2010.06 iPad のあるくらし

わーくすてーしょんのあるくらし ( 208 )

2010-06 大橋克洋

先月の Seagaia meeting : 本邦発売前の iPad を囲み興味津々

○ iPad 来たる

先月号で書いたように iMac iPad が同時に届いたため、 ちょっとした混乱(?)がありました。

届いた iPad を使うには、iPhone 同様まず母艦マシーンの iTunes に接続し アクティベートしなければなりません。書斎の iMac へ接続。 iPhone で蓄積したデータをすべて同期するため 意外に時間がかかりました。 その間に新しい iMac 27 inch の設定。今後このマシーンを書斎の母艦マシーンとし、 書斎にあった iMac 20 を外来へ降ろす予定。 そこで、両者の動作環境を入れ替えねばなりません。旧 iMac のファイルすべてを 新 iMac へコピーするのに一晩かかりました。FireWire で直結すれば もう少し早く移行できたのでしょうが、ケーブルが見つからなかったので、 まあ、いいか、と。

翌日のこと「そうか、今度は iMac 27 が母艦になるのだから、 こちらと同期できるようにしなくちゃ、」と、新しいマシーンの方に iPad を接続してみました。以前の母艦から動作環境はすべて移行してあるのに、 iTunes から iPad が認識されません。iPhoto からは認識されるのですが、、 「旧マシーンでの認識を消さなきゃ駄目かな?」と、 旧マシーンの iTunes で認識されていた iPad の名前を初期設定の中で消してみます。 やはり、駄目。 ここから格闘が始まりました「母艦マシーン移行に伴い、 iPhone iPad を再認識させる方法」を web 上で探してみました。 いくつかの体験記を読ませてもらった結果

    1. Mac と iPhone ( iPad ) を再起動

    2. iTunes を再インストール( CD からのインストールでないと駄目なことがある)

ということのようです。やってみました。Apple のサイトを見ると 丁度 iTunes も新しいバージョンがダウンロードできるようになっていたので、 それをインストール。おお、バッチリ、うまく新しい母艦から 認識できるようになりました。 今までは iPhoto の一部を iPhone へ同期していたのですが、 この操作の間にいつの間にか iPhoto 全部を同期するようになっており、 iTunes の全曲も同期されたので iPad の記憶容量は8割方埋まってしまいました。

「これからデータのほとんどはクラウドの彼方に収納するので iPad は最小限の記憶容量でよい」という考えで、 最も安価な「WiFi 接続だけの iPad」は iPhone より安いです。 「楽曲や写真の数を整理すれば、これで十分かな」と思っています。

○ 第一印象は、実現した Dynabook

一言で言って「iPad は買い」です。

    • 安い(これだけ豪華な機能が何と4万円台で手に入る)

      • 私が一番で予約した時 iPad Wi-Fi 16GB は 46,476 円でしたが、 今 AppleStore で価格を見ると 48,800 円、 あれ?特別価格だったのかな。ちょっぴり得した気分。

    • 画面が奇麗で読みやすい

    • 携帯に便利( iPhone ほどではありませんけどね)

    • 高機能( iPhone とともに機能は無限に近く増えてくる)

iPhone を初めて手にした時 「うむ、これは便利」「 Apple は必ず このような操作性のノートブックを出してくるはず」と確信したものです (このエッセイ 2007-09 号をごらんください)。 ついにそれを手にすることができました。

誰も言及していないようですが 「これこそ、ゼロックス・パロアルト研究所のアラン・ケイが、 はるか昔に作ろうとしていた理想のコンピュータ Dynabook そのもの」 と言ってよいでしょう。 アラン・ケイの夢が長い年月を経て、ついに実現しました。 その源はと言えば、まさに彼の蒔いた種子から。

○ まず iPad の持ち方について

iPad の額縁を持っている写真をよく見ますが、 ちょっとこれは不安定です。早速 iPad を落とし画面をテーブルの角にぶつけて、 無惨なひび割れの入った画面を web で見ました。 あのようにはなりたくないものです。ということで 「iPad を前腕の上に乗せ反対側の額縁を持つ」方法が比較的 安心のようです。長い間持っていると、やはり重く感ずるので、 そういう面でもよいと思います。

ベッドに寝転がって web や mail を眺めるには iPad は最高です (ノートブックではラッコのように本体をお腹の上に乗せ、 画面をこちらに向けて見ることになります)。 やはり「入院に iPad はバッチリ」ですね、ただ電話機能がないので iPhone も欠かせないのかなと。 となると iPad にも電話機能が必要なのかも知れません。 イヤホーン経由で良いですから。

iPad とともに Apple 純正のカバーを購入しました。 写真にあるやつです。 折り曲げて iPad スタンドとして使えます。 定期入れのように iPad を内側に挿入し固定できる仕組みですが、 かなり固く簡単に抜き差しできる代物ではありません。 カバーに挟んで持ち歩くだけで良さそうです。滑りにくい素材なので iPad が滑り落ちる心配も少ないようです。 他メーカーの革製もありますが、純正は薄くて良いです。 レザーのような黒い素材、意外と汚れが目立つのはちょっと気になりますけどね、、

○ おお、iPad で電話もできるじゃん

使っているうち「あれ?マイクもついてる」 ことに気がつきました「そうすると、諦めて最終ページに置いといた 録音アプリも使えるはず」と、やってみました。おー、録音も再生もできます。

「ということは、電話も可能?」と AppStore を探してみると、 iPhone 用 skype アプリがありました。 しばらく skype 使っていなかったのでチャージが切れており、 再度購入。さっそく iPad から自分の iPhone へ電話してみました 「おー、これもバッチリじゃん」。iPad 上端のマイクと下端のスピーカーで 十分話しができます。街路などうるさいところでは、イヤホーンマイクが必要でしょうけどね、、

○ iPad での文字入力について

懸案の画面キーボードからの文字入力です。 iPhone のようなマトリックス入力様式はありません。 通常のキーボード形式です。 iPad では従来からのブラインドタッチという観念を捨て、 あらたな発想で望むべきとおもってきました。使ってみたら、その通り、、

ひとつは、iPad を両手で支え、左右の親指で入力する方式。 昔、流行った HP のポケット・コンピュータ方式ですね。 案外スピーディーに入力できます。

次は、iPad をテーブルか膝の上に置き、 両手の人差し指1本ずつによる方式。Jobs は この方式で iPad を扱っていたように思います。

そして、慣れてきたら両手の指全部を使う従来の方式。 いずれにせよ指へのフィードバックがないので、 ブラインドタッチは無理と考えた方がよく、 ミスタッチが多くなります。

これで1日メールの返信などをしてみました。 そうイライラすることなく、まあまあ快適に入力できます。 日本語変換もまずまずの仕上がりです。 iPad 標準アプリとして iPhone にもあったメモ帳はあるのですが、 ワープロが欲しいところ。AppStore に沢山のアプリが登録されることでしょう。 クラウドと相性のよいワーブロがね。

○ iPad により「クラウド」への加速 間違いなし

さてノートブックから iPad へ移行しようとすると、 まだ幾つかクリアできない問題があります。そのほとんどは、 ベースが MacOSX でも 「これは あくまで iPhone OS」であることに起因するのものです。 私が多くやる作業として NOA の開発をしようとすると「できない」。 このコラムの編集をしようとすると「できない」 、など、いくつか出てきます。 いずれも原理的には可能なはず、いずれ可能になるのでしょうけど、、

NOA の開発はちょっと難しいとしても「出先で iPad を使って原稿を書きたいよね」ということは頻繁にあります。 そんな時はこうします。 自宅のコンピュータで書きかけの原稿を iDisk や DropBox はたまた Evernote などにコピーしておきます。それを iPad で拾って編集 、、という具合ですが、まだ iPad 上の手頃なワープロを見つけていません。 「メモ帳では何だし」 「Pages はちょっと大げさだよなあ」と、、

いずれにせよ、これからは「データはクラウド上に保存、iPad 上で 適当なアプリを使って編集、というスタイルが広まるはず」と思っています。

iPad を手にして10日ほど、出先には iPad だけを使ってみました。 メールの返信を含め、ほぼこれで足りるようです。 つまりノートブックを代替できるということ。 現状で原稿などを書くには Evernote の上で書くのが良さそうです。これからしばらく原稿などは Evernote で書いてみることにしましょう。 画面上にエミュレートされたキーボードにも慣れました。 そう不自由はありません。

○ 電子カルテ NOA は?

やってみました。おー、予想外に奇麗に表示されますね。 入力はちょっと、というところもありますが、 閲覧だけなら iPad で十分快適にいけます。 往診先で使うには非常に良いですね(私は LAN 内でしか使っていませんが)、 入力が ややもどかしいのは我慢するとして。

これは今後、病院内に非常に普及するでしょう。 何せ価格が5万円弱と安いですし、見やすい、使いやすい、携帯しやすい。 iPad を画板のように首からぶら下げ 病棟をまわる看護師さんの姿が目に浮かびます。 数年後、この予想が当たっているかどうかを見るのが楽しみです。

、、と考えていたら、世の中には必ず同じようなことを考える人がいるもの。 そういうデザインのアクセサリーが早速でていました。 これは透明ビニール・パックに封入する防水用で、 台所や浴室で使えるもの。 防水は医療現場にも良いかもね。

ところで iPad 、幾つか未対応の部分発見!!

あら探しをするつもりはありませんが、とりあえずのレポートです。

    • 添付文書を添付できない

      • メールなどに添付しようとすると、「ファイルを選択」ボタンが gray out 状態で機能しません。Web ブラウザーの中だけでなく Apple 純正のメーラーでも同じなので、iPad の問題でしょう。 何らかの問題で、わざと機能を殺してあるのかなと、、

    • テキストエリアの編集に問題?

      • 空欄のテキストエリアに入力することは問題ありませんが、 既存のテキストエリアを編集しようとすると 文字が編集不可です。 gmail でテキストエリアに入力するのはいつも新規エリアだったので 気がつきませんでしたが、電子カルテに入力しようとして気がつきました。

      • 、、と書いたのですが、後日ほかのアプリではちゃんと編集できています。 あれ? てなことで NOA でもう一度試してみました。確かに一回のタップでは うまく行かないことがあるのですが、NOA でもちゃんと編集できることを確認。

NOA は iPad でも ほぼ問題なく使える状態のようですが、 一部うまく行かないところもあります。これは私のソースの書き方の問題かも知れません。 後日、原因を追求することにしましょう。 iPad にも まだ他に不具合あるかも知れません。いくら完成度が高いとはいえ 「何せリリース間もないシステム、やむを得ないこと」 と考えています。しかし必要な機能ゆえ、近々に修正されることでしょう。

○ おお iPad から印刷もできるぞ

とりあえず NOA が動いてもプリンターに繋がらないので 「処方箋が打ち出せないしなー」と思っていました。 Web 上を探すと「究極の裏わざ」として、 何と iPad をコピー機の上に伏せ 画面をコピーするジョーク(でもないか)が載っていました。 そして更に探すうち iPrinting というのを見つけました。 こいつを iPad へダウンロードしておき Mac にも iPrintingServer をダウンロードしインストールしておけば、 iPad から無線 LAN 経由で Mac のプリンターへ出力できます、 「素晴らしい」。

Mac からいきなり印刷せず、 とりあえず PDF として Mac へ落とすモードも設定できます。 考えてみれば PDF 経由で出力するわけですから iPad から Evernote へ出力しておき、それを Mac 側から印刷しても 同様のことになります。しかし、この方法では何段階か手間を要しますが、 iPrinting を使えば あたかも iPad にプリンターが直結しているかのように 「ウーン」と唸りをたて小気味良くプリンターが動き出します。

○ グラビア雑誌は美しい

iPad に期待してきた大きなもののひとつが「書籍 viewer 」としてです。 iPhone で購読した「 Mac Fan 」誌を開いてみました「おー」奇麗ですね。 同様に建築雑誌のグラビアは、さらに増して奇麗。これからの 新聞や雑誌の主体が、デジタルへ移行することは間違いないでしょう 「だって、奇麗だし便利だもん」。

さらにはデジタル・メディアの特徴を生かし、 動画、インターネットへのリンク、メールや SNS など活用するようになると、 紙メディアどころか従来の TV でさえも太刀打ちできなくなります。

○ すこしずつ立ち上がる電子書籍

iPhone で最も使うアプリは「産経新聞」。 「これだけ綺麗に読めるものが無料とは、産経新聞 太っ腹だなあ、」 と思っていました。iPad でも快適に使っていたのですが、6月に入って iPad 用を高画質にするとともに有償(月額1500円)にすることが発表されました。 従来の iPhone アプリでも綺麗に表示されていたのですが、 昨日から iPad で使うには専用アプリをダウンロードしてください と表示されるようになりました。とりあえず最初の1ヶ月は無料ということで、 高画質版をダウンロードしてみたのですが、有償はともかくとして、 画素が多いため表示がやたら遅くなりました。産経新聞を開く状態にして、 数十分放置しておかねばなりません。これじゃあ、使えないなあ、、

と書きましたが、産経新聞の名誉のため釈明をしておきます。 この遅かったのは、自宅の無線 LAN 基地局がどういう訳か やたら遅くなってしまったためでした。自宅にはもう一台基地局があります。 そちらに切り替えたら、以前の読み込み速度に戻りました。 問題を起こしているのは HD を積んだ Time Capsule です。 再起動しても治りません。はて? これから原因究明、、

これに対し、入院中みつけたメディアとして「 ITmedia 」があります。 IT 関連のニュースを提供するアプリですが、早速 iPad に対応し 画面も見やすく綺麗になりました。こちらは無償です。

Softbank の雑誌提供アプリ「ビューン」も使ってみました。 DIME など市販の雑誌を表示するものですが、前述のように このようなカラーのグラビアの入った雑誌は、とても綺麗です。 ビューンでは毎日新聞を iPad 用(月額450円)iPhone 用(月額350円)で 提供しはじめたようです。 これだけ違うと、産経新聞も値段を下げざるを得ないかも、、 しかし、今のところ、ビューンは画面表示されるまで、 やたら遅いですね。こちらは LAN の問題ではないようです。

さらに数日後「電子文庫ぱぶり」スタート。おお、 待ちにまった日本語の本格的な電子出版対応です。 蔵書数はかなり多く、書店に並んでいる一般的なものが沢山あります。 早速2冊ほど購入するとともに「山本周五郎の作品が欲しい」 「iBooks フォーマット対応を」などのリクエストをしました。 iPhone でも iPad でも読めるのは嬉しいです。 ただ操作性が、以前から出ている他の書籍リーダーに劣るのは 残念(以前からのリーダーは版権の切れた古い書籍しか対応していない)。

○ きっと世の中を変える iPad のあるくらし

今朝 iPad で産経新聞を読んでいて、ルイーズ・ブルジョアという 女性彫刻家の記事に目が止まりました。 六本木ヒルズにある巨大なクモの彫刻で有名。先月98歳で亡くなったそうです。 このクモの彫刻、どこかで見た覚えがあります「ふーん、グロテスクだな」 という印象しかありませんでした。しかし思い起こしてみると、オレンジ色の小さな胴体に 細く長い足のクモ、むかし蓼科の別荘地でよく見かけ、 その造形に興味を持ったことがあります(H・G・ウエルズの宇宙戦争にでてくる 火星人の3本足の乗り物のよう)。

この彫刻を作った ルイーズ・ブルジョアという名前は初めて。 Google で検索してみました。なるほど「パリでタペストリー修繕の仕事をしていた 両親の元に生まれ、ソルボンヌ大学で数学を学んだが、 その後、美術をめざす。アメリカ人の夫とともに米国へ渡り NY で暮らす」。

クモの画像を元に Google の画像検索をしてみました。 彼女について知るまで「こんなグロテスクな彫刻を作るのは きっとかなり暗い人なんだろうな」と思っていました。経歴を読むと 確かに子供の頃、心に刻み込まれた色々な経緯はあったようですが、 YouTube でご本人の話す姿や、力強い作品群を見て、その人柄に感銘を受けました。 90歳を越えたとは思えない力強い身振り、 グロテスクに見えたクモの彫刻、アップにされた脚を見ると これまたとても力強い。うーん、素晴らしい、と感じ入ってしまいました。 世に知られるようになったのは、70歳を過ぎてからだそうです。

、、と、言うように iPad が手元にあると、 極めて短時間で 次々と「文章」「画像」「音声つき動画」で 興味を持った事柄について孫引きで知識を得られます。 これは、すごい革命的なことと思います。 確かに今までのデスクトップやノートブックでもできたはずなのですが、 何が違うんでしょう。 「指一本で画面をなぞるだけで」「魔法のように興味の対象に届いてしまい」 それが「目の前に開けてしまう」ということなのでしょう。

Dynabook とともに、もうひとつ心に浮かんだものがあります。 魔法使いが使う大きな水晶玉、手をかざし念ずるだけで 世界中のものがその中に現れる。 しかし、素晴らしい機能をもった道具ほど、 使い方次第で「禍」ともなり「福」ともなる怖いところがあります。 果たしてこのような素晴らしい道具を得た多くのひとが「利口」になるのでしょうか、 それとも「◯カ(差別用語)?」、、

○ 東京都医師会にも iPad 普及のきざし

会長をふくめ15名の役員から構成される東京都医師会の役員ですが、 副会長1名を含め少なくとも6名の役員が iPhone を使っています。 1/3 を越え半数に迫る勢い。昨日は iPad を購入して初めての理事会 「はたして iPad は理事会で役に立つのか?」を実行してみました。 理事会は各自に支給された Windows マシーンで、 書類閲覧専用の Web アプリを使います。 やってみるとパソコンより iPad の方が全然快適ですねえ。 「画面が明るく奇麗」「文字が一発で適切な大きさに表示され見やすい」 「操作が指一本で簡単」など。

理事会が終わり、鈴木会長から「大橋先生 iPad を皆さんに見せてください」 そして「iPad を理事会で使ってみては」 との思いがけぬ提案がありました。現在のようにパソコンを理事者へ支給する方式は、 iPad にはそぐいません。iPad ではそれぞれの理事が自分の使いたいアプリを iPad に入れたいということになるはずですが、 支給品だといちいち都医の母艦 iTunes へ接続する必要があり、 それをやるにしても全員のアプリがマージされてしまいます。 そう考えていたら、会長の方から「iPad は会から支給するのではなく、 iPad 購入への補助を出すという形にしては」との提案があり、 そのように決定しました。私も思わぬ展開でした。

しかし一つだけ(ある意味では致命的?) 問題があります。これは iPad の問題というより閲覧アプリの問題と思うのですが、 無線 LAN により時々 セッション切れが起こると、 もう一度アプリに login し直す必要があるという問題です。 私はまあ我慢するとしても、他の役員には不評だろうなあと、、 閲覧アプリの改善を望むしかないですね。 無線 LAN の瞬断でセッションが死んでしまうなど、 Web アプリ開発者の私に言わせれば言語道断なのですが、、 しかしパソコンでは同様の症状が現れなかったので、 iPad あるいは iPad Safari にも原因はあるのでしょう。

○ おお、、iPad の凄いところ見つけてしまった

WWDC の Jobs のプレゼンを以前見てみたのですが、 アクセスが非常に多いようでブツ切れ、、というか、 荒いモザイクがかかって もたもた動くだけ、とても鑑賞に耐えませんでした。 あれから数日を経て 時間がとれたので、最初からゆっくり通しで見ようと思いました。 iPad を立ち上げ Apple の web site からプレゼンの動画を立ち上げてみました。 土曜の午後とあってアクセスも空いているのか、 綺麗に表示され滑らかにプレゼンが進みます。

「どうせなら iMac 27 インチの大きな画面で」と iMac で表示してみます。「あれ、あれ?」以前と同じ荒いモザイク状態で、 全然鑑賞する状態ではありません。小さなサイズで表示しても同じです。 再び iPad に戻ると極めてスムースに美しい画面でプレゼンが進みます。 WWDC の Jobs のプレゼン、最後まで途切れることなく美しい動画で スムースに鑑賞できました。

「うーむ、最新の iMac の CPU や描画のパフォーマンスは パソコンとしてはかなり高いはず」 「それでも iPad には全然かなわない」これはどうしたことでしょう。 iPad に積んだ Apple 独自開発のチップ A4 に負うところが大きいことは 間違いないでしょうが、 それに加え iPad では動画処理に更に新たな技術を投入しているのでしょうか。 パソコンを大きく引き離す iPad の能力を垣間見ました。

「こうなると、デスクトップやノートブックにも Apple は A4 を積んでくるかも知れないな」と思ったところです。

○ WindowShadeX が帰ってきた

iPad の話題とは離れますが 、 MacOSX 10.6 になってから長いこと使えなくなっていた WindowShadeX。 OS が大きく変わるごとに使えなくなって、しばらくすると対応、 ということを繰り返してきました。しかし今度ばかりは いつまで経っても対応しないので、あきらめ状態。しかし 昨日ふと Unsanity の web site を訪れてみると、 嬉しいことに対応しているではないですか。

早速 download して環境に組み入れました。 アプリのウインドー・タイトル部分をダブルクリックすると 「シュッ」という音とともにタイトルだけになってしまいます。 コントロール・キーを押しながらタイトルをダブルクリックすると、 画面の隅の小さなアイコンへと縮小され、再度クリックすると元へもどります。 やはり これがあると便利、便利、、

○ iPhone 4 そして iOS 4

恒例の WWDC が幕を開けました。メインテーマはうわさ通り iPhone 4 「 Apple 社員がバーで落としたと言われる iPhone から 多少姿を変えてでてくるかな」とも思ったのですが、 考えてみればそんな時間的余裕はないはず。リーク通りの形でした。 Jobs はプレゼンで「一部の方はすでに見たことがあると思うが」 と切り出し、フロアーから受けていたようです。

これまでの辺縁を丸くしたスタイルも好きでしたが、 いかにもメカという感じも悪くないかも、、 ただし最近メキメキ iPhone ユーザを獲得している 女性への受けという意味ではどうなんでしょうか。 ステンレスのフレーム、いかにも頑丈そうです。そうなると弱点は表面のガラスですが、 強化ガラスが使われているようで割れやすいということはなさそうです。

iPad が発表された時、あの快適なスピードと従来の感覚からすれば 驚異的なバッテリーのもちは、Apple 社独自開発の A4 チップによるもの 「次世代 iPhone にも積んでくるかな」と期待したのですが 期待通りでした。その割には バッテリーのもちが期待ほどでなかった ということはありましたが、、

解像度が大幅に増え 従来の iPhone の4倍。iPad の4倍サイズと 同期をとったということで、アプリ開発者は楽になったのかな? iPhone で見るとかなり精細な画面なんでしょうね。 HD ビデオ撮影も可能になったそうです。 前面にもついたカメラでビデオチャット標準とのこと、 FaceTime 機能。 ただし相手も iPhone4 でないと駄目というのは仕方ないかな。 面白そうですが、自分としてはどの程度の使用頻度になるのか、、

マルチタスキングは有り難いです。特に iPad では強く必要性を感じています。 iPhoneOS から iOS4 へ改称した以上 iPad にも即応するんでしょうね (後日得た情報では iPad 対応は秋からとか)。 複数のアプリを整理できるフォルダー機能も有り難い。 iPad になってから やたら搭載アプリが増え(衝動買いのゴミ・アプリもありますが) 必要なアプリにたどり着くのが大変になっているので、、

iPhone がこれだけ豊富で充実した機能を満載してくると、 追従する他社は大変ですね。もっとも「オリジナルなものを創造するのが大変」なのであって 「似たものを作る時間的・資金的 労力はずっと少ない」ということはあります。

○ で、予約はどうやるの?

iPhone4 予約受付開始の15日になりました。SoftBank は嫌なので AppleStore で予約しようと朝から何度も Web をチェックしますが、予約開始の気配はありません。 予約を知らせるメールがくることになっているのに、それも来ない。 あー、そーか、SoftBank も予約開始は午後5時からとなっていたな。 午後5時、AppleStore を覗いてみても何も変化はありません。 お知らせメールも到着せず。 あれー、もしかすると AppleStore での予約開始は今日じゃないのかしらん。

6時を過ぎ、ようやく Apple から予約開始のメール到着。 出先だったので iPhone で AppleStore の Web ページを開き、 いざ予約。あれー、何度ページを繰っても iPhone4 を予約するようなところはありません。 iPad やノートブックを持って出なかったので iPhone の狭い画面では何とももどかしいだけ。どうやったら予約できるのだろう。 Apple のページに「iPhone を予約注文」のボタンがあります。 押すと「お近くの AppleStore を見つける」というボタンしかない。 それを押して AppleStore 銀座店 へ。「ご予約はこちら」というのがあり、 その下の「ご予約」をクリックしても、Genius Bar など AppleStore で行われている色々なサービスの予約のみ。どうやっても iPhone4 の予約に たどり着けません。ただただ、堂々巡りするだけ。

数え切れないほど堂々巡りをした後、ようやく「そうか 予約はきっと店へ出向かなければダメなんだ」と気がつきました。 はっきりと、そう書いてくれれば良いのにねえ、、

さて翌日、都医の帰り AppleStore 銀座店に寄ろうかと思ったのですが、 ここ数日の寝不足でちょっと お疲れ気味。自宅近くの商店街 いつも iPhone を購入してきたフツーの携帯ショップに寄ってみました。 「iPhone4 予約できます?」と尋ねると「できます」と快い返事。 早速、機種変更で予約しました。AppleStore でも SoftBank 直営店でもないので、 28のリリース日には間に合わない可能性もあるとのことですが、 それは覚悟のこと。過去の経験からすると、まあ遅れても1週間くらいかなと。

、、その後のニュースによると、米国では第2回目のシッピングが7月15日とか。 ということは私の手にはいるのは 早くて7月15日、場合によっては7月末頃かなあと、、 iPad 発売の熱狂ぶりも凄かったですが iPhone4 も同様のようです。 今回の予約への殺到は SoftBank はもちろん Apple の予想を遥かに越える数で、 米国でも日本でも予約システムのダウンが続いたようです。 まあ、待つしかないですね。

○ iPhone4 到着前に iOS4 来る

忘れていましたが iPhone4 に載る iOS4 が 日本時間22日にリリースされるのでした。 iOS4 がリリースされたことを その午前中 ML のレポートで知り、早速 昼休みに iPhone G3 を iTunes に接続。 最近の熱狂的な混雑ぶりを経験しているので、 果たしてすんなり download できるのだろうかとの懸念もありました。

しかし Apple しっかり対策をとったのか 問題なく download が始まります。download し終わり自動インストール 終了まで40分ほどもかかりました。午後すぐ出かける用事があり 気がきではない中、無事インストール終了。 おっとり刀で出発、期待のフォルダー機能 さっそく駅のホームで試してみました 「おお、なかなか良いですねえ」期待通りの仕上がり。今回の OS アップデートで 最も嬉しかったのがコレ。 iPhone に載せたアプリが非常に多くなり、 必要なものにたどり着くまでとても大変になっていました。 帰宅後、脇目も振らずにフォルダーへアプリの整理。 8ページ以上にわたり散らばっていたアプリが、 すっきり3ページに収まりました。便利、便利。

次がマルチタスク。立ち上げたアプリがすべて裏で生きており、 メモからメールへ、Web へとアプリ間を飛び廻るのも小気味良い。 下端のスタートボタンのダブルクリックで、 立ち上がっているアプリのアイコンが下段に現れます。 「で、裏で動いているアプリのシャットダウンはどうするの?」 マニュアルを見ないひとの私、いろいろ試行錯誤してみました。 「ああ、そうか、」裏アプリのアイコンの長押しで アプリに赤いマイナスアイコンが浮き上がってきます。これをクリックして アプリを殺すことができました。

あと、便利になったのはメール。 私はプライベート、オフィシャルにメール・アドレスを使い分けています (最近その区別もやや曖昧ではあります)。 今までも複数メール・アドレスを受信できていたのですが、 別のアドレス・フォルダーへの移動に何段階か 経なければなりませんでした。 今度は混在した形で受けることができるようになって便利です。

カメラにデジタル・ズームがついたことを確認「光学ズームなら いざ知らず、これって実際にはあまりご利益ないんじゃないかな」と思いつつ。 ざっと試したところ、主な機能アップはそんなところでしょうか。 やはり、一番便利なのはフォルダー分けできるようになったことですね、、

○ 今月の歩術

2度の入院を経てやや体力低下も否めないところはありますが、 それにメゲず体力保持へたゆまぬ努力をしています。 馬術部後輩、宇都宮先生の慈恵医大内科教授就任披露がありました。 まだ時間がかなりあるので、お茶の水の都医から日比谷の帝国ホテルまで ゆっくり歩いて行くことにしました。昨年取り壊し新築中のパレスホテルの脇を通過。 まだ建物は立ち上がっていません。 高層ビルは基礎工事に1/3から1/4程度の工期がかかるので、 今年の夏以降に姿が見え始めるのでしょう。 一昨年の日医会長選挙で唐沢選対本部のあったパレスホテル一室から いつも見下ろした隣のビル、当時は基礎工事でしたが堂々たる高層ビルが立ち上がっています。 前を通ると玄関ホールのあたりはまだ内装中のようです。

いつもは歩行速度が気になるのですが、時間つぶしということで 東京のオフィス街をゆっくり眺めながら通過。 最近の歩行のポイントは「足底を平らに抜いて平らに着地」 「骨盤を中心とした股関節の柔らかさで歩く」。 競歩ほど極端な腰の動かし方ではありませんが、 気持的には共通するものがあります。 私の場合スピードの追求から競歩にたどりついたのではなく、別の角度からでした。 以前「中国武術のトレーニングにも、ベリーダンスの要領を取り入れてみよう」 と書いたことがあります。つまり骨盤周囲の関節を柔らかくすることに 大きな意義ありと感じたのです。

大きな効果を感じているのは、長年 試行錯誤してきた「階段の降り」です。 「速やかに降るにはどうしたら良いか」試行錯誤してきました 「水が下に流れるように降りられればいいんだがな」 「スプリングの玩具がびよーん、びよーんと尺取虫のように曲がりながら 階段を降りてゆくシーン」をイメージしました。 あまり膝を曲げることなく、骨盤周囲の関節を柔軟にして 階段を降りるイメージ。下方になる脚は伸びたまま 自然に下の階に垂れてゆく、上方の脚もあまり膝を曲げることなく柔軟に対応。 こんな感じで全身を脱力し、身体を餅のように柔らかくする。 これは結構イケます。降下速度も、まあまあ、、

水平の歩きもこれに共通するものがあります。脚から前にでるのではなく、 骨盤の左右を前後して歩く(これはあくまでイメージ、 骨盤が実際に大きく動くわけではありません)。 これも歩行速度をあげる効果あり。 ようやく水平歩行と階段昇降とに共通の動きを獲得することができそうです。 まだ傍から見ると不自然なところがあるに違いありません。 いずれ、柔軟でスムース、自然な動きへ昇華させるべく精進を重ねるつもりです。 約40分ほど、時間つぶしのウオーキングでした。

○ 今月の脳トレ

iPad で電子カルテ NOA ほぼ問題なく動くようになりました。 デスクトップやノートブックより「画面が精細で美しい」のが嬉しいです。 文字を沢山入れる作業はちょっともどかしいので、 なるべく「指先一本で」で操作できるよう 今後改良を進めていきたいと思っています。 「指一本でコントロールできてしまう」ところが iPad の何よりの強みです。 この強みを十分発揮させるには、 かなり頭をひねる必要がありそうですが とても「やり甲斐ある挑戦」です。

その中で、気のついたところではただ一点 「iPad の場合だけカレンダー表示がうまく行かない」というのがありました。 ここの処理でコケてしまうようなのです。 で、原因を追求してみました。カレンダー表示に必要なデータを Ajax でサーバに取りにゆくところでコケていることがわかりました。 何度か試行錯誤しながら更に追求するうち、 ようやく原因らしきものが判明しました。

「iPad は(私の持つ最速の iMac 27 インチより)画像処理速度が早過ぎる」ため、 Ajax がサーバから取ってくるデータが届く前に 画面表示を行ってしまうため、必要データ未着でコケてしまうようです。 早速、処理手順を見直しました。逐次サーバへリクエストするのではなく、 食材が全部そろってから「エイヤっ」と iPad の画像処理へ投げ料理してもらうようにしてみました。よしよし、 これで iPad でも問題なくカレンダーが表示されるようになったぞと、、

やはり Apple の開発したチップ A4 は、 従来の Intel チップに比し卓越した能力を持つようです。

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先月の Seagaia meeting in OKINAWA 会場ホテル・ムーンビーチ

これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です