「息子のアトピー人生」
匿名希望 16歳 2013年3月31日
匿名希望 16歳 2013年3月31日
赤ちゃんの時、顔に出来た発疹で皮膚科に通った事がきっかけで、息子をアトピー人生にしてしまいました。その頃、決まって出された軟膏が、ワセリンとステロイドを練り合わせて作られた薬だったことがわかった時には、すでに手遅れでした。その皮膚科に半年くらい通った頃に、たまたま、水庖瘡にかかったのです。小児科の先生に、使っている薬があれば、すべてやめて下さいと言われ、軟膏も塗るのをやめました。
それから2~3日経った頃から、大変な事が起こり始めました。リバウンドと言われる現象でした。その時、初めてステロイドという薬の怖さを知りました。息子の顔や足等が、赤くタダレたようになり、汁が噴出し、目の周りからも、涙ではなく、汁が流れ続けました。その姿は、もうかわいそうで見ていられない程でした。母親の私が、無知だったばかりに、息子をそんな姿にしてしまったかと思うと、悲しいやら申し訳ないやら、いつも後悔ばかりしていました。 しかし、悲しんでばかりいても、息子の顔や体の皮膚が治る訳ではないので、いろんな人に助けてもらい、心を強く持てるようになり、なんとか前向きに考えるようになりました。
ステロイドをまったく使わずに、アトピーを治すという皮膚科にも通いましたが、ステロイドで壊された皮膚に、つける薬もなく、完全に治るのには、かなり長い期間がかかるという話でした。細菌感染しないように、常にヨードで消毒をして、皮膚を清潔にして、包帯を巻くしか術がなかったのです。食事も気をつけるように言われましたが、治療らしい治療がないまま時が過ぎて行きました。
小学生になった頃やっと、なんとか見た目にもわからないようになりました。 これで、皮膚を強くしていけば、もう、アトピーにならないと思い、スイミングを習わせました。それが、またもや凶と出てしまいました。何度か通ったある日、プールで細菌感染し、背中にぷつぷつと湿疹が出来たのですが、そのときは皮膚科へ行かずになんとか治ったのですが、しばらく経ったある日、足の付け根のリンパの部分が、ポコンと少し膨らんでいました。 息子も痛くもないと言っていたので、放っておいたのですが、どんどん大きく固くなり、かかりつけの小児科に行ったら、エコーの結果、リンパに膿が溜まって膨らんでいると言われ、点滴と抗生物質で治療しました。
一週間しても、腫れがひかず、結局、大きい病院を紹介され、検査したら、 リンパの部分以外におなかの中にも、膿が数個あり、化膿性リンパ腫という病名をつけられ、即、入院・となりました。初めての入院で息子は、怖くて寂しくて、数時間泣いていましたが、一日中、私が付き添うからということで言い聞かせました。それから、24時間ずっと、抗生物質の点滴生活が始まりました。結局三週間目になったとき、硬く腫れていた部分が、'ふにゃふにゃに柔らくなってきたので、切開して膿を出すことになりました。血液検査にも、問題なくやっと退院出来ました。それからは、特にこれといった問題もおきず、平和な4年間が経ちました。
小学6年生になったとき、異変が起き始めました。思春期となり、体が少しずつかわりはじめた頃です。突然、首やら足の皮膚が荒れ、汁が出る程ひどくなり、しまいには首が回らないくらいタダレました。足にも大きな穴が開くくらい皮膚がえぐれてしまいました。1年生の時に入院した病院に行ったら、すぐにステロイドの軟膏を出されました。ステロイドは使いたくないと言いましたが、こんなひどい皮膚の状態では、治る薬はステロイドしかないと言われました。ステロイドを使わなかったら、皮膚が黒ずんで、一生治らないと、脅しとも言えるような言い方をされました。
結局、2~3日入院して、集中して治療した方がよいと言われ、両肘、両膝、胸など掻き壊した皮膚にステロイドの軟膏を塗り、包帯ぐるぐる巻きにされ、ステロイドの点滴をされました。体に塗られたステロイドを調べて見たら、一番強い段階の薬でした。強い薬で一気に治して、それから序々に、弱くしていく方法を告げられました。今思えば、それはかなり、危険なことだったと怖くなりました。入院してまもなくは確かに治っていましたが、それも治っていっていたのではなく、症状を抑えていただけの事だったのです。皮膚がきれいになったと喜んでいたのも、つかの間でした。顔には、ステロイドを使っていなかったのに、顔の色が悪く、つやがなくなり、ブツブツとしたものが出来始め、一面に広がっていきました。
何度となく、予約をして病院に行きましたが、出される薬は、ステロイドのみ。一向に治らない皮膚を人前にさらすのもイヤになった息子は、もう病院には行くのがイヤだと言いました。そのうちに、学校も度々休むようになりました。どんな病院に行っても、治るどころか、どんどんひどくなるばかりで、私もストレスがかかり、暴言を吐いてしまい、よく喧嘩になりました。息子は物などにあたり、壁に大きな穴をあけてしまったこともありました。 遂には、息子の心まで壊してしまいました。私は、途方にくれました。 どうしたら治してあげる事が出来るのか…。ある日のことです。 3才から行っていた美容院のおばさんが、あるお客さんの女性の話をしはじめました。その女性は、リウマチで歩くことすら出来なかったので、自宅まで行って髪を切ってあげていると言っていました。それがなんと、最近は、車に乗り、仕事で海外にまで行っているというではありませんか!理由を尋ねると、遠くの病院に通っていると言われたそうです。そこが、この松本医院だったのです。
わたしは、美容院から帰ったらすぐに、松本医院をインターネットで調べて見ました。松本先生が書かれている手記の内容は、もう、それは驚く内容ばかりでした。まず、ステロイドは麻薬だということ。抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、抗生物質…すべてが体に悪影響を及ぼしているということ。環境さえも、人間の体を壊しているということ。先生の書かれている言葉ひとつひとつに、感銘を受けながら読みました。主人にも読んでもらい、二人ともが、もうここしか、息子の皮膚は治せない!!と思ったのです。とにかく早く診てもらいたいと思い、息子に学校を休ませ行くことにしました。岐阜県から、カーナビをたよりに、大阪まで行きました。高槻駅のすぐ近くのドーナツ屋の2階にあるということで、迷うこともなく辿り着けました。近くまで来ると、独特な漢方薬のにおいがしていました。着いた一!やっと治るぞ!!と、病院に入った瞬間、感じました。受付をして、血液検査を受け、二時間以上待ったでしょうか…。 でも、先生に早く会いたいという気持ちが強かったせいか、その2時間が、ちっとも長く感じませんでした。
松本先生にお会いしたとき、とても感動的でした。話し方も、とても力強くて、説得力があって、パワフルで、自信に満ち溢れていて…想像していたとおりの先生でした。『本当の漢方医は、私だけだ!』という言葉も、納得できました。何よりも、うれしかったことは、息子の手を強く握り、『必ず、先生が治してやるからな!』と、何度も言って下さった言葉でした。
あと、もうひとつ『アトピーは、掻いてもいい。異物があるから痒いのだから、どんどん掻いて出しなさい』という言葉にも、救われました。もう、本当に、神様に出会えたような感動でした。それからは、先生の言われたとおり、軟膏と、入浴剤と、漢方薬もしっかり飲ませました。軟膏と入浴剤は、保険が適用されない為、正直言うと、金銭面はきつかったですが、これで、息子の長いアトピー人生が終わるかと思うと、親として出来ることは、なんでもやってあげたいという気持ちで続ける事が出来ました。皮膚から何度もリンパ液が溢れ、痒くて掻き壊し、夜も眠れない日々が始まりました。リバウンド現象です。今まで体の中に取り入れてきたステロイド、抗生物質、化学物質などの量が多ければ多い程、治るのに年月がかかると言われました。治りそうで治らない、つらい月目が流れましたが、本当に治ると確信していましたので、家族みんなで励ましあってがんばりました。
1年と数ヶ月ほどで、やっと普通の生活が出来るまでになりました。 今では、風邪をひいたときでも、松本先生に電話をして薬を送っていただいています。本当に、松本先生のおかげです。感謝の気持ちで一杯です。心からお礼の言葉を言わせていただきたいと思います。 長い間、ありがとうございました。