わーくすてーしょんのあるくらし ( 373 )

大橋 克洋

katsuhiro.ohashi@gmail.com

2024.06人生は元気でなくちゃね

○ 人生は元気でなくちゃね

私の父は とても積極的で自信にあふれた尊敬する父でした。太平洋戦争末期、赤紙に応召し南支那で死線をくぐって終戦となり香港で捕虜生活を送った後、無事復員し疎開先に帰ってきました。そこから裸一貫で大橋産婦人科を復興。地区医師会長を務め医師会館建設はじめ色々な業績を残しました。そんな元気な父でしたが、3期務めた医師会長を辞め2ヶ月後に突然 脳溢血で倒れたのが56歳、それからは自宅で母による介護のもと10年後に亡くなりました。あれだけ活躍した父の人生の 1/7 以上が寝たきりの生活。そんな父の人生とともに、喧嘩ひとつしたことのない夫婦仲の良かった母の人生も最後は介護に明け暮れた日々、現代のような介護福祉制度もない時代。本当に気の毒に思うとともに自分は元気にポックリいきたいなあと思うものです。

そんな風に思って過ぎてきた私の人生ですが、日本人男性の平均寿命81歳を超え 思ってもいなかった82歳に突入。やるべきこと・やりたいことの多くは消化してしまい、あとはアチラに行ってからやればよいかと思っています。ということで年齢の割に元気なのは良いのですが、あまり長生きすると生活資金も尽きそう。そろそろ静かにフェードアウトできると良いのだがなあ、などと思いつつ元気に過ごす今日このごろです。

高校の同期会

コロナも明け、久しぶりに高校同期会開催のお知らせ。中学・高校の友人はとても少なく今回はパスして隔年にしようかなあと。ところが幹事さんから「ぜひ出席を」とのメールを頂いてしまい、先月末に出席してきました。出席66名、欠席84名、逝去106名、連絡先不明42名ということで、卒業生298名の22%出席、生存者の44%出席ということは出席率かなり良い方でしょうね。逝去35%ですが、連絡先不明者の中にも逝去あるはず。日本人男性の平均寿命を越えている割には、生存者多い方なのかな。

同期会参加者の姿は、年齢より若見えの同期生も多少はいたものの、どれをとってもお爺さん。しかし、見渡してみると参加者66名の誰もが背筋だけはシャンとしている。80歳を過ぎた集団なら必ず背の曲がった姿が見られるもの。これだけはいつも感心すること。麻布学園の生徒の姿勢が良いのは、体育の安楽先生から入学と同時に何度も繰り返された「行進」のおかげではないかなあと思うものです。4列縦隊の行進にこんな効果があろうとは、、

最後は、同期でジャズピアニストの山下洋輔のピアノで校歌斉唱、記念写真を撮って解散となりました。

○ 良い姿勢のコツ

ここで「良い姿勢」について自分なりに会得していることを書いてみたいと思います。若い頃は良い姿勢をとろうとすると「上体を真っ直ぐ」という意識が先に立ち、やたら背筋に力が入り胸を張ったり腰が出たりしました。そのため良い姿勢を長時間保つと、身体の色々なところに負担がきて痛くなったりしたものです。

70歳を過ぎたころ、気がつくと「あれ?これが良い姿勢か」、身体のどこにも無理な力が滞ることなく、自然にゆったり良い姿勢になっていました。それには理由がありました。当時このコラムにもしょっちゅう書いたことですが、中国武術に熱中し「武術の身体を作るには、身体の力を抜いた自然体が重要」ということで、電車の中で掴まらず立つとか、とにかく常に上体を脱力、バランスよく立居振る舞うことを長年心がけてきた結果でした。

このように心がけてきた結果と、前述の「麻布の生徒は姿勢が良い」とは矛盾するようにも思えますが、どうなんでしょうね。私の場合「麻布のベース」の上に「たゆまぬ心がけがあった」ということなんですかね。

「良い姿勢」とは「身体のどこにも無理な力が停滞することなく、頭の重量がしっかり骨盤に乗っていること」。これが常にできるようになると、立っていても座っていても歩いていても良い姿勢が保たれます。良い姿勢は疲れず、とても気持ちの良いものです。

爺婆による上野動物園 漫遊

先日の麻布学園同期会で紹介された趣味グループにウオーキングの会があることを知り、早速手を挙げました。

以前は葛西臨海公園とかお台場でやったりしたのだそうですが次第に足腰も頼りなくなってきたので、次回は上野動物園とのこと。私を含め多くのメンバーが小学校以来の動物園。

午前11時に上野駅公園口集合、参加者19名(4名は奥様方)。入園料はシニア割引300円。入ってみると今時の行楽地のどこもそうであるように、円安によるインバウンドで日本人は1/4位かなという感じ。我々グループ、最初はまとまって動いていたものの、檻に張り付く時間が様々とあって次第にバラけてきました。気がつくと私を含め3人だけで迷走。行けども行けども他のメンバー見当たらず、これは大分遅れをとったかと最終集合地点に至るも誰もいない。他のメンバーはまだ悠々と園内見物をしていたようで15分以上の時間待つことに。幹事さんの話では「いつも幼稚園児の引率より大変。何しろ耳が聴こえなかったりするしね」とのこと。幼稚園ならぬ老稚園ってとこか。

最後は園内フードコートの屋外テラスで生ビールとおつまみを前に昔話などでゆったり歓談、お開きとなりました。当日は好天で30度を越える暑さ、私はTシャツで参加しました。

○ 今月の歩術

6月に入り30度を越える暑い日が屡々あるものの、下旬になっても梅雨の合間、早朝散歩の頃は気温も20度少々と結構気持ちの良い日もありました。これから酷暑の続く期間に入ると、年齢的体力低下で早朝散歩の行程は短くならざるを得ないと思われ、涼し目の今朝、頑張って7キロ近く歩いてきました。耐寒耐熱を誇っていた70代までなら、夏に入っても行程の落ちるようなことは余りなかったし、7キロなんてどうってことなかったのにね。

早朝散歩というと、まだ夜の明けやらぬうち歩き始めていたのですが、夏至の頃とあって歩き始める頃には夜明けなんて雰囲気まったくなくなっています。夏至を過ぎこれから少しずつまた日が短くなっていくんだなあと、、いつもなら、しっかり汗をかくようになるまで、かなり倦怠感の強い期間があったのですが、どういうわけか今年は強い倦怠感なく移行できそうです。

で、歩きの方はというと、ダイエットで体重が春頃より1キロ半ほど減少したせいもあってか少し調子良くなってきていますが、先月書いたように歩き始めとその後では歩き方を変え歩いています。

○ 天才の仕組み

ダロルド・トレファート博士は「特異な才能や能力を保つ人々」に注目し、トレファート研究所を設立。世界各国500名以上の天才を調査、約半数は自閉症だった。これをサヴァン症候群(Savant は博学)と名付ける。また頭部の損傷や疾患などを契機に突然天才的能力を身に着けたものを「獲得性サヴァン」と名付けた。天才脳を CT スキャンで見ると、多くの場合、言語・論理的思考を司る左脳より、芸術や視覚・聴覚の記憶を司る右脳の方がやや大きい。獲得性サヴァンでは左脳が損傷により縮小、その他の研究結果から、右脳がもつ特異な能力を左脳が抑制しているのではないかという結論に至った。

頭部左側には脳を抑制する電流、右側に活性化する電流を流すと、明らかな画像認識の向上や学業成績の著しい向上などが認められた。自閉症児童が幼少時、驚くように写実的な絵を描いていたのに、言語教育とともに絵はどんどん稚拙なものに変わってしまった。その逆に言語を部分的に失う「意味性認知症」になった高齢者が、見違えるように写実的な絵を描く能力を獲得。言語があまり発達していなかった原始人が洞窟に描いた動物の壁画は極めて写実的。彼らは視覚で捉えたものを瞬時に記憶、正確に再現する能力を持っていた。

つまり我々は天才的と言われる能力を潜在的に持っているが、言語能力の発達でそれらが抑制されている。その代わり言語能力による会話や記録により、個人の記憶や能力を皆に伝え集団行動できたり、歴史を子孫に残すという人類にしか出来ない能力を獲得したと言える。

教える・教わるは必要か

2013.09 教える・教わるは必要か  に書いたこと。

カナダ極北地方に住むある先住民族には教える・教わる・学ぶ・習うという概念がまったくない。みんな自分で覚えたというそうです。そして恐ろしいほど見とり能力が高く、テーブルメーキングをして見せた翌日そこにいた女性が真似してやったのを見ると、写真に撮っておいたのではないかと思うくらい正確に覚えていたそうです。教えてとは絶対に言わず、できてから見せに来る。

オーストラリアの先住民アボリジニ、2,3日も一緒に車に乗っていると、ある程度運転ができるようになると云います。見とり能力が素晴らしく高い。

昔の日本の職人もちらっと見ただけで「そうか、ああやっているのか」と一発で覚えたものでした。「教えない」という世界では吸収力が非常に良くなり、ちょっとした一言や何気ない仕草を見て理解してしまう。

当時はただ「へえー、そんなこともあるのか」と思っていましたが、右脳・左脳の働きを知るとともに、そのメカニズムに納得がいきました。

「十で神童、十五で才子、二十過ぎればただの人」というのも、そういうことだったんですね。

内心 ちょっと怒ったこと

某損保会社から保険料誤りに基づく返金手続きの書類が届きました。印刷された QR コードから早速 iPhone でアクセス。返金を受ける銀行口座を入力。口座契約者名が「半角カタカナで入力」とあります。iPhone の場合、どうやっても半角入力はできず、格闘の結果むなしくネット手続きできず。QR コードだけで URL 記載なし。つまり携帯からアクセスさせるようになっているのに、iPhone には対応していないというお粗末。

専用デスクに電話したところ「ただいま回線が混雑していますので、しばらくしてからお掛けなおしください」。10回近くトライ、ようやく繋がりました。色々やりとりした結果 iPhone で半角入力できないなら返送用書面で郵送するしかないとのこと「やれやれ、やっぱりそうか」

しゃくなのでネットで「iPhone で半角入力」で検索。日本語の半角文字はインターネット標準ではないので、Apple としては半角文字は扱わないとのこと。そりゃあそうだよね、パソコン初期の頃にはよく半角文字を見かけましたが、最近ではカタカナも全角しか見ない。さらにしつこく検索した結果、Apple は標準で半角を扱わないが「半角カタカナ」というアプリがあり、そこで作成した文字をコピペしてようやく手続き終了。

大手企業である某社がユーザに用意したのが、非標準の変態な方法とは。しかし罪はこのアプリを作ったタコな IT 企業にあるのであって、当の某社はそんなこと気づいてないんだろうなと、、

スマートフォンの携帯方法、その後

ちょうど1年前、軽装の夏場でのスマホ携帯方法について書きました。さんざん試行錯誤の結果、天才バカボンの腹巻き型に行き当たり「これがいいかな」という結論。その後の経過報告です。

この腹巻きが結構キツく(サイズをもうひとつ上にすれば良かったのかも)、苦しくて結局これも却下。現在その腹巻きは、愛用のオフィスチェア背もたれにクッションを固定するのにピッタリ、そんな思わぬ用途で愛用しています。

で、その後も色々試行錯誤した結果、ウエストポーチが良いんでないかい?と。携帯とポケットティッシュくらい入ればよいので、なるべく薄手で嵩張らずウエストにフィットするものを Amazon で探しましたが、思うようなものが見つからず。

別件で mont-bell のサイトを漁っていたら、私の意図に合致しそうなウエストポーチをみつけました。使ってみると、これがほぼバッチリ。薄手コンパクトなので携帯と薄手の財布くらいしか入りませんがウエストにジャスト・フィット。 T シャツの下で殆ど膨らまないので、ウエストポーチしているようには見えない。しばらくこれを使ってみるとしよう。

○ この Web site の基盤クラウドが変わります

「わーくすてーしょんのあるくらし」は月刊誌からの依頼で始まり、やがてその雑誌廃刊に伴い他の雑誌からの依頼により何社か転々としてきました。そして雑誌掲載が無くなるとともに、当時普及をはじめていた Web で公開に切り替え。その頃は自施設に設置した自前 Web server から発信していたのですが、トラブると復旧に手間がかかることと長年書き溜めたこのエッセイが私の財産となってきたこともあって、長期間安定しているであろうと思われる google の提供する Web サービスへ引っ越し。

このように、時代とともに変遷してきたわけですが、先日 google からのメールで この Web サービスが google から squarespace domains というところに移管されるという知らせ。google が移管するということで、それなりに安定したクラウドだろうとは思うのですが、先行き不安もちょっとかすめます。考えてみれば 1987 年からほぼ毎月書き溜めたエッセイは私の歴史であり、私がフェードアウトした後も私の子孫のため遺って欲しいと願うからです。

そんなこともあって「遺すには何といっても『紙でしょ」ということで、先月からこのエッセイのプリントアウトを始めたところでした。37年にわたりほぼ毎月のエッセイとあって少しずつプリントしていますが、500枚入りの厚いファイル3冊にようやく収まるかどうか。終活の一環ですね。

和紙に墨とは違って、インクジェットの印字は何年読める状態でもつんだろうかという心配も浮かんできます。そういうことを考えると、やはりカーボンを固着させるレーザープリンターの方が良いね。何十年もレーザー使ってきて、カラーも試したいと久しぶりにインクジェットにしてみたんだけれど、、

○ やっぱりレーザープリンター

そんな不安がよぎりましたが、プリンターのカートリッジを交換したところ、新規カートリッジを認識しなくなった。どうやっても駄目でサービスに頼る。ブラザー・プリンタの対応は電話でなくチャットなんですね。最近どの電話サービスもなかなか繋がらないが、5分もしないうち応答ありビックリ。どうやらこのチャット・サービスは対応者がネット上に何人も居て、自分の得意分野の質問に答えてくれるようだ。察するところ社員ではなく、全国展開しているのかも。これグッド・アイデアですね、、

で、肝心のトラブルですが、何人も交代してやりとり、プリンターの電源再投入などソフト的リブートを繰り返す。私は最初からハード的なものを疑っていましたが、ネット越しでの対応ではうまくいかず、結局「引取に伺わせますので修理に出してください」、幸いまだ保証期間中。てな、顛末ですが1週間ほどで戻ってきたプリンター、やはり完治ならず。

Amazon には1万円そこそこでレーザプリンター。もうコピーも iPhone で十分足りるようになったので、複合機でなく印刷のみの単機能機種。このコラムにも書いたように昔々、登場したてのレーザプリンターは100万円以上、なかなか手が出せなかったが、それが1万円とはね。そんなことで「わーくすてーしょんのあるくらし」永久保存版をレーザプリンターで全巻プリントし直しました。調べるとインクジェット印刷物は1年程で劣化する可能性あり、経験上レーザプリンタなら数十年はもつもんね。

○ 耳閉感、、

今月末 TV を観ていて、ふと左耳の聴力が落ちているのではないかと気が付きました。右耳を塞いでみると明らかに聴こえが悪く、逆にしてみると右耳はよく聴こえている。そういえば左に何となく耳閉感。年齢的な聴力低下だと嫌だなあと一瞬思いつつ、この耳閉感と聴力低下は単なる耳垢による閉塞かも知れないが、こりゃあやはり耳鼻科へ行くべきかと。

その午後、近所の耳鼻科受診。耳鏡検査では予想に反し耳垢は余り多くない。最近の耳鏡は大きなモニターに耳の中が大写しになって良く見える(そういえば昔は、お医者さんというと診療科に関係なく、額に額帯鏡をつけたイメージでしたね)。今回の耳鼻科受診、あらかじめ Web で初診の問診票に記入しておけるのは便利。上記のチャットによるサービスもそうですが、世の中は少しずつ実用的ネット・サービスへ移行しつつある。昨今の高齢化に伴う人手不足、コロナの影響などもあるんでしょうね。

余談はさておき、聴力テストや鼓膜テストなどの結果、耳管閉塞により鼓膜が外圧に圧されている状況。風邪などの自覚はまったくないのですが、耳管の炎症を抑えるため消炎剤を服用して様子をみることになりました。リモート会議の時など左耳だけイアフォンをすることがあったのですが、イアフォンではよく聴こえており気が付きませんでした。

大したことではないが、自分の健康記録としてここにメモ。

次のネタ考え中、、、

当月中は随時内容を更新しています

時々のぞいてみてください

最近は面子などにこだわらず

少しずつ進む老化現象も正直に記録することにしています

なあるほど人間はこうして老けてゆくんだと参考まで