「松本漢方クリニックの治療を10年続けて(中間報告)」
48歳2016年8月6日
48歳2016年8月6日
私が松本漢方クリニックを初めて受診したのは、平成17年4月のことです。きっかけは次男が生後2週間で発症したアトピーの症状を治したいと、あれこれ情報収集していた時に偶然松本漢方クリニックさんのサイトを開いたことからでした。次男は、半年もする頃にはほとんど良くなり、1年後に手記を提出済みです。
ここからは、私自身のことについてですが、上記のようにもともと次男のためにこちらを訪れたわけで、この時まさか私も治療を受けるとは全く思っていませんでした。当時3ヶ月の次男を漢方風呂に入れるため、私も一緒に入りました。すると、ふくらはぎのあたりが何となく痒くなりました。家族は誰も痒くないと言うけど、私だけが日に日に痒くなるので次男の初診1週間後、私も受診しました。
その時点で、自分が思っているアトピー性皮膚炎と思われる症状で生活に支障を感じていなかったのと、ニキビや蕁麻疹などで何度か皮膚科に行ったことはありましたが、通い続けた事はなかったので、多少の症状が出ても治せるだろうと軽い気持ちで治療を始めました。こうして母子2人の治療が始まりましたが、次男は、ステロイドをまだ使っていなかった為、リバウンドを経験することなく、徐々に良くなっていきました。私も漢方薬を飲み、お風呂に入りましたが、入浴中の足の痒み以外は目立った症状は現れませんでした。授乳やおむつ替えと、子供の軟膏塗りに追われていたため、自分の体調の変化に気づいていなかったかもしれません。
3ヶ月がたった頃、次男は、肌の炎症もだいぶ治まり、世話が楽になりました。ちょうどその頃、自分の手の甲が薄茶色の部分ができかかっているような感じと、足が何となく浮腫んでいるような気がしていました。17年7月末頃、リバウンドがとうとうやってきました。足に発疹ができ、ある朝唇が切れているのに気づき、数日後には手指の皮膚がカサカサになり、手の皮膚も切れ始めました。また、時々冷や汗をかくような体温の上昇も見られるようになり、足のむくみも目立ち始めたころ、顔手足の所々に赤味が出てお風呂でふくらはぎの皮が剥がれ出しました。足の皮がボロ雑巾のようにボロボロで、皮がはがれたところは真っ赤になり、そのうちふくらはぎはほぼ皮がめくれて、そこからリンパ液が流れてきました。また肩や脇の下も皮が少しむけ、手の指もガサガサで、手袋をしないと洗い物ができなくなりました。耳からもリンパ液が出たり、目はコンタクトレンズをしていますが合わなくなり、眼鏡での生活を数ヶ月強いられました。
暑い季節でしたが炎症のため、常に体温が37℃近くあり、だるくて日中は子供の世話と自分の治療以外ほとんど何もできなくなりました。夕方になると、足の炎症部分がもの凄く痒く、皮がドロドロにむけました。赤い軟膏を塗りましたが、リンパ液が流れてきてちゃんと塗れているかわかりません。この一番ひどいときは体中に赤い軟膏を塗っていて1日3回、2日で1個を使い切るほどでした。足も相当むくんでいて、あわててプロテインを飲みました。先生から、1日10杯飲むように言われて一生懸命飲みました。この時の体重は約45kgでした。通常は48~49kgでしたが、お腹周りはげっそりなのに足だけぶよぶよという状態でした。足首から先もすごくパンパンにふくれて、普段の靴が全く入らず靴紐をゆるめたスニーカーしか履けませんでした。夜中はまだ授乳のために1度は起きていましたが、布団の敷きパッドが足からのリンパ液もれで湿り、すごい生臭さ(生魚の臭い)を感じました。足の皮も消しゴムかすのようにボロボロ落ちていました。リバウンドから3、4ヶ月は殆ど家から出ない生活でした。ちょうど出産で退職したところで、ほんとに助かりました。働きながら治療されている方は大変だと思います。
涼しくなった11月頃には、体の炎症は手足以外は治まりましたが、特にふくらはぎは真っ赤なままでした。また炎症以外に、顔や手足、体中がパンダのように不規則なこげ茶色と白色のまだら模様になりました。最近先生が説明されている白斑症でした。皮膚と共に、体毛も殆ど白くなりました。翌年2月頃ふと手鏡でうなじの辺りを見た時、自分の髪の毛の奥の方がものすごく白くなっているのに気づきました。よく見るとまつ毛も半分程白くなっていました。2年目の夏頃には少し足のむくみはましになり、プロテインも7杯ほどになりました。
それから毎年秋から春にかけて多少のむくみは感じるので、体重を計りながら量は減りましたがプロテインを飲んでいます。毎日のようにルーティン化して、治療を続けて6年目ぐらいからやっと重たく感じていた足が多少なりとも軽くなって炎症も楽になってきました。今は一番ひどかった右足は数か所の炎症になり、遅れて広がった左のふくらはぎの炎症がまだ少し残っていますが、時間の問題と思われます。ただ、体の皮膚のまだら模様と髪などの毛の白さが戻るのは最後だと言われましたのでまだまだです。
そもそも、私がここまでこの治療を受けているのは何故なのか、初めのリバウンドの時に色々考えました。私の父は幼い頃からアトピーに悩まされていて、病院通いしたと聞いていて、私も幼い頃に背中などの発疹に親が軟膏を塗ったりしたようです。自分では中学時代にニキビができたものの、殆ど病院には通っておらず、2度の蕁麻疹で注射を打ったせいかと思っていたのですが、松本先生が、「これは絶対にセレスタミン(内服)のせいや。」と言われたので、皮膚科以外のせいかと考えました。2人目の子供を授かりたいと思っていた時に、近くの産婦人科で基礎体温を測ることと、元気になる薬を飲みなさいとオレンジ色と白色の錠剤を1日3回飲むように処方されました。それを1年以上飲みましたが、恐らく人生でこれ程長く同じ薬を飲み続けた事がなかったので、多分それが大きな原因ではないかと思います。(薬の名前は残念ながら覚えていません。)それと、2人目の子を妊娠したあと切迫流産で入院し、張り止めの点滴をされ、退院後も薬を飲みました。無事に出産しましたが、その子が2週間後にアトピーになりました。後々になって、たまたま書店で立ち読みした中に、張り止めの薬でアトピーの子供が生まれることが多いことや、更には指などの奇形児の出産率も高いことが書いてありぞっとしました。幸い我が子は五体満足には生まれてきましたが、前述の通り、こちらの病院でお世話になりました。世の中、何でも知らないことほど怖いことはないと思い知らされている10数年です。
今もまだ漢方風呂に入っていますし、年中長袖、長ズボンでしか外出せず、それも慣れましたが不便には思います。あと何年かかるかわかりませんが、ここまでいろいろ頑張ってきたのでもう少し頑張ろうと思います。途中に軽いリウマチやヘルペスも出ました。放っておいたら老後にそれが出ていたかもと思うと、早く治療して良かったかなと思います。日々余分な苦労をして十数年過ごしてきましたが、思い返してみると、病気に対して色々学ぶことも多くあり、子どもに伝えていけたらと思います。私の場合、今までこの大変な治療を続けてこられたのは「子供のアトピーが治った。」という一点に付きます。本当に苦しかった時は、何も考えずにただそれだけをつぶやいていました。これから先「完治した」報告が書けるのはいつになるか分かりませんが、それまで松本医院にお世話になろうと思います。