2019.08 将来どうなるかは将来どうなりたいか次第

わーくすてーしょんのあるくらし ( 318)

2019-8 大橋 克洋

最近ハマっている中国歴史ものの中で、将来について悩む年若き王に対し年上の将軍が別れにあたり与える「将来どうなるかは、どうありたいかという志次第」という言葉に、ちょっと感ずるものがありました。

私もリタイア後の人生で目標をどう定め生きていけばよいか迷いに気づくとともに「そうか自分のなりたい将来をイメージし、それに向かっていけば良いのか」と思った次第。

で、何に思いを定めるかについては、ゆっくり考えてみたいと思っているのですが、直近で頭に浮かんだのは「老年のクリント・イーストウッド」。テレビ映画「ローハイド」の頃、若いあんちゃんイーストウッドには心動かされることなく、カウボーイを率いるリーダーのフェイバーさんが良いなと思っていたものでした。しかし「ダーティ・ハリー」の頃からイーストウッドにも味が出てきて、老年になっても背中をシャキッと苦み走った顔・ブレない態度には、とても憧れるものがあります。あんな老年になりたい、、

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◯ 今月の歩術

立会川暗渠の上、桜並木の遊歩道(このページ最後にある昭和7年の写真とは大違い)

今年の梅雨は例年になく長梅雨で気温も低めの日が続きました。そのため起きても外は雨で早朝散歩を省略する日が非常に多く、7月の歩行距離は目標200キロには程遠く130キロ少々に留まりました。

その梅雨も7月下旬にようやく明け、とたんに蒸し暑い日々がやってきました。まだ身体が慣れないので倦怠感もさることながら、本日も午前中太陽のカッと照りつける中を10メートルも行くとクラクラしそうでした。晴天の散歩に帽子は必須ですね。帽子にも色々ありますが、私はシンプルな形のキャップを軍隊式に目深にかぶるのが好きです。

学生の頃は、馬術の練習に海軍の略帽を愛用していました。浜松町の帽子屋で見つけたものですが、恐らく船乗り用に売っていたものと思います。真っ白な木綿の帽子で、折りたたんで尻ポケットに入れたり、洗濯も気軽にできるので練習用にもってこいでした。

75歳までは寒さも暑さも何のそのだったのですが、ちょっと性能落ちてきたなあ、こう暑いと朝の散歩もちょっと辛いものがあります。それに最近感ずる大腿部の疲労感というか乳酸の溜まった感じ、まだ歩き始めなのに何で?そういうものも、どんどん使えば無くなると思っていたのはまだ若かったから?それでも惰性のように歩いているうち、多少は軽減してくるのですが、2年前のように「いけいけドンドン、地平線の果までも」という感じはなくなってきました。

今年に入ってから腹部がでっぷり前に膨らんできたのが気になる。確かに腹部に脂肪はついているもののそんなじゃない、これは内臓脂肪だなあ。こりゃヤバイぞと摂食するのですが、何も効果はない。脂肪を筋肉に置き換えるしかない、もっと筋トレに励もう、、

◯ 何で新規アプリの方が使い勝手悪いの?

大分前から銀行預金の残高確認とか振込がネットワーク経由でできるようになり便利をしてきました。最初の頃は Web ブラウザーでやっていましたが、最近は iPhone アプリでも便利に使えるようになりました。机の前に座ってブラウザーを開くより、身につけた iPhone でサッとできて便利です。

最近「みずほ銀行」の iPhone アプリがアップデートされました。外見は前のものより格好よくなったように見えるのですが、実際使ってみると機能低下で改悪、何で?

以前のアプリでは入出金ごとに残高を表示できたのですが、新アプリでは以前のような残高表示をうながすボタンがありません(三井住友銀行のアプリでは、ボタンなど使わなくても default で残高表示され、文字も見やすくずっと使いやすい)。

そこで「みずほ」へ「入出金ごとの残高表示機能を早急に追加してもらうか、それができないならせめて旧アプリも使えるようにして欲しい(新アプリになって旧アプリが使えなくなってしまった)」とメールしました。

さっそく返事が来たのはよいのですが、残高表示機能は幾つかのメニューをたどることによって可能とのこと「何でそんなややこしい仕様にしたんだ」と思いながら指示通りにやってみました。しかし、何度やっても最後のところで「情報の取得に失敗しました。やり直して下さい」と表示され、まったく使えません。おい「みずほ〜」、、

◯ 今月の脳トレ

先月も書いたように、メイン・マシーンとして使っている Mac mini、最小ストレージの128GB版を購入してしまったため記憶容量が少なすぎて OS のアップグレードに支障があったり何かと使いにくい。そこで外付HDを購入し、そちらへOSをインストールし立ち上がるようにしようとするのですが、途中でエラーになってインストールうまくいかない。

あれから何度も試行錯誤を繰り返してきました。そのうち再び macOS ベータのアップグレードがあり、エラーなしで外付HDへ macOS のインストールに成功。バンザイ!いそいそと外付けからOSを立ち上げようとするも、またもや挫折。最近の Apple は何かとセキュリティーを強化していますが、原因はその一環によるもの。「セキュリティーのため外付HD からは OS 立ち上げできません」とのメッセージ。メッセージとともに書いてある説明に基づき、command + R を押しながら OS を立ち上げ、そこで表れるメンテ用アプリからセキュリティ設定を変えられるとのことで色々とやってみるも、再びうまくいかない。

「めげてなるものか」とシツコく試行錯誤を繰り返すこと頻回、ついにうまくセキュリティ設定変更、無事外付HDからのOS立ち上げに成功しました。参考にしたい方のため、もう少し具体的に書きましょう。command+Rを押しながらOSを立ち上げると「macOS ユーティリティ」というパネルが立ち上がります。ここには「TimeMachine バックアップから復元」「macOS を再インストール」「ヘルプ情報をオンラインで取得」「ディスクユーティリティ」という4つのメニューがあります。当然このメニューのどれかからセキュリティ設定を変えられると思うじゃないですか。何とかセキュリティ設定を変えようと四苦八苦、かなり時間をかけ試行錯誤するもうまくいかない。

ふと、画面上端のタイトルバーの中からやるのかなと思いつきました。しかし、4つのメニューのいずれかのモードの状態では、タイトルバーに該当するメニューはありません。考えあぐねたはて「command+Rで立ち上がった直後なら、タイトルバーに該当メニューが出るのかも」。ピンポーン、この状態だとタイトルバーに「ユーティリティ」メニューが現れました。ここをクリックすると「起動セキュリティユーティリティ」「ネットワークユーティリティ」「ターミナル」というプルダウンメニューが現れ、「起動セキュリティユーティリティ」をクリックして現れるパネルから、「外部メディアまたはリムーバブルメディアからの起動を許可」を選択、めでたく外付HDからのOS立ち上げに成功しました。

このわかりにくさ Apple にあるまじきこと。試行錯誤を繰り返さなければならない宝探し状態「お前 Microsoft か」、、文句が多いのはジジイになったから?

ユーティリティ・メニューから選択する3つのメニューは、タイトルバーでなく最初に表示されるパネルの中に置くべき。そうすれば、このような試行錯誤は必要ない。

◯ 日本も貧しい時代を知らない世代ばかりに

日本の小学生がアフリカの孤児院で4日間過ごす番組を見て強く感じたこと、、

一番興味のあるのはお金儲けという東京育ちの男の子、12人兄弟の10番目で北海道育ちの女の子。男の子は学校の成績も良く、アフリカでビジネスチャンスを探すという。女の子は自宅に居ても家の手伝いその他すべて上のお姉ちゃんお兄ちゃんがやってしまうので、それを尻目に手伝いなどせずソフアに寝そべって携帯をいじる我儘娘。

目指すは、日本人女性がボランティアで運営するアフリカの孤児院。収容された子供達は両親と死別したり親に捨てられたりで、ストリート・チルドレンを経験してきたような子供達ばかり。今では園長の女性の愛情に包まれ仲良くやっている。

貧しい孤児院、初日の夕食は豆を塩で煮た一皿のみ。女の子は「これ嫌い」とそっぽを向き、バケツの柄に触っただけでウエットティッシュを欲しがる潔癖症の男の子は煮豆を見て「この水、何使ってるんだか、、」。幼い妹や弟の手を引いてストリート・チルドレンをしていた子供は、ゴミの山から食べられるものを漁って生きてきた「食べられるだけでも幸せ」。結局何も食べず寝てしまった女の子のテントに園長先生がそっとお握りを差し入れ。

翌朝は皆で作業。牛小屋の糞尿を掃除した水の溜まった池にバケツを投げ入れ汲み出し、畑まで運んで撒く作業。育った作物が食べ物になることを知る子供達は黙々と作業するが、女の子は「もうイヤ、帰りたい。帰っちゃ駄目?」。アフリカの子供達は一生懸命日本の子供たちと仲良くなろうとするが、彼らはその気になれない。

翌日、園長先生のはからいで、皆で川へ。園児たちがパンツ一丁になって川に入り楽しそうに水を掛け合ったりするのを見た日本の男の子、シャツを脱いで川に入り無邪気な水かけ合戦に参加。それを見た女の子もつられて川に入る。これを境に園児たちとの距離が一挙につまり仲良く遊べるようになる。

その晩の夕食の皿にはマッシュポテトのような白い塊と豆。今まで気持ち悪がっていた日本の子供達、驚いたことにこれを完食。男の子と元気にサッカーをやっていた子供を含む4人ほどが薬の時間。何か病気?彼らが服用しているのは HIV の薬でした。

4日間の体験を経て彼らは見違えるほど逞しくなり、園児たちと名残を惜しみながら帰るのでした。ビジネスチャンスを求めアフリカに来たという男の子に将来の夢を尋ねると「医者になりたい。またここに来たい」。女の子は「今度は韓国に行きたい」だそうです。

この番組を見て強く感じたこと「今の日本の多くの人は知らないが、ちょっと前まで日本でもこのアフリカの生活や環境は身近に経験してきたことなんだよなあ」。戦中に生まれ、このような生活と現在のハイテクの生活両方を経験してきたハイブリッドの私が感ずることは「肌で知らないということは、ある意味恐ろしいことかも知れない」。

「戦争は絶対にしてはならない」と思いますが、悲惨な戦争を避けるためにはある程度の「抑止力が絶対に必要」と思います。安心な生活を守るため「警察」や「消防」が欠かせないように。現代の日本人、それが肌でわかってますかねえ、、

◯ いつのまにか廃語になっていた?

先日ある呑み会でのこと。私は早めに店に入り待っていたのですが、次々とメンバーが店に集まってきました。席に着く前に上着を脱ごうとしたメンバーに「衣紋掛け、後ろにありますよ」と声をかけたところ、一瞬変な顔をされニヤリと「衣紋掛けだって」と小さな声で言うのが聞こえました。ん? 自然に私の口から出た言葉でしたが、内心「あれ?ハンガーって言わなきゃいけないのか?」。

それから数日後たまたまネットの記事を読んでいたら、現在は死語となっている言葉のひとつに「衣紋掛け」が挙がっていました。本来和服を掛けるものですが、洋服用ハンガーを含め総称して衣紋掛けと呼んでいた。一方、ハンガーという言葉は明治時代から使われていたのだそうです。「へえー、そうだったんだ」と納得する一方、でも今までずうっと自分の中では衣紋掛けを使ってきたよなと。考えてみれば心の中では「衣紋掛け」でモノを識別していても、実際声に出して「衣紋掛け」と言ったことは余りないよなあとも、、

この年齢になると長い年月もあっという間で、子供の頃から使い慣れた言葉をそのまま使っている場合も多いのですが「自覚しない間に変化している世の中の常識もあるんだなあ、ちょっと気をつけよ」と思ったのでした。そう言えばちょっと前、今の世の中では「シャツをズボンにインしているのはダサい」と見られるようだが、自分はそうは思わない「シャツはきちっとズボンにインする方が美しい」と書きました。しかし最近、この夏場に入ってから、Tシャツや半袖シャツなどズボンにインせずに出歩けるようになってきました。

◯ テレビ放映でちょっと気になったこと

8月15日が終戦記念日ということもあって、以前ほどではありませんが今月は戦争にまつわる番組も多く見られました。その中で気になったナレーションが、、

戦艦大和に群がる米軍機を盛んに「戦闘機」と呼んでいましたが、あれは急降下爆撃を行う「爆撃機」や水平爆撃・雷撃を行う「攻撃機」ですね。「戦闘機」というのは、敵機を撃墜するのが仕事ですから、敵戦艦の周りに戦闘機が群がることは普通ない。

ウィキペディアで調べてみると、自衛隊では専守防衛をむねとするため「攻撃」という文言は避けられこれらの機種は「支援戦闘機」と呼ばれるようになったとか。そういう意味では現代人が、大和を攻撃する米軍機を戦闘機と呼ぶのも「なるほどね」と思った次第。

自衛隊が戦闘機という呼称を使うなら攻撃機も使たって良いじゃないかと私は思うのですが、自衛隊としては戦争アレルギーの現代日本人からちょっとしたことで揚げ足をとられるのを避けたいということなんでしょうね。

もうひとつ別の番組、巨大船舶を紹介する中で米海軍の巨大な航空母艦の画面が表示されているところで「戦艦」というナレーション。これも非常に違和感を感じたのですが、考えてみれば戦争を知らない現代日本人から見れば、航空母艦も戦闘艦という意味で戦艦という表現になってしまうのかなあ、などと考えたのでした。

ん?そうなると、前の話に戻って、駆逐艦やイージス艦も戦闘艦だから「戦艦」?いやいや専守防衛だから自衛隊の艦艇に戦艦はまずいよ、そうか「護衛艦」だ、多くの人にとってどうでもよいことにこだわるのでした。

これも、歴史とともに呼び方が変化してくる例なのかなあと思うと同時に、戦争を経験した年代にとっては微妙に反応する違いも、長い平和が続く日本ではもはや識別できなくなってしまっているんだなあ、、何はともあれ平和持続は非常に良いこと。

そして何度も書きますが、本当に戦争を避け平和を守るためには観念的な戦争反対、戦争アレルギーではなく、しっかりした自衛力や抑止力が欠かせないことを理解すべき、と幼い頃戦火に追い回された世代として強く思います。強盗に押し入られないためには、それなりの抑止力や知恵が必要と言った方が解りやすいかな。110番しても警察が速攻で来てくれるとは限りません。

◯ 否応なく進む地球上の自然破壊

現在、地球上の酸素の20%をつくっていると言われる広大なアマゾン森林地帯に7万4千件もの山林火災が起こっているそうです。7万を越える山林火災が同時進行しているって凄いことですよねえ。NASA 公表の人工衛星からの写真を見ると、南米大陸で見られる都市の灯りは殆ど海岸線を縁取る程度ですが、ブラジル全土にわたって山林火災のオレンジ色に蝕まれているのが判ります。言われる焼畑農業などによる人工の火災だけでなく、最近の異常気象による猛暑も大いに影響しているのでしょう。

この地球規模とも言える大規模な森林火災拡張の原因として、今年1月にブラジルのボルソナロ政権が発足してから、資源開発・農地拡大のため森林伐採をすすめ、焼畑農業への規制が甘くなったことなどが今回の事態を招いたとして非難されているそうです。時期を同じくして開催されていたG7サミットの席でフランスのマクロン大統領から「われわれの家が燃えている。地球上の酸素の2割を生み出す「肺」アマゾンが燃えている。これは国際的危機だ」との言葉とともに提案がなされ、G7から日本円にして23億円強の消火対策支援金の提供が決議されました。

これに対し、あろうことかブラジルのボルソナロ大統領はこの申出を「ブラジルをあたかも植民地か無人地帯のように扱っている」として拒否しています。その前から「この火災の頻発は環境保護 NGO による放火が原因」などの暴言を吐いていたボルソナロ大統領、そもそも昨年の大統領選で、対立候補から「私のライバルが選ばれればアマゾン地帯の崩壊だ」と指摘されていたそうですが、まさにそれが的中だそうです。

現在世界では、米国のトランプ大統領・韓國の文在寅大統領・フィリピンのドゥテルテ大統領そしてこのブラジルのボルソナロ大統領(他にも誰か居たような気がする)、常識ハズレの独善的人物が選ばれています。日本の民主党政権発足の時もそうでしたが、それらの国民達は、見るからに予想できる事態を招くに決まっているこれらの人物に何故票を投じるんでしょう。私にはまったく理解できません。

民主党の時にここにも書いたように「現状を変えたい」ということから、そのような人物に投票するのだとしたら、「現状を変える」ということは「現状を『もっと悪い方向へ』変えるも含まれる」ということに思い至らないのでしょうか。不思議でなりません。

◯ そしてここにも

横浜市長による「山下埠頭にカジノを含む統合型リゾート施設の誘致検討に入る」との発表が物議をかもしています。横浜市民などからカジノ反対の理由として、治安悪化やカジノ依存症増加などが挙げられています。私もカジノ設置には反対の立場ですが、その大きな理由というか危惧するところは「そのような非生産的なものに大きな資産や頭脳を費やすという教育が国民にとって良いのか」ということ。ここに言う教育は青少年だけでなく、すでに社会人となって生活している人も含めてです。

人間は弱いもの。どうしても享楽的なものや儲け話には流されてしまいます。これを誘導する横浜市の思惑が「税収を増やしたい」つまりは「金儲けのため」が最大の理由というのが非常に気に入りません。金は決して人間を幸せにするものではないからです(大金を得た当初は幸せな気分を味わうかも知れませんが、本人に最終的幸せを招かないことが多いし、誰かを不幸にすることも多々ある)。

世の中を引っ張る指導者は「もっと真の意味での幸せを与える方向を選択すべき」と私は強く思います。

横浜市民が憤る理由は他にもあるようです。そもそも現在の横浜市長である林文子氏は選挙前カジノ誘致積極派だったのが、立候補にあたり「カジノ誘致は白紙」として「慎重派」のふりをした。そして2年後の今日、態度を豹変させ「カジノ誘致」を打ち出したことに憤りを禁じ得ないということだそうです。

◯ ドキュメンタリー:急激に変化する現代中国をみて

NHK の取材した現代中国のドキュメンタリー番組をみて感じたこと、忘れないうちに書き留めておきたいと思います。

ロケット打上げプロジェクトを行う新興企業の取材。20代の若い技術者達が近代的オフィスで意欲的に開発に取り組む姿は、戦後日本の意欲満ち溢れた技術者達を思い起こさせます。一方で内心「この勢いで来られたら怖いなあ」という気持ちもありましたが、中国が国外を侵略することなく平和的に共存していけるのなら、とても良いことと思いました。

10年前の取材では古いレンガ造りの平屋が立ち並び、沢山の店の前を大勢の人が賑やかに行き交っていた街。現在ゴーストタウン化し店の戸が閉まり、人っ子ひとり歩いていません。やっとみつけた人に尋ねると、ここは再開発予定地域で住んでいた人たちは皆クニへ帰ったとのこと。北京の一角のようでしたが、古くからの町並みが広範囲に取り壊され、いずれ高層の建物で埋め尽くされるのでしょう。若者に尋ねると「中国は他の国が100年かかったような変化を10年でやってしまった。こんな国は世界中のどこにもないだろう」。

私の住む東京でも多数のマンションの立ち並ぶ風景、ここ数十年の変化は地球始まって以来見られたことのない変化。このように大規模に急激に地球上を変えてしまってよいのでしょうか、私は結果を見ることなく終わると思いますが、空恐ろしい気持ちがします。

現代中国ではインターネットの閲覧規制はもちろん言論統制も厳しく、インタビュー相手から「その話題はよして他のことを話しましょう」とやんわりかわされることもままあったようです。10年前.に比べると、真綿で首を締めるように規制が進んでいる印象とのことでした。そのような社会をどう思うか若者に尋ねると「自分たちはいつも監視されプライバシーはない」「生まれた時からそのような環境で暮らしてきたので、そんなものかと思っている。政府が暮らしの向上さえきちとしてくれればそれで良い」との答えでした。

至るところに習近平首相による「貧困を追放するため頑張ろう」的な巨大看板が立ち並ぶ街もあり、ある街では10年前まで電気も水道も引かれず食べるに困っていた貧しい家々がきれいな集合住宅に変わり、仕事も与えられ「生活はずっと良くなったよ」というお婆さんの声もありました。これは昔からよくある中国共産党による操作の反映であって、現在でも貧困の地域は沢山あると思われます。

いずれにせよ、これからも中国は近代化に向けめざましい増殖を続けていくこと間違いないでしょうが、ここら辺で「地球上の本当の幸せとは何か、長い目でじっくり考えてみるべきではないか」と思います。

◯ WRC ドイツでトヨタ圧勝し表彰台を独占

WRC:世界ラリー選手権.にトヨタが復帰して3年目、トヨタ車は次第に安定度とスピードを上げてきつつあります。そして今月、遂にパーフェクトな勝利。

前回、第9戦のフィンランドはトヨタチームを率いるティム・マキネンの母国でありトヨタ車を開発するホームグラウンドとあって、トヨタの圧勝が期待されました。そして期待にたがわず、トヨタのオイト・タナック、クリス・ミーク、ヤリマティ・ラトバラの3台がワン・ツー・スリーを占める場面もあったのですが、終盤ミークとラトバラにトラブル。タナックは優勝を飾ることができたものの、2位はシトロエンのラッピ、3位にラトバラという結果になりました(ちなみに昨年まではラッピもトヨタチームでしたが)。

そして今月第10戦ドイツでは、遂にトヨタ車が1位から3位までを独占、タナック、ミーク、ラトバラの3人が表彰台に上がって、青空にひるがえる美しい日の丸と君が代に大感激しました。速いときはとても速いもののクラッシュや大転倒などトラブルの多いクリス・ミークが2位で無事ゴールを切った時、トヨタのサポートチームからは安堵の大歓声が上がったようです。以前にも快走してきたオット・タナックが優勝間違いなしというゴール直前突然のトラブル、まさかのストップということがありました。最後にゴールを切る瞬間まで何が起こるかわからないのが、ラリーの怖いところでもあり面白いところでもあります。

今回記念すべきことがもう一つ。日本の勝田貴元がトヨタのヤリスに乗り、初めての WRC 参戦を果たしました。順位は10位でしたが、初めての参戦とあって抑えた走りだったようですから、実力そのまま発揮できれば8位以内に入れたかも知れません。しかし無理をせず堅実な走りで自信をつけることこそが今は重要でしょう。もうじき日本選手の乗った日本車の活躍が見られるのを楽しみにしています。そう言えば、トヨタ車が WRC でワンツースリーを占めたのは、86年コートジボアール、93年サファリに次ぐ3回目だそうです。

トヨタの現在の3選手がベテランの速い選手ということはありますが、トヨタ車は WRC 参戦してから徐々に着実にスピードと安定性を上げてきました。以前に見られたミッションやパワステ、電装品、足回りなどのトラブルが次第に減少するとともに、ヒュンダイ・シトロエン・フォードなどに比べ圧倒的に速い車となっています。しかしレースの舞台によってはヒュンダイが速い場面もあるので、今後も決して油断はできません。

4年前 WRC から撤退したフォルクスワーゲンは、他車に比べ圧倒的に速くいつも安定した強さを誇り、ワンツースリー・フィニッシュを何度も成し遂げてきました。トヨタも来年くらいから、あのようにいつも安心して見ていられるチームになると嬉しい、、

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前の方にあげた現在の遊歩道の写真とはまったく異なる一昔前の風景

これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です