「小児湿疹・カポジ水痘様湿疹症の漢方治療」
(お母様記述)2歳2016年9月13日
(お母様記述)2歳2016年9月13日
はじめに
松本先生には、私と娘がアトピー等の治療でお世話になっておりました。そしてこの度、息子もお世話になることとなりました。子供がお世話になるのは2回目だったのですが、やはり子供によって病状も治療期間も違ってくるものなのだということを今回の治療で実感しました。(娘は6ヵ月間で完治しましたが、息子は2年半かかりました。)
私が松本漢方クリニックでの治療を希望する理由は、「ステロイドを使わずに診ていただける」ということです。この度、松本先生より「そろそろ手記を書いてください」とのお話をいただきました。完治まではもう少しかかりそうですが、途中経過でこの手記を書かせていただきたいと思います。この手記が同じ悩みを持たれるどなたかの力になれれば嬉しく思います。長文の上、文章があまり得意ではないため読みにくい点もあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いします。
Ⅰ.松本漢方クリニック受診までの経緯
生後2週間には小さな発疹がぽつぽつと顔に出てきました。松本漢方クリニックのことは常に頭に入れていましたが、遠方のため移動のこと等を考え、首がすわる生後3ヵ月を目途に松本漢方クリニックを受診しようと考えていました。しかし息子の小児湿疹は娘よりも何十倍もひどく、額から眉毛のあたりまでごつごつの黒っぽいかさぶたで覆われ、ひどくじゅくじゅくしており、発症する数日前から異臭もありました。見ているこちらがつらくなるほどの症状だったのと、次回の3ヵ月健診や予防接種等の小児科受診時に絶対にステロイド処方をされるだろうという不安を強く感じたので、生後1ヵ月で受診を決意しました。
Ⅱ.漢方治療の経過
松本漢方クリニックを受診。先生は息子を診てすぐに「これカポジやん~。なんで小児科医は気付かんかったんや~。」とおっしゃいました。小児科の先生は気付かな2かったのではありません。私が小児科に連れて行かなかったのです。松本先生はそれも見抜いておいででした。「ステロイド使いたくなかったからわざわざ遠い高槻に来たんやろ?」と。その言葉が私にとってはとても嬉しかったです。私のようなステロイドを使いたがらない患者を温かく受け入れてくださるからです。
ただ、カポジ水痘様湿疹症という病気については知っていましたが、まさか息子がそれだとは思いませんでした。小児湿疹が悪化したものなのではないかと勝手に思っていたので、皮膚病の原因がわかり、薬も処方していただけることもあり、より安堵しました。診察室を出る前に、松本先生が笑顔で「お母さんなんとなく見覚えあるわ~。」と明るい声で言って戴いた事もうれしかったです。息子も先生に診てもらうことができ、ステロイドを使用せずに皮膚病を治していける、そう思うと心底ほっとしました。漢方の入浴剤と黄色い軟膏と赤い軟膏、ヘルペスに効くお薬等をいただき、早速治療を開始。毎日欠かさず漢方風呂に入浴しました。
治療の経過
ー平成26年2月ー
松本漢方クリニック受診。小児湿疹は目の横から頬、耳にかけてじゅくじゅくした黄色い液(+)赤み(+)痒みがあり、顔を布団や母の服にこすりつける。
松本漢方クリニックで処方された薬を使い始める。
経過:毎日のようにじゅくじゅくした液で顔中がべたべたしている。じゅくじゅくは顔から次第に全身へと広がっていった。
ー6月頃ー
背中やお腹の発赤はなくなってきれいな肌になってきた。顔(特に頬)・足のふくらはぎのじゅくじゅくがひどくてかきむしっている。
ー7月頃ー
じゅくじゅくが減る。赤み(+)皮膚がかさかさ、ごわごわ乾燥したようになっている。掻き傷は相変わらずよくできるが、膿などはないので特に心配しないで治療を続ける。
日々良くなってくるのが見た目にもよくわかる。
ー8月頃ー
その後も治療継続。「毎日続けていた漢方の入浴もこの頃から2日に1回に」とのお話をいただく。頬、ひじ、すねから足首にかけて少しだけ赤みとカサカサがあるが、じゅくじゅくすることはほとんどなくなってきた。
このまま治療を継続する。
ー11月頃ー
背中にぽつっと大きめの虫さされのようなアトピーがでる。これが徐々に大きくなり、背中一面に大きな輪っかがいくつもできたように広がっていった。
ー平成27年1月ー
上記の背中一面のアトピーが気になったため松本漢方クリニックを受診。
治療継続をとのお話をいただく。
ー3月頃ー
背中一面にあった輪っか状のアトピーが消えて、次は背骨にそってアトピーがでている。
ー4月末ごろー
背中のアトピーが完全に綺麗に消失する。顔のアトピーと腕やひざの後ろにある掻き傷が残っている。
ー12月ー
その後も治療継続。かさかさや赤みが残っているが、じゅくじゅくや傷はほとんどなくなった。
ー平成28年1月ー
昨年同様、背中に輪っか状のアトピーができる。
ー4月頃ー
背中の輪っか状のアトピーは消えて、昨年同様顔の頬周辺にひどいじゅくじゅくがでる。耳たぶのあたりが少し切れたようになっている。
ー8月頃ー
自然と顔のアトピーも回復し、綺麗な顔になる。
ー9月ー
まだ軽くぶつぶつ(?)や赤くなる程度のひっ掻き傷があるものの、ほぼ状態が落ち着いて肌は大体きれいになってきた。
Ⅳ.治療開始前から治療を終えるまでに思ったこと
息子のカポジ水痘様湿疹症やアトピーは、息子にとってどんなに痒くて辛いものだっただろうと思うと、母である私にとって本当に辛いものでした。私自身がアトピー患者であったから、その痒み・辛さが想像できるからです。夫には娘の時と同様、息子についても漢方で治療したい旨を了承してもらいました。
小児科の先生には、息子の3ヵ月健診や予防接種等で小児科を受診した時、「これは治療しているの?」と聞かれ「はい、治療中です。」と答えました。あまりにひどかったので小児科の先生も心配されていましたが、時間が経過するにつれ見た目もだいぶよくなってきているように見えたためか、健診の時に治療中か確認を受け、アトピー性皮膚炎と書かれて様子見となる程度になっていきました。
ただ、息子が別のある病院へ緊急入院になった時は、その入院先の先生にステロイドを拒否していることについて怒られました。『なぜ体で自然に作られているステロイドを体に塗ることを恐れるのか。症状が出たらまたステロイドを塗って治せばいいのだから。』と。
私は、そこでも理由を伝えましたが、こちらでは全く耳を傾けてはいただけませんでした。息子も点滴につながれた状態が嫌で泣き叫び、ストレスで体中をかきむしってしまっていました。ですが、入院先の先生にも点滴に来る看護師さんにもアトピーが痒くて辛いね、と言われ・・・私の体験が理解されることがなく本当に悔しかったです。その上、「母親である私がステロイド恐怖症だ」とも言われました。
「ステロイド恐怖症」全くもってそのとおりです。ステロイドは、一時的に症状は抑えられるように見えますが、症状が出るたびに塗布や服薬を繰り返さないといけません。繰り返した結果、私の顔はしまいには瞼や唇が腫れあがって顔の形が変わり、首周辺まで皮膚がまだら模様に赤黒くごわごわになってしまいました。そんな体験をしましたので、ステロイドは私にとって恐怖の薬以外の何物でもありません。薬剤師には「長期間使ってはいけない薬」と説明を受け、ましてや妊娠中は使えない薬との記載までありました。それを使い続けて大丈夫なの?もし妊娠した時、アトピー治療はどうすればいいの?処方された時からずっとステロイドに対する疑問しかなく、症状が悪化するたびに拒絶したい気持ちしかありませんでした。だから、私は命に関わる場合を除いてはステロイドを使いたくありません。アトピーでは私は死なないので、少なくとも私のアトピーの治療にはステロイドは必要ないのです。
正直、アトピー治療は本人の体の自然な治癒力の問題であるため、先が見えなくて不安を感じたり、子供が痒そうでかわいそうだなと思って心が折れそうになったりすることもありました。期間が長ければ長いほどそう感じます。お金がかかるのも事実です。
それでも私がステロイドを拒否するのは、私自身がアトピー治療でステロイドを使って苦しんだからです。脱ステロイドで治療を始めた時はリバウンドで本当に苦しい思いもしましたが、気持ちは前向きでした。松本漢方クリニックの漢方治療の結果、現在はステロイドを全く使うことがなく、アトピーも出ていません。それどころか花粉症のアレルギー数値も年々下がっており、毎年毎年楽になっているのを実感しています。ステロイドを使わなくても松本漢方クリニックの治療でアトピーが治ることを知っているから私はステロイドを拒否しているのです。自分の体で経験してきたから娘や息子にも同じ方法を勧められるのです。そういう意味では私自身がアトピーを経験して本当に良かったと思っています。
世の中にはいろいろな事情・考えがあり、ステロイドを使われる方、使わない方がいらっしゃいます。私はアトピーの治療でステロイドは使いたくない人間なので、使いたくない人は使わないという選択をしても怒られない医療だったらいいのに・・・と思います。
ステロイドを使わない選択をした場合、体の力を高めるための薬が必要です。ヘルペスに効く薬も必要ですし、漢方の軟膏を塗ると痒みが落ち着きます。入浴剤を使っていれば、痒くてお湯の中で掻きむしっていても解毒してもらっているように感じて気持ちいいですし、掻いた後は気分もスッキリします。単純にステロイドは使わないという選択だけだったら、黄色ブドウ球菌等によって痒みも傷も悪化するので、ステロイドを使わない治療方法は何もせずに放置する方法とは違うということの注意が必要だと思います。だからこそ、私にとって松本漢方クリニック・松本先生に出会えたことは私の人生のかけがえのない宝物だと思います。
家庭での漢方治療では夫が忙しい時は実家の両親が助けてくれました。息子のアトピーの治療には松本先生や松本漢方クリニックのスタッフの皆さんはじめ、多くの方に助けていただいています。そのおかげで、息子のアトピー性皮膚炎は完治に向かいつつあります。
あと少し、息子が全身完全にきれいな皮膚になり、ぷにぷにしたほっぺに頬ずりしながら完治の喜びをかみしめる幸せな日々を目指して、治療を続けていきたいと思います。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。先生、スタッフの皆さま、どうぞこれからもよろしくお願いいたします。