見習ってくれればよいのだけれど、、

で、開会式でのできごと。堂々と入場してきた赤いブレザーの日本選手団、行進の中程まで来たところでスタンド下の出口へ誘導されそのまま場外へ、各国選手の集うスタンド中央へ戻ることはなかったとか。選手たちも狐に化かされた気持ちだったでしょうね。後で IOC に問い合わせたところ、誘導ミスだったとか。そういうのアリかい。愛国心に程遠い現代の日本人はおっとりしてますが、普通は世界の面前で国家を侮辱されたと国際問題だぜ、あれが米国やロシアの選手団だったら英国の運営陣も平謝りのはず。

区立平塚小学校跡の工事:今月はこんな感じ

これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です