2015.09 プログラムは思った通りには動かない

わーくすてーしょんのあるくらし (271)

2015-9 大橋 克洋

自宅から見下ろす荏原の三社祭り:スクエア荏原

< 2015.08 使い手こそが最高の作り手 | 2015.10 El Capitan リリース >

◯ プログラムは思った通りには動かない

どう動くかというと「書いた通りに動く」。つまり、かなり熟考して書いたプログラムも実際に走らせてみると想定どおりには動かない。「あれ?」と思って原因を追求してみると自分の書いたブログラムに問題があって「想定外の挙動の原因は、結局自分の書いたプログラムにあった」というのは、とてもよく経験することです。

これはつまり、かなり時間をかけて考えたつもりでも、プログラムの奥底まで広く見通しが効いていなかったためなんですね。

これが長年の悩み。これを解消するためにオブジェクト指向プログラミングというのがあります。プログラムの中のまとまった部分をオブジェクトとしてカプセル化し、それらカプセルを組み合わせてプログラムを構成するもの。

現実の世界に例えてみると、企業の中では経理・営業・研究・製造などの部門や、さらに細かく分ければ清掃・警備・運送など色々な専門職が自分の分野を担当しています。これらそれぞれがオブジェクト。他の部門の知識もある程度は必要ですが、原則として仕事はそれぞれの分野に丸投げすればよい。このような仕組みにより、自分の担当分野のことだけ考えていればよいので、それらを統括する管理職の負担もずっと少なくなる。

理屈ではそういうことなのですが、実際にやってみるとなかなかそう綺麗に仕事を切り分けることが難しく、どうしても他の分野の内容とからんできてしまうことが多いため、結局全体の見通しが悪くなる。

プログラミングを始めて36年以上になりますが、いまだにこれで悩んでいます。「さらにカプセル化を進めたい」と努力しつつ、、

◯ 今月の脳トレ

ここのところ電子カルテ NOA のユーザさんのメーリングリストも静まり返っており、粛々と NOA 内部構造の整理を行ってきました。NOA に付け加えるべき新しい機能などのアイデアが浮かばずちょっと煮詰まっていたところへ、久々のリクエスト。これまで外来診療に使ってきたが、これからは入院用にも使っていきたいということで、それに関するテンコ盛りのリクエストが届きました。

一瞬、「うヘッ、いっぺんにこんなに沢山!」と思ったものの「山は少しずつ崩していくっきゃないか」と取り組みました。しかしリクエストへの対応は意外にスムースに進み、思ったより早くすべてのリクエストをクリア。自分のプログラミング能力も、まだまだバリバリに行けているなと、ひとりほくそ笑む。しかし、新規機能のアイデアが浮かばないところなど、ちょっとなー、とも、、

そんなこともあって、自作の製図ツールで高校時代からの趣味である住宅設計に入れ込んでいたりする今日この頃でもあります。

ケーブルテレビ機器の録画機能が快適なので、最近は録画しておいたものを見るためずっと座りっぱなしのことも多いのですが、早朝散歩でしっかり歩いているため足腰がしっかりするとともに、頭のめぐりの方もそれなりに保てているようです。

◯ 今月の歩術

今年の夏は酷暑と思うこともなく、比較的過ごしやすかったように思います。暑い年では10月になってもかなり暑かったりするのですが、今年は9月も台風を境として中旬に入ると朝の空気もひんやりと肌に心地よくなってきました。それでも朝日を浴びると暑くなってくるので、日陰を選んで歩くのですが、、

今年の9月は日月火水と4連休もあったりと、早朝の歩きも時間的にゆったりできて嬉しいなと、、先日も大崎駅前から目黒川沿いに目黒新橋を渡って、恵比寿、代官山、祐天寺をめぐり12kmほど歩いてきましたが、恵比寿駅前で目の前を横切って行く競歩の若い男性に目が釘付けになりました。両腕を曲げ足を真直ぐ伸ばしたままの競歩スタイルでしたが、通常の競歩で異常に感ずる骨盤の揺れがあまり感じられず、印象的だったのは「上下動なくねっとりと、極めて滑らかに前方へ流れてゆく」動き。これこそ長年めざしてきた「自転車のように上下動なく前方へのみ進む」動きです。「なあるほど、このような動き、やればできるんだ」と。

これを目指して行きたいと思います。すぐにやってみましたが、当然のことながらすぐには実現できません。長距離を歩くうち、足がバタバタしてしまうようでは駄目。長距離になってもネコ科の歩きができるようにならないと。これが現在の目標。

前後の重心のバランスが問題なのかな、歩き初めは大丈夫でも長距離になってくるとどうしても重心が前に傾いてしまい、バタバタ足を着いてしまうのではないかと、、

◯ iPhone6s や iPad pro 発表

恒例の Apple の新製品発表が行われました。今年の目玉は iPhone6S や iPad pro。

iPhone6S は筐体が強化されため僅かに厚くなり重さも増えたようです。市場最強のカバーガラス。3D Touch と呼ばれる3種類のタッチ圧力を感知する機能がつきました。カメラのピクセル数が50% 増える。指紋認証の速度が速くなった(今まででも充分速かったですけどね)。LTE と WiFi が高速になったのは嬉しいかな。Live Photos 機能など、、

前々から噂のあったデカイ iPad は iPad pro という名前で発表されました。アプリを左右2画面で同時に扱えるところがウリ。別売のカバーにキーボードがついているところやその姿は、まさに MS 社の後追いなのがちょっと嫌だな。ジョブズが嫌っていたスタイラスも別売のようです。これらはジョブズがいれば絶対にでてこなかった姿と思いますが、果たしてその成否は如何に、、と見守りたいと思います。

iPhone 登場以来、新型発表とともに速攻でリプレースしてきたのですが、今回はパスして iPhone7 を待ちたいと思います。あまり食欲が湧かないのでね。

一方で iOS9 がリリースされたので、これにはすぐ対応しました。メモに写真や手書き文字が貼れるようになったとか、Slide Over 機能でアプリ画面の右に他のアプリ画面を出せるのは便利ですが iPad ではできても iPhone では駄目のようですね。ホームボタン2度押しで呼び出すタスクスイッチ画面のデザインも変わりました。しかし全体的に今回変化は少ない。

◯ 女子バレー ワールドカップ 仙台ラウンド

初日はペルー戦。ペルーも強力なスパイクなど善戦しましたが、日本は総力戦。明日から続く手強い相手を前に、眞鍋監督、全メンバーをコートへあげる。これまで出番少なく余り振るわなかった迫田、得意のバックアタックも決まり始め、とても良い笑顔。初戦で鋭い切れ味、巧みな技をみせた古賀もここのところちょっと精細を欠き、試合後の自分を振り返り今日は30点と言っていましたが、それでも着実に点数を稼ぐ。その他のメンバーも夫々に持てる技を発揮し、余りはらはらすることなく順調に3セット獲ってストレート勝ち。

2日目は韓国戦。韓国は日本を宿敵として強い敵愾心を抱いているようですが、そうなると日本も同じ。というか、今回の WC でオリンピックの出場権を勝ち取るには、何が何でも敗けるわけにはいかない。第2セットで押されてちょっとハラハラするところはありましたが、押し返して最終結果は無事ストレート勝ち。韓国の至宝キム・ヨンギョンのキレがイマイチだったことと、この試合でも日本の多彩なメンバーの活躍による総合結果でした。特に強烈なスパイクやフェイントを使い分ける長岡、復活した古賀の活躍などが印象的でした。

3日目はセルビア戦。セルビアはこれまで全勝のロシアと2位の米国を下し、今回最強だろうと言われるチーム。これに対し日本は第1セット先取。第2、第3セットを獲られ、第4セットを日本が取り返すという接戦でフルセットに持ち込みました。第5セット、僅差で先行するセルビアに日本はよく食い下がりましたが、僅かに追いつけませんでした。長身のセルビアのブロックをかいくぐり長岡の素晴らしいスパイクが何度も炸裂、古賀もスパイク、サーブと得点を稼ぎました。長身かつパワフルなセルビアのスパイクを、日本チームこれでもかこれでもかとよく拾う長いラリーも何度か見られました。日本チームを何年も見守ってきましたが、本当に強くなったと思います。ここまで日本が敗れたのはロシアとセルビアだけですが、どちらの試合もフルセットまでもつれ込んでの敗けです。世界でも3位以内の実力と言ってよいでしょう。以前のように手に汗握ることも少なく、安心して見ていられるチームへと大きく成長しました。本当にどの選手も素晴らしい、頼もしい。

◯ 名古屋ラウンド

会場を名古屋へ移し最終ラウンド。第1戦はアルジェリア。現在のところこのチームは前敗で日本としては何ということはないでしょうが、最後に残った米国・中国戦を控え最終調整という意味が大きい。眞鍋監督にはそのような意図もあるのでしょう、スタート・メンバーとして初めて迫田や鍋屋が入りました。鍋屋は高校バレーでスター的存在だった選手だそうですが、今回の WC ではピンチ・サーバとしてしか呼ばれていません。ちなみに鍋屋と大竹の父親同志は同級生、そして彼女同志も同級生という縁だそうです。皆が期待する迫田のバックアタック、この試合で次第に調子を上げてきました。米国・中国戦に威力を発揮してくれることが期待されます。大竹は打率 100% という素晴らしい結果を残し、これで私の好きな山口選手の後継者ができました。忍者のあだ名を持つ山口も、最終セットで彼女らしい胸のすくような攻撃を見せてくれました。健闘したアルジェリアにはまことに気の毒でしたが、日本のストレート勝ちで明日の米国戦への準備が整ったというところでしょう

第2戦はいよいよ強敵の米国。第1セット日本快調に奪取。第2セットは一時日本が優勢だったものの後半盛り返されて取られる。第3セット日本優勢から取ったり取られたりのシーソーゲーム。長身の米国を相手に小柄な内瀬戸が頑張る。ここまで長岡がこの試合で最も多数の得点20を稼ぐ。僅差で進んだもののこれも最後に米国の連続得点でセットを取られる。第4セット、ベンチ入りだった木村や迫田が出るかと思いきや、第3セットとメンバー変わらず。今回はスタートから米国走る。リベロ佐藤が小柄ながら巧みなレシーブを見せ、長いラリーも何度かあったが米国の高いパワフルなアタックに刺される。長岡がかなりマークされブロックされることが多くなり、かわりに迫田が入る。このセット、最後まで米国がノリノリの走りで日本の健闘も及ばず敗退。これで残念ながら、この大会でオリンピックの参加権獲得の夢は消えました。

米国の特徴はこれでわかるように、次第に相手チームの状態をつかみそれに対応してくること。太平洋戦争緒戦で活躍した零戦が、アリューシャンで捕獲された零戦を元に米国に研究されつくし、対応する戦法や戦闘機を開発され、それに対応できなかった日本、最後にはさすがの零戦もまったく精彩を欠くようになったのを想い出させられました。

最終戦の第3戦は中国。第1セット、この大会でサービスランキング1位の日本、最初に宮下のサービスエースで始まったが、後半中国にガンガン打たれセットを取られる。第2セット、前半日本は長岡・古賀・島村・大竹らの巧妙な攻撃が決まるが、得点は追いつ追われつ。中盤、ピンチサーバーの鍋屋が連続サービスエースなどで6連続得点をとり逆転し、第2セットを奪う大きな仕事をした。中国もここで勝てば優勝、敗ければ3位とあって必死。観客席にも赤いシャツの中国サポータや中国メディアが沢山つめかけている。第3セット前半は左右から古賀・長岡のスパイクが決まってつけ込む隙を与えず、中国に4点差をつける。後半、日本リードの場面もあったが終盤中国に連続得点をとられ第3セットを失う。第4セット、今回裏方に徹して表立った活躍の少なかった木村キャプテンの得点や迫田のサービスエースなどで迫るも、1点差で中国が最初の8点テクニカルタイムアウトをとる。中盤迫田のバックアタックも決まり始め、古賀のサービスエースなどで1点差の一進一退を繰り返すも、1点差で中国が2度めのテクニカルタイムアウトをとる。終盤、中国のスパイクが決まり始め、迫田や木村の素晴らしい反撃などが会場を湧かせたが2点差をつけられ追いかけるもかなわず第4セットを落とし中国に敗れる。最終的に、日本はワールドカップ5位に終わったのは残念。中国との闘いも非常に接戦、3位には入れた実力を持っていたのに。

中国は乱されても、最後の球が長身シュテイにさえ行けば、高い位置から速射砲のようなスパイクが確実に日本のコートへ叩き込まれるという展開。日本も長岡・古賀・木村・迫田らのスパイクが良く決まったが、終盤に入ってからは大会前半のような鋭さはやや影を潜めるようになった。それでも長岡あたりは最後までスタミナを見せた。終盤では大竹・島村・山口らのセンターへの配球がなく、彼女らの素早く力強いクイック攻撃がみられなかったのはちょっと残念だった。全般的に日本チームどの選手をとっても冷静さを欠くことなく、比較的安心して見ていられる試合運びだった。

◯ 男子バレー ワールドカップ

女子に続き男子が始まりました。男子の試合はしばらく見ていなかったのですが、女子と同様こちらも大きくメンバーが刷新されました。昔から馴染みの選手は清水邦広・米山裕太くらいかな。かつて元気あふれる若手だった清水が今回はキャプテン。バレー選手の中では背の高くない米山はサーブ・レシーブのベテランとして起用されていました。

女子の古賀に相当するのが19歳の石川祐希、初参戦でエース級の技を見せました。南部正司監督が NEXT4 として期待する新人、石川祐希・柳田将洋・山内昌大・高橋健太郎の4名。特に柳田は石川とともに強烈なスパイクを決めていました。緒戦でコートに立たせてももらえなかった山内、高い上背から繰り出す速攻攻撃が綺麗に決まって、カナダ戦では打率 100% という好成績を残しました。高橋も背が高くワンポイント・ブロックに駆り出されることが多いのですが、今のところ余り活躍するところになりません。

期待の大きい石川、鋭い切れ味や巧みな技を見せていましたが、相手チームからマークされることが多くなってくると切れ味もやや鈍化。それでもしばらくすると、それに対応して活躍するところなど、女子の古賀紗理那と本当によく似ています。石川以上に活躍を見せたのが、女子の長岡に相当する柳田。スパイク、バックアタック、サーブと今までの日本選手になかったパワーです。

NEXT4 の石川・柳田、それに女子の木村沙織に相当するキャプテン清水のスパイクが綺麗に決まることが多いですが、その他にも背の高い鈴木寛史の胸のすくようなクイックは女子の山口や大竹に相当。出来田敬も時折、強烈なクイック攻撃。セッター深津英臣の配球も見ごとでした。リベロ永野健のファイン・プレーとともにチーム全員のファイン・プレーによる繋ぎからのラリーの応酬は、かつての日本男子に余り見られなかった頼もしいもの。一昔前まで、男子も頑張ってはいるものの力強さやしぶとさにひと味物足らないところがあり、良い成績も残せませんでしたが、今年のチームは日本女子と同様、年齢も一段と若返るとともに、パワー・技術・しぶとさで見応えあるチームへと生まれ変わりました。世界ランキング20位の日本、今までになくエジプト・オーストラリア・カナダ・チュニジア・ベネズエラを破ったものの、米国・イタリア・イラン・アルゼンチン・ポーランド・ロシアに敗れ、大会6位となりました。男子も見ていて安心できる力をつけてきました。

ラグビーのワールドカップで、日本が世界を相手に思いがけぬ好成績をあげたことが大きなニュースになっています。今年のバレーのワールドカップ、女子も男子も世代が大きく若返り、世界を相手にひけをとらないプレーをするようになりました。まだまだ世の中で脚光を浴びることの余り無いバレーボールですが、これからも入れ込んで応援していきたいと思っています。昭和30年代の体操がそうでしたが、私が入れ込んでいた体操が日本ではまったく認知されていなかったのに、東京オリンピックのあたりから日本が強くなり脚光を浴びるようになったのを思い出します。

◯ facebook も景色が変わったな

ふと考えてみると facebook も随分と景色が変わったなと思います。以前は知人同士がメッセージを交わすのが主体でした。気がついてみると最近のはニュースやブログなどを掲示して、それに対するコメントをやりとりすることが多くなっています。

これはこれで色々なニュースを知ることができるという意味があるのですが、発足当初の知人同士でのメッセージのやりとりだけに絞ったものも大変懐かしい気がします。そう考えてみると、現在の雑多な情報で混みあった facebook とは別に、以前のように知人同士がメッセージを交わすだけの SNS もあった方が良いのかなとも思っています。

そう言えば以前は iPad の flipboard で facebook を読み書きしていたのですが、いつの頃からかそこでは通常の知人達からのメッセージは流れてこなくなり、コマーシャル的なコンテンツばかりになり、flipboard での facebook 参照は削除してしまいました。

< 2015.08 使い手こそが最高の作り手 | 2015.10 El Capitan リリース >

散歩の途中で:立会川駅の坂本龍馬像

これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です