「リバウンドの詳細(アトピー中間報告)」
31歳2002年12月
31歳2002年12月
中間報告と言う事なので、完治はしていませんが、簡単に私の体験した事を書かせて頂きます。この手記は、特にステロイドを20年以上使用していて手の付けようがなくなった成人の方を中心に読んで頂きたいです。
簡単に私のアトピー経歴をお教えたいと思います。ステロイド使用期間は、約25年。22歳までは、外用薬のみで月に約1本程度使用。23歳に酷くなり、一気に約1年間でステロイド・抗アレルギー剤・抗ヒスタミン剤の内服をし、外用薬は月4~5本くらい使用しました。
後に知る事になるのですが、外用薬は強さのランクが1群~5群まであり(1が最も強い)、私は、その中の2と3群を実に1年で8種類処方されました。また、あまり知られていませんが、ステロイドには、テープタイプの物もあります。これも知らずに使用していましたが、塗り薬に劣らない程の強い効果があります。
また、8種類処方されたステロイドは顔・首・手などの部分によって使い分けるように言われましたが、なぜ使い分ける必要があるのか、そこまで説明する医者は殆どいないと思います。その説明がない為に、例えば顔に使用する薬がなくなれば、一般の薬の知識のない人は手に使用する薬を次回病院に行くまでの間、顔に使用する薬を使用することになります。これは、絶対にしてはならないことです。
体によって薬の吸収率が違う為なのですが、吸収率の強い部分には弱い薬、吸収率の弱い部分は強い薬を使用するのです。例えば、腕の吸収率を1とすれば顔は6もあるので簡単に言うと6倍吸収する事になります。
また、一般的な町中の開業医でステロイドを使用する皮膚科の中には、外用薬の記載事項を患者に知られたくない為にわざわざ無記載のチューブにして処方するところも少なくありません。
本来なら、赤字部分は私が説明するのではなく、先生が補足として説明される部分です。しかし、患者は、これぐらいの知識を、最低でも持っていなければなりません。また、知識を持っていればこれから述べるリバウンドを経験する事もなかったでしょう。松本漢方クリニックへ来院して2年半になりますが、数え切れない程のリバウンドを何回も何回も経験しました。もう、当たり前の症状で沢山の手記を読まれた方は、あっ、この人もかと思うでしょうが・・・
●全身からリンパ液が出て膿みが溜まる。手・足には大量の水泡ができて痒くてたまらない。
●体中が真っ赤に腫れ上がる。特に顔。
●皮膚が固くなり限りなく剥がれ落ちる。1時間で剥がれた皮膚が両手一杯に持てた事もある。髪・腕・足に生えている毛も、掻く事で爪が刃物となり、かなり抜けました。
●膝などの関節にひび割れが酷く、歩行困難な状態が続く。約1年間治らず治っても刃物で切った様な痕が消えない。
●リバウンド1年目の平均体温は37度前後。
●皮膚は、空気に触れると痛くて、すぐ乾燥するので包帯・ガーゼで包む。
●じんましんが定期的に出る。
このような症状が約1年続き、その後、徐々に回復に向かっています。はっきり言って、どんなにその時の状況を熱く語っても、伝わる人には伝わりますが、アトピーを本当に治す気のない人には無駄な話です。早い話、私のように20年以上ステロイドを使用して、もう薬で抑えきれない段階にたどり着いた成人の人に言いたいです。
アトピーを本当に完治させたいなら、すぐにステロイド治療をやめる事です。その為には、残念ながら多くの物を犠牲にしなければなりません。仕事(私は過去3度クビになりました)・友人・恋人(既婚者は離婚するまでに至る事もあるでしょう。私は長年付き合っていた彼女を失いました)・趣味・時間など、人によって色々あると思います。
2~3年地獄を味わって、残りの人生を楽しむか、一生ステロイドを使用してハンディのある人生を送るかはあなた次第です。
また、是非知っていてほしいのですが、1週間程度の治療で大きい成果を挙げてテレビでも話題を呼んでいる四国のT病院や東北のU医院の治療では、アトピーは完治しません。入院すれば完治したかのように症状は軽減しますが、結局はステロイドを使用しているので、またすぐに出てきた上に、さらに悪化して入退院の繰り返しになります。私は24歳から5年闇でT病院に4回入院して多い時には退院後に15人くらいの人と情報交換しましたが、軽減した人はいても完治したと言う人は1人もいませんでしたし、再入院者は6人もいました。その殆どは20歳をすぎた成人です。また、SODと言う食べ物を売りにしていますが、一度に大量に購入すれば安くなる販売を一部の業者はしていて、とてもじゃないが買えたものではありません。結局、病院は忙しいと言う理由で薬以外は販売をせず、業者任せの金儲け主義の病院です。
アトピーは1週間程度じゃどうしようもありません。経験者の私が言うのだから嘘ではありません。一人でも多くの人が、私のような人生を送らない為にも、早急に治療はやめた方がいいです。また、漢方治療は残念ながら保険がきかない為、お金がかかるのも事実です。私は1年間毎日漢方治療を続けましたが、1年後は3~4日に1回が限度で入浴はできません。お金がなくて残念ながら治療を断念した人も少なくないと思います。
また、リバウンドで仕事もできなくなる人も多いですが、家族にアトピーの理解や協力がないと駄目なのも事実です。私の知り合いにもアトピーの酷い人がいますが、その人の両親は「うちは、アトピーくらいで仕事を休む様な甘やかした事はさせません」と言うくらいです。こんな家族がいる人は残念ですが、完治は諦めて下さい。保険がきかない事は本当に残念です。健康保険料の負担が上がる事は、「お金のない人は死ね」と言っているようなものです。ともあれ、30歳にしてステロイド治療をやめる事は、本当に勇気のいる決断でした。それを決断させてくれたのは、院長であります。現在は、良くはなっていますが、3年経った今でもリバウンドはあります。しかし、IgE抗体は着実に下がってきています。また、犠牲にした物はこれから時間をかけて取り戻していきたいと思います。
これから、リバウンドを受け入れ、ステロイドを中止することを決断される方は是非、諦めずに頑張って下さい。