2008.07 亀の歩みは馬鹿にできない

わーくすてーしょんのあるくらし ( 185 )

2008-7 大橋克洋

奇麗な写真 Google 画像から転載させていただきました

< 2008.06 Seagaia meeting 2008 in KYOTO あれこれ | 2008.08 携帯を換えました iPhone >

先日 TV でウミガメの生態をやっていました。 アカウミガメ(確かアオウミガメではなかったはず)は、 太平洋の米国沿岸から日本沿岸まで、 産卵のために泳いでくるのだそうです。 このように遠方まで移動するのはアホウドリやクジラ位だそうです。

ウミガメも敵に教われた時は結構な速度で泳ぐのだそうです。 亀は甲羅をもっているので、どんな敵が来ても大丈夫と思っていたら 大間違いでした。旅の途中で甲羅の上からサメに食われるなど (サメって凄いですね)、それは苦難の道なのだそうです。 しかし、通常の泳ぎは当然ながらゆっくりと優雅なものです。 大きなウミガメも太平洋では ちっぽけなもの。 あの泳ぎで太平洋を横断してくるというのでちょっと感激。 「そうか、ゆっくりでもたゆまず進めば必ず目的へ到着するんだ」 そう思ったものです。ウサギとカメの話を実感した思い。

そうやって長旅の果て 日本の砂浜に産み落とされた卵から、 やがて沢山のコガメが孵ります。しかし 彼らにはさらに苦難の道が待っています。 海辺へたどりつく前にカニやフナムシにやられてしまうものもあり、 海へたどりつけても、まだ甲羅も柔らかいコガメは 色々なものに捕食され数は激減するのだそうです。 自然界の生物の誕生をめぐっては、常に危険と試練が存在します。 厳しい試練を生き残れたものだけが次の子孫を残し、 種を保つという巧妙な仕組みなのですね。 安全な囲いの中で育ったものには長年の間に必ず狂いが生ずると思っていましたが、 その症状のひとつが先月の秋葉原無差別事件などでしょう。

ここ数ヶ月 Web 版電子カルテの開発モードにはまって、 シャカリキにやっています。40代の頃の開発モードに近くなっているとは言え、 やはり年齢的なものがないとは言えません。 そこでウミガメの成し遂げたことに勇気を得たという次第。 「ゆっくりでもコツコツやっていれば、必ず到着するもんね」、と。 一昨年でしたか、横浜「みなとみらい」から20Km 歩いて帰った時も、 延々と続く第一京浜で はるか彼方の丘へ続く道をのぞみ、 排気ガスを吸いつつ思ったことでもありました。

○ うちの守り神「やもり」

先日久しぶりに家内がベランダで「やもり」をみかけたそうです。 西側ベランダに居たのが、しばらくして東側で見かけたとか。 植木鉢を移動した時についていったらしいとのこと。 Wikipedia で調べると、そもそも「やもり」は船の貨物などと一緒に 世界へ広がって行った歴史があるそうです。 ちなみに Wiki の冒頭では、真っ赤でグロテスクなヤモリが目に飛び込みびっくり。 うちのは小型で、もっとずっと可愛いのです。下の写真に近いかな、、

Wiki にはムーアカベヤモリとありました

やもりは神出鬼没というか、本当に何年に1回かしか姿を現しません。 最初に家の中で見かけたのは30年以上前の木造住宅の頃でした。 窓ガラスにぴったりと張り付き、身体としっぽを ややくねらせ、 小さな手足の指を八つ手の葉っぱのように広げているシルエットが、 とても可愛らしいのです。

それから10年ほどして、等価交換方式で建ったマンションになりました。 さらに5年くらい経て、 13Fの自宅で「やもり」を見かけたのには本当にびっくりしました。 マンションの大工事の間、隣家にでも避難していたのでしょうか。 ますます家の守り神と思い込むことにしました。 30年ほどの間に、姿を現したのは5回もありません。 ある朝、居間のカーペットの上に よれたホコリをみつけ、 つまんで捨てようとすると、これが「やもり」だったこともあります。 これからも、我が家を守ってくれるに違いありません。

○ 今月の歩術

最近は空梅雨が多かったように思いますが、 今年は6月から梅雨らしき天候が結構続いています。 7月半ばになってようやく梅雨明け宣言です。 暑さも30度を越えはじめ、熱帯夜も始まっています。 それにしても湿度が高いのは、ちょっと辛いかも。 しっかり汗腺が開き 滝のような汗が出るようになればしめたもので スッキリするのですが、まだ汗腺の開きが十分ではありません。 したがって汗も油汗のような汗ですし、身体のダルさも取れません。

そんなことで朝夕のトレーニングもややダレがちではありますが、 弛まず続けております。最近の歩きとしては、 形意拳などの突きにおけるコツ「干地行舟(陸地の上を舟が行く)」の意念で歩いています。 足の運びも平起平落が大分身に付いてきたように思います。 駅や街角などの狭い所は、 八卦掌における最短距離を急角度で回転する意念ですが、 ここも「平起平落」により動きをスムースに安定させることができます。

「電車の中で掴まらずに立つ」も、かなり安定してきました。 1年ほど前から続けている「歯磨き時の片足立ち」が、 大きな効果を発揮してきました。電車の不意の揺れにも、 以前から目指してきた「コンニャクのような立ち方」で、 無意識に対応できるようになってきました。 それでも不意の大きい揺れでは、つい一歩踏み出してしまうことがあります。 これもコンニャク立ちでカバーしてしまえるところまで行きたいですね。 下半身の安定は砲台の土台のようなもの。武術の基本です。

昨年春から、朝トレに八卦掌の走圏を取り入れてきました 「そのためか体重の増加が抑えられているようだ。 しかし夏場のためかも知れない。冬場がどうかを見てみたい」 と書きました。あれから約1年の経過を振り返ってみました。 確かに冬場は ある一定体重から先どうしても減らず、 暑くなりはじめてからやや減少傾向かと思われます。 しかし、その差は年間を通して僅か 1Kg の範囲内です。 効果はあったのではないかと。まあ、毎日の食生活と歩きが大きいとは思います。

「余計な筋肉はかえってスピードや威力を落とす。威力は筋肉の太さより、 勁力とスピードにあり」という中国武術の極意を知り、筋トレをやめたため、 中学時代、鉄棒をやっていた頃に近づいていた肩から上腕にかけての筋肉の太さは めっきり減り年齢相応となりました。 しかし、大腿の筋肉は以前よりしっかりしたものになっています。 「ほおー、どこに意をもってトレーニングするかにより、 身体も変わるんだなあ」と感心しています。

ということで、他の方が読んでもちっとも面白くない内容です。 トレーニングの進捗状況を書き留める 自分用トレーニング・メモでした。

○ 頑張れ「女子バレー」柳本ジャパン

北京オリンピック前の最後の国際試合、 女子バレーワールド・グランプリが7月前半の1週間、 横浜アリーナで行われました。 対戦相手はいずれも世界ランク上位のチームばかり。 結果から言うと、日本は強豪イタリアにストレート勝ちした他は、 すべて敗退しました。しかし、キューバ、米国、中国、ブラジル戦、 どの試合も互角に戦い、 極めて僅かの差でしかありませんでした(ここが本当に悔しいところです)。 腰の具合が心配だった栗原恵は、次第に調子を上げています。 今回の試合では腰をいたわる姿勢も見られません。 非常に体調が良いのでしょう。スパイクのヒット率も今回の全選手中ベスト・スリーに 入ったのではないでしょうか。

背の高い、栗原メグ、木村沙織、荒木絵里香の3人がバックアタック、 左右からの移動攻撃に舞い、 その間を縫って杉山祥子のトリッキーなスパイク、 外国選手をものともしない高橋みゆきのスパイクが次々と繰り出される様は、 今までの日本女子バレーを超越したものです。 元気印の高橋が ちょっと不調だったのは心配。 それでも最終戦では得意の「ブロックする相手の手に当てアウトにする技」 が冴えました。これは彼女だけの得意技のようです。 栗原、木村、荒木らその他の選手も是非、この技を習得してもらいたいもの。 日本は相手のブロックにあってしまうケースが多いので、 外国選手の高いブロックを逆に利用する 高橋の技は日本選手全体の得意技としたいものです。

最近、私が好きなのは、杉山です。新婚で 背の高いご主人が応援席に姿を見せていました。 抜く手も見せぬ彼女の右手が猫パンチのように左に払われ、 ボールをクロスで相手コート手前に叩き込む技が好きです。 背の高さを生かし、ブロックでもよくチームに貢献していました。 しかし今回、彼女の調子には波があったのか、 監督から時々ベンチ送りになっていました。監督からの注意も多かったようで、 彼女に抱く監督の大きな期待も感じられました。

背の低いキャプテン竹下佳江の冷静さと 類い稀なる根性から来るであろう極限での技、 背の低いリベロ佐野優子の縁の下の力持ちが 下支えをしています。オリンピック出場3度目になる多治見麻子も、 ベテランらしい頼もしさを披露していました。 私としては初めての狩野美雪も30才を越えての国際試合デビューながら、 時に素晴らしいアタックを見せていました。背はそう高く見えませんが、 高いジャンプ力が売りのようです。 ガッツの固まりのような桜井由香、 試合経験を積ませるためでしょう18才のセッター小柄な河合由貴も、 最後の方でコートに何度か呼ばれていました。

今回のどの試合でも、世界のトップランクのチームを圧倒するシーンが何度もありました。 しかし、、です。 あくまで素人の私から見た印象ですが、 結局イタリア以外を制することができなかった原因の一つとして、 相手に5点差以上をつけてリードしていたのに、 あれよ、あれよという間に追いつかれ追い抜かれるシーンが何度かあったことです。 その反対に、もう2、3点ゲットすればセット終了になるのに、 その2、3点をどうしても取れないシーンも何度かありました。 以前と比べ、段違いに根性も力も技もスピードもついたのですが、 ここを何とかならないですかね。

もうひとつ、相手チームの特定の選手のスパイクは絶対に決まってしまう、 というシーンが何度もありました。スパイクのパワー、スピードがダントツなのです。 一方で日本の選手には、このように「打てば絶対墜とす」 絶大な威力を発揮するスパイクを打てる選手がありません。 中国武術的な「勁」を使えば別でしょうが、 通常このような強力なスパイクは、ある程度 身体の質量が必要になると思われます。これが可能とすれば、 前回の5輪で栗原恵とメグ・カナコンビを組んだ大山加奈でしょう。 「大砲」と呼ばれていた大山ですが、 腰の故障が快復せず、代表に入れなかったのは非常に残念です。 いずれ栗原のように復活してくれることを、心から祈っています。

○ 今月の脳トレ

Web 版電子カルテ NOA を5月初日に現場投入して以来、 最初はボロボロ不具合がでて額に青筋立てて診療しましたが、 1、2週間でとりあえず仕事に使えるようになり、 2ヶ月を過ぎ細かいチューニングの第1段階がほぼ終了しました。 無理矢理現場投入しなければ、 これほど短期間でここまでの完成度へ持ってくることは 不可能だったと思います。

Web 電子カルテは 細かい所まで思うように動くようになり、 非常に快適になりました。 7年ほど前、電子カルテを Web アプリで実現したいと思った頃、 Web アプリでこんなに細かい処理ができるとは思いませんでした。 その後の技術革新の賜物でしょう。 今後は、新しいアイデアの実現や、当面なくても困らないが あると便利な画期的ツールなど、 少しずつ追加してゆくことになりますが、まずは1段落というところ。

あと、やらねばならないことは、 旧来 NOA のデータ移行ですが、 現在のところ1カルテずつ手作業でやらねばならなのがちょっと大変。 現在の移行ペースですと20年間に蓄積したカルテデータの移行は、 今年一杯でも ちょっと無理かなという感触。 メンテ不能となってしまった古い OS やソフトが関わっている関係で、 3種類ほどのアプリを使いバケツリレーしなければならないためです。 この作業が終了しないと、古いマシーンを休めることができません。 それまで何とかもってくれることを祈るのみです。

それでも今回データ移行が何とかできるのも、 以前の電子カルテが MML でデータを吐き出せる仕組みになっていたからです。 この経験を生かし、 今回のシステムは将来のデータ移行に備えて、 特別なシステムに依存しない作りにしてあります。

ともあれ、1人目の子育てが終わった主婦のような気持ち。 返す刀で、懸案だった「文書管理システム」の開発にとりかかりました。 この春から東京都医師会では、 日本医師会の提供する文書管理システムを利用させてもらうようになりましたが、 なるべく早い時期に都医 自前にすべきと思っています。 そのための事前調査・研究という意味もあるのですが、 まずは自分の便利のためです。

○ 電子カルテの標準規格なんて必要ない?

臨床検査センターからの検査結果を HL7 var.2 形式で、 10年前からメール配信してもらっています。 正直なところ電子カルテへの取り込みを、 余り気を入れてやっていませんでした。 今回、これを自分好みのフォーマットへ変換し 電子カルテへ取り込む仕組みを作りました (メールについたゴミは自動的に排除してくれるので、 余計なことに気をつかわずに済みます)。 検査結果が見やすい形で表示され異常値は色で識別できるので、 とても便利で実用的になりました。

Web 版電子カルテ開発で、 色々なフォーマットのデータ・コンバート処理を多くこなしました。 前々から薄々思っていたことですが、昔は我々が叫んでいた、 そして最近はエンドユーザのドクターまでも叫ぶようになった 「電子カルテには標準フォーマットが必要だ」というのは本当か? と強く思うようになりました。 大切なポイントはただひとつ 「機械的に解析でき 他のフォーマットへ翻訳できれば、 どんなフォーマットでも構わない」、 そういうものであれば何であろうと 結局「コンバート・ツールひとつ書けば終わり」なのです。

この「機械的に解析できる」という意味では、 HL7、MML などの規格には意味があります。 私自身、現在 MML コンソーシアムの理事長ではありますが、 MML を日本の統一規格にすべき、なぞということは毛頭考えていません。 自分たちが作り育ててきたものなので、 それなりの愛着をもって さらに改良したいと思っているだけです。

最近の医療行政のムリ・ムダ・ムラ。中でも最悪の「特定健診」。 先日「支払い基金の特定健診決済システムにおける XML スキーマチェックに問題あり、 解析が正しくできないことがわかったので注意されたい」むねの通知が、 支払基金から各医療機関へ回りました。スキーマの技術的仕様が、こと細かに書いてあります。 普通の人が読んで「XML? スキーマって何じゃ?」と思うこと間違いなし。 「おい、おい、一般ユーザに TV の回路図を回して、 どこそこのコンデンサーの接続が間違っていたから注意なんて、 バッカじゃないの?」と思った次第。

「そもそも特定健診の情報を XML なんて全然意味ない。 直接かかわらない人が言葉遊びで決めたようなもの。 CSV 形式にすべきだった」と思っています。CSV なら Excel で エンドユーザでも扱えることが多いですからね。 それを受け取った側で必要と思えば、自分のお金で XML にでも何でもして遊べばよい。 そのような無駄をエンドユーザへ押し付けているのが現状です。 特定健診に関しては、 貴重な医療資源をもっともっと無駄に浪費しているところがあるのですが、 それについてはまたの機会に、、

○ 現代版「ずた袋」の開発にとりかかる

大手町地下道の本屋で「情報は1冊のノートにまとめなさい」 という本を買いました。メモ、日記、アイデア集、写真、レシート、給与明細書、 その他ありとあらゆるものを A6版の100円ノートに貼付けて行きます。 情報は分類せず時系列的に貼ってゆくのですが、 頭に年月日をタグとして付けるのがミソです。 年月日は「情報の ID」として機能し パソコンや携帯に入れた索引を元に、何冊目の ノートの どの年月日のところを見ればよいという仕組みです。 なら、ノートに貼るのではなく、 全情報をデジタル化してコンピュータへ放り込み、 DB 検索するシステムを実現することにしました。

実はこれには前哨戦があります。 スケジュールや住所録を Web アプリ化し、DoIt 機能も追加しました。 これに ポストイットのようなメモも添付できるようにしたところ、 極めてシンプルな仕組みなのに これが思った以上に便利なのです。 スケジュールに付いた小さなメモ・アイコンをクリックすると、 その下にメモが開きます。例えば、 会合の時間や場所などを知らせるメール内容そのままを ポストイットとして貼付けるなどです。 これが余りにも便利なので、そのような専用アプリが欲しくなりました。 現在のメモは文字数制限がありますが、 今度のは基本的に制限なし、デジタル化できる情報なら何でもアリ、 テキストは勿論、画像、動画、音声などのファイルも扱えるものにしようと思います。

20年ほど前、電子カルテ開発 WINE プロジェクトを立ち上げた頃、 共同研究者の菅生先生が NeXT で「ずた袋」というアプリを作りました。 あらゆるファイル、メールその他、何でも放り込み、 必要なものをいつでも取り出せるという万能アプリでした。 まさに、そのアイデアを私も実現することになりました。 このような道草は、電子カルテ開発へ益するところ大でもあります。 いずれ実現をしてみたい「健康ノート」の基礎実験ともなります。

そんなことで「FileBox」と銘打った「何でも溜め込みシステム」を作り始めました。 おー、意外と簡単でしたね。アイデア・スケッチからはじめて、 ファイルのアップロード、ダウンロード、検索、編集などの基本システムが たったの2日間で出来あがってしまいました。やはり NOA の財産があるからですね。 昔からそうですが、電子カルテは極めて複雑多岐にわたるシステムですので、 ここにはあらゆるソフトウエア・テクニックの粋が蓄積されることになります。 これから FileBox へ「あらゆるもの」を放り込んでみようと思っています。

、、それから数日、色々なものを放り込みつつ改良しています。 このコラムのアイデア・ノートも、そこに蓄積しておくと便利そうです。 何かネタが頭に浮かんだ時、すぐ書き留めないと蒸発してしまいます。 そこで、単純なテキスト形式のものは再編集できる仕組みに改良しました。 おお、これは便利そうです。 ファイアーウオール内 LAN 環境だけで使ってきましたが、 万一外部から覗かれても支障ないデータについては、 ファイアーウオール外にも別途同じシステムを置くことにしました。 外出先から参照したり放り込んだりできると便利そうです。 いずれ iPhone から頻繁に使うことになると思います。

○ iPhone 発売当日

SoftBank は最後まで「予約販売」は、やりませんでしたね。 それなりの考えがあってのことでしょうが、 これはかなり SoftBank への良からぬ印象として残りそうな気がします。 さて、他店に先駆けて朝から販売開始する表参道店では、 これから1時間もしないうちに販売が開始される予定です。 おそらく、この店には他より多くの台数が用意されるのでしょうが、 前夜から1000人も並んでいるようで全員への供給は無理なんでしょう。

私は午前中の仕事を終えてすぐに、 武蔵小山商店街の SoftBank 店へ行ってみるつもりです。 予約をとらないということは、当日並んだお客へ十分供給できるだけの 潤沢な台数をそろえているのかな、 とも思っていたのですが、 初期入荷数は思ったより極端に少なそうな情報があります。 ま、今日は手に入らなさそう。 毎日、店に顔を出すことになるのかも。

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、、悪い予測は当たりました。発売開始の12時を1時間も過ぎていない頃、 家内が買物ついでに武蔵小山の SoftBank へ寄った結果を 携帯で報告してくれました。 この店では最初の5、6人へ予約券を渡して、本日の受付は終了だそうです。 余りにもあっけない幕切れに、ちょっと拍子抜け。 それから1時間後、都医へ出勤途中 店の前を通ると、 ショップはいつものように閑散としていました。

SoftBank 旗艦店の表参道ショップでは、 少なくとも500人前後は iPhone をゲットしたようです。 初期ロットのほとんどをここへ投入し、 他へは1店10台以下しか配給しなかったようです。 もうひとつ印象の悪いのは地元 SoftBank ショップの対応です。 間際まで SoftBank 本部から何の情報も入らなかったのでしょうが、 それにしても足繁く通う客へ もう少し愛想があっても良さそうなもの。 やはり「街の携帯ショップは駄目」、という印象を強くしました。

SoftBank 本部の今回の対応もとても印象が悪い。 先にも書いたように最近の Apple 社は Web 上の AppleStore で予約を受付け、 リリースと同時に速攻で製品を送ってくることが多かっただけに、 その落差が大きいせいもあるのですが。 少なくとも「予約」は絶対に受けるべきでした。 製品渡しの遅延は変わらないにしても、 予約を受け付けることにより 熱心な顧客の気持ちに応えることができます。 「人の気持ち」は とても大事です。

、、ということで、しばらくは放っておくことにするかな。 1ヶ月もすれば、どこかで手に入るかも。 どうせ店員とコミュニケーションもとれないのだから、 地元ショップよりビッグカメラあたりの方が良いかもね。 現在はそんな気持ちです。 以前 au の携帯を購入した時も地元ショップで手に入らず、 すぐそばの Laox で手に入りました。 WILLCOM 携帯を地元ショップで購入時も、かなりぞんざいな扱いを受けました。 街の携帯ショップの店員というのは コンビニの店員と同様で、 本来 店員が持つべき人間的コミュニケーションの心 を持たないケースが多いように思います。

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しばらく放っておくつもりだったのですが、 都医理事の N 先生が地元 SoftBank で手に入れたという iPhone を見てしまい、 急にまた欲しくなりました。近くのショップは駄目なので、 表参道の旗艦ショップへ行ってみました。 熱狂的な発売から1週間近くなるので、運が良ければ手に入るか 少なくとも予約できるか、街のショップよりはましな対応を期待して。 表参道店に入ると 1F はショールームだけのようなので、 地階に降りようとすると ヘッドホン・マイクをつけたイケメン店員に 「どんな御用ですか」と制止されました。

言わずと知れたこと、「iPhone が欲しいんだけど、、」と言ったのですが、 「品切れでいつ入荷するかわかりません」。 「予約はやっていなの?」「はい」。 「行き当たりばったりに、来店するしかないの?」「ええ、、」。 「せめて予約くらいはとって熱心なユーザに応えるべきだと思うんだけど、、」 「そうですね」。 とにかく、ここも街のショップと同じで、とりつくシマもありません。 「クッソー、明日は駄目もとでビッグカメラへ行ってみるか」、 品切れはわかっていますが、せめてもう少しユーザの心理を心得た対応を期待して。

docomo が iPhone を売り出すなら、絶対そっちで買うぞ。 やっぱり、Apple 製品は AppleStore でも売ってくれー、 Apple なら、熱心なユーザをこんな気持ちにさせることは、 今までにありませんでしたから、、

○ 思いがけず iPhone G3 ゲット

ここ数日、何人かの知人から iPhone を思いがけずゲットしたという情報が続いています。 そろそろ第2弾のロットが入荷したのかなということで、 今迄のいきさつからちょっと癪でしたが 武蔵小山の SoftBank ショップに行ってみました。 「昨日の日曜には数台入りましたが、すぐ売れてしまいました」との返事。 「iPhone 発売1ヶ月前から何度も足を運んでいるのに、 入荷しましたよ、の電話サービスくらいしないの?」 と尋ねると「していません」。 言語道断、キビスを返して店を出ました。

その並び数軒先の携帯ショップを通り過ぎてから、ふと SoftBank も扱っていることを思い出しました。 ダメモトで尋ねてみることにして 引き返しました。 昼時とあって店の片付けをしていた女の子に 「iPhone ないよね?」と尋ねると、 「8GB は売れてしまいましたが 16GB ならありますよ」の返事。

「えっ、ほんと?」彼女の後の棚には、 iPhone のパッケージが積んであるではありませんか。 速攻で買ったのは言うまでもありません。 以前 au の Talby を買うのに au shop でがっかりさせられ、 近くの LAOX で手にいれましたが、今回も同じです。 何度も足を運んだ SoftBank shop で冷たくあしらわれたのに、 近くの何でも扱っている携帯ショップで無事手に入りました。 iPhone 発売から1ヶ月くらいは 手に出来ないことを覚悟していたのですがラッキー、、

「電話機能ロック解除はこちらでしますか、 それともお客様ご自身でしますか?」とのこと。 殆どのお客は店でロック解除してもらっているようです。 「もし、うまくいかなくても、それ以後こちらではできません」とのこと。 「何とかなるでしょ、自分でやります」。 内心ちょっと心配がよぎらないでもなかったのですが、 自宅で iTunes に接続すると何の雑作もなく電話開通しました。

○ Mac 上で Windows

私は基本的に一切 Windows を使わない人ですが、 「どうしても Windows でないと見ることができないサイトを見る必要があるので 何とかして欲しい」という家族の声に、止むなく応えることになりました。 数年前に買った小型の VAIO があるので それを提供したのですが、どういう訳かネットワーク接続ができません。 一晩格闘したものの、駄目です。以前は問題なく繋がっていたのに、何故??

やむなく Mac 上で動く Windows エミュレータを購入することにしました。 MacOSX 標準搭載の BootCamp なら Intel Mac で動くはずですが、 Mac と Windows を切り替えるのに reboot は嫌です。 以前から興味のあった Parallels を購入しようかとも思ったのですが、 Web で調べてみると Fusion の方がずっとキビキビ動きそうです。 Windows OS と抱き合わせパッケージが便利です。 XP が安定しているようですが、 あえて新しい方の Vista とのセットをネット注文しました。

宅急便で届いた Fusion を早速 MacBook へインストール。 インストールは意外と簡単。VMware Fusion をまずインストールし、 Fusion のパネルから「新規」ボタンを押して Windwos をインストールします。 これも問題なく終了。 早速 IE を立ち上げてみました。 「わーくすてーしょんのあるくらし」を開いてみると、 「うっへー、汚ねえ、、」。フォントも画面バランスも最悪。 Apple 社のサイトなどを開いてみると IE でも比較的 奇麗です。 私の Web site は極力シンプルな HTML で記述しているため、 これだけの差になるわけです。今まで Safari などを主に自分のサイトを見ていたので、 IE から見るとこんな汚い画面になるとは思いませんでした。

Apple 社の Web site から Windows 用 Safari をダウンロードして、 自分の Web site を開いてみると奇麗に表示されます。それより何より Safari の方が表示スピードが断然早い。とてもストレス無く見ることができます。 それにしても Vista 標準の壁紙は、何? 数世代前の MacOSX の壁紙を模したような 幾何学模様ですが、誠に拙いもの。 「おーい、真似するなら本家を越えるか、 せめて本家と同レベルで真似しろよ」。 Vista になって Windows の大きなレベルアップを期待していたのですが、 全然ですね。

大枚はたいて Fusion + Windows OS 購入したにも関わらず、 家族が見たかった Site へ行くと「バーチャル OS は駄目よ」というパネルが表示され 冷たく拒否されてしまいました「何て奴だ!!」。 止むなく再び VAIO と半日格闘。ようやくネットワーク接続できるようになり、 そちらを提供した次第。

私自身、体験してみたい気持ちはあっても、 本気で使うつもりのなかった Windows を買ったのは何だったんだ という結末。 心ならずも MicroSoft に失望するのが目的となってしまいました。 いつものことですが 「どうして世の中の多くの人は、 こんな画面の汚い、使い勝手の悪いシステムを有り難がって使うんだろう?」 本当に不思議です。もっとも最近 USA では Mac のシェアが鰻上り、 Windows のシェアの高いところは おしなべて未開発国とか(いえいえ 私が言った訳ではありません)。

○ ところで小型ノートブックについて

ちょっと話題の方向性は違うのですが、 この SONY の小型ノートブック VAIO C1 には8割方満足しています。 しかし正直言って 余り使いやすいものでもありません。 何と言っても、サイズが小さいので携帯に便利、 可愛いというだけが取り柄でしょうか。

画面が通常の半分サイズなので 画面上半分と下半分を見るには、 カーソルを画面上端や下端へ移動させることによりスクロールさせます。 やはり使いにくいですね。コンパクト・サイズの中でフルサイズの画面を 扱おうとするためのトレードオフなのですが。

最近、同様のサイズと思われるノートブック HP 2133 Mini-Note PC が HP から発売されて、 ばか売れしているそうです 。 くだんの VAIO はもう6年前の機種なので、 「歴史はめぐる」ということでしょうか。この HP ノートブックを見て、 「MacBook Air もこのサイズにして欲しい」という声もありますが、 私は Air はフルサイズ画面だからこそ意味があると思っています。

ただ、それとは別に Air と iPod touch との中間サイズで、 液晶画面を指で自由にコントロールできるような パネル・ドリブンのモバイルの出現は歓迎かも。 メインのモバイル・マシーンではなく、 セカンド・マシーンとしてですが、、

○ ノートブック・ネタをもう一発

最近は MacBook Air を持ち歩くことが多いのですが、 それまでの MacBook には「持ち歩くダンベル」としての意味もありました。 Air になって大分軽くなったのですが、 それでも書類など一緒に入っているものや鞄自体の重量を加えると まあダンベル効果もない訳でもありません。

最近はさらにもうひとつ持ち歩く意味が増えたようです。 いつ何処で突発的に起こるかも知れない無差別刺客への備え、つまり楯としてです。 いつも新しいマシーンを入れると、 それぞれに名前をつけます。ネットワーク上で識別するためのものですが、、 Air に命名したのは「SHIELD」つまり「楯」です。 ネーミングした時は、単に銀色のプレートが楯のように見えたからだったのですが、 その後の世の中の状況から、文字通りの意味になってしまいそうです。

万一の場合、もちろんこんな小さな楯だけで身は守れません。 しかし最初の一撃をかわすには 役に立つかも知れないと思っています。 中国武術では、相手の攻撃をかわし反撃する様々な技がありますが、 独学の私の技が実戦で役に立つとも思えません。 そんな時、相手の刃物の最初の一撃をかわすため、 いつも身に帯びている道具という意味はあるのかなと。

と、まあ、こんなことを本気で考える世の中になってしまいましたね、、

○ 刃物のかわし技

連想的に話を引っ張ってしまいます。 時代劇で長い刀を持った侍に、捕り方が 十手だけで立ち向かう場面があります。 以前「あんなことはお芝居だから」と思っていたのですが、 武術を勉強してくると、 あながち全て作り事でもなさそうだと思うようになってきました。

これは実話で、以前も書いたことがあったと思いますが、 警察に日本刀を持って押し入ってきた者があったそうです。 警察の剣道の教官が取り押さえようとして、 切られてしまったとか。 この話を聞いたある武術家が「よければ良いのに、」 と言ったそうです。それを読んで「日本刀相手に、そんなこと不可能でしょう」 と思ったものです。

しかし最近はちょっと考えが違ってきました。 日本刀のような重いものは、勢い込んで動かせば どうしても軌道が決まってしまい、途中で軌道修正できない。 従って、軌道を予測して対応できさえすれば、 よけるのはそう難しいことではないかも、、 と思うようになりました。 ただし、これを可能にするには、 不断の武術的トレーニング、 身体が「即座に(多くの場合、反射的に)」 「意図するように」「動くこと」だと思います。

もちろん 現在の私には無理ですけどね、、

しかし野生動物は、このようなことが自然に出来ます。 TV で「山猫」の生態を見て感心しました。 山猫の母親は、腹を空かせた子供達に持って行く餌がなかなかみつかりません。 道ばたで「毒蛇」をみつけました。 山猫母さんは、鎌首をもたげる毒蛇に何とちょっかいを出します。 毒蛇はシャアーっと、音を出しながら飛びかかってきます。 山猫はさっと飛び退きます。 同じ行動を何度か繰り返すうち、時々猫パンチが毒蛇の頭に入ります。 それを繰り返すうち次第に毒蛇の動きが鈍くなり、 ついに山猫は毒蛇の頭を口にくわえることに成功しました。 毒蛇をくわえ意気揚々と子供達の所へ帰る山猫母さんでした。

これを見て思ったのは「これぞ、中国武術の神髄」。 毒蛇がどんなに素早く飛びかかっても 上体は柔らかく上に飛び退いて、 まったく触れることができません。人間も危険の中に身を置いて訓練すれば、 必ずできるはずです。 ネズミなどを、どんなに素早く捕まえようとしても、 余程狭いところへ追いつめない限り人間には 容易に捕まえられませんね。

○ Steve Jobs

先般の WWDC 以後、Apple の CEO である Jobs の健康状態が取り沙汰されています。 私も雑誌にアップで映っている彼の姿を見て、 気にはなっていました。私も含め生物には 長いか短いかは別として、 そもそも耐用年限というものがあります。 しかし、彼にはまだまだ頑張って世の中に わくわくする新しいものを掘り出して行って欲しい、 世の中を良い方向へ変えて行って欲しい。

外人に多い、ある時を境に急に容貌が老けてくる一種とみたいところです。 それにしても、WWDC をはじめ 最近の彼のプレゼン・パワー(持ち時間を含め)が落ちているように 思えたのはちょっと心配ですねえ。 あり得ない状況の中から、 不死鳥のように Apple へ返り咲いた Jobs の強運をこれからも祈ります。 Apple の株主たちが抱く、自分の持ち株の価値が下がるからなどという、 ちっぽけ な思いではなく、、

○ 「最後の授業」の Randy Pausch 教授逝く

カーネギーメロン大学のコンピューター・サイエンスの 47才のランディ・パウシュ教授が25日逝去されました。 膵臓がんで余命数ヶ月と宣言され、 昨年9月に行った「最後の授業: ぼくの命のあるうちに 」は YouTube などのウェブサイトでも公開され有名になりました。

大勢の学生や愛妻を前に教授は腕立て伏せを何度もするなど、 現在は気力・体力とも充実していることを見せてから 授業をはじめました。 余命数ヶ月とわかっていても X線写真による自分の病状の説明を含め、 幼い自分の子供達に将来聞かせるための講義を 淡々と明るく進めました。 「僕は死を前に改宗しました」 「マッキントッシュ派に」「ウインドウズ派が多数派ですけれど」 に、会場はどっと湧いていました。 この授業を最後に、残された数ヶ月は 家族との想い出作りにあてるとのことでした。

私はこういう生き方 好きですねえ。 可能なら、私もこうありたいと思っています。 まったく予測なくいきなり電源オフというもの良いですが、 電源を落とされる時間をあらかじめ告知されるのも、 それなりに、と思いました。 教授のご冥福を祈るとともに、聡明そうな 美しい夫人や子供達 も きっと明るく強く生きて行くであろうことを信じて、、

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昭和13年 関東医歯薬学生馬術大会の優勝記念彫像

私の生まれる前のもの 優勝の大先輩に見せて頂きました

これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です