「アトピー手記」
44歳2015年2月4日
44歳2015年2月4日
松本漢方クリニックを初めて訪れたのはもう10年も前のことですが、壮絶なリバウンドを克服して2、3年ほどで完治しました。しかし、今でも職場の移動や精神的疲労が溜まる時に痒くなることがあり、都度、漢方煎じ茶をもらいにいくというのが習慣となっています。ずっと先生と約束していた報告書を提出できずにいたため、この度過去を思い出し、今現在、またこれから壮絶な戦いに挑もうと勇気ある決意をした方へ多少なりとも参考になればとペンを下ろすこととします。
自分の皮膚歴としては、幼少のころに若干汗疹は出ていた記憶がありますが、これと言って皮膚が弱いわけでもなく痒みなど経験したことがないまま歳を重ね、いつしか子を持つ親となって日々の生活を送っていました。そんなある日、育児と仕事がかなりハードになってきた時、全身に異常なまでの痒みを覚えたため、いても立ってもいられず会社近くの皮膚科に飛び込み受診したところ、血液検査など原因を追究する等の処置がないまま、いきなり痒みを抑えたいならいい注射があるということで、当時まったくステロイド等薬品の知識がなかったこともあり、先生の言うがままに注射を打つ破目になってしまいました。すると言われた通りすぐに痒みが引くという事態に不思議ではありましたが、これはいいものだということで、2週間ごとに2ヶ月ほど打ち続けました。まさにステロイド入りの注射でした。
今となっては、先生が驚くほどひどいアトピの持ち主で皮膚科でありながらまったく状態が良くないことに注目すれば、この医師に従うことが馬鹿らしいと思えたはず。しかし、冷静さも失うくらいの痒みであったことが思い浮かばれます。痒みというものは感覚の中で一番残酷なものとさえ思っていた時期でしょうか。2ヶ月も経つと、治まるどころか注射も効かなくなってくるほどで、その後は皮膚科を転々と変え、有名な医院を訪れては同じような処方をされ、気付けばかなりのステロイド依存症となっていました。こうなってしまっては、運動も汗をかくので非常に痒いため億劫となり、また風呂上りの火照った体の痒みが1時間近く取れない。皮膚は薄くなりちょっと引っかけても傷となり血が出る。飲み薬のせいか胃も痛くなってきた。ステロイドを使用して3年くらい経過していたのでそこそこステロイドの危険性も理解はしておりましたし、このままだと何も変わらないことも痛感していたので、いろいろと情報入手し、何をすべきかを自分なりに考え、たどり着いたのが松本漢方クリニックでした。
初診での忘れもしない先生のあの勢いにはかなり驚かさましたが、その勢いのおかげで付いていこうと決心できたというのも確かです。何事も言い切れない人には半信半疑になるものですが、完璧言い切り派の松本先生には疑う余裕すら与えてくれなかったことを今でも覚えています。
さてリバウンド中の格闘については一生忘れることのない壮絶なもので、家族をはじめ周りの者の協力なくしては耐えることのできないものであったと思います。夜はあまりにも痛く、全身に釘でも刺されているかのようなチクチクとした痛みのせいでなかなか寝ることができず朝方、ようやく疲れきった状態で眠りに落ちるといった感じで、毎日数時間しか眠ることができないため日中の仕事では当然効率も悪く、体の痛みもあって、職場では肩身の狭い思いをしていました。ひどいリバウンドであれば休業したほうがいいのでしょうが、何処に居ても痛いのは変わりないので、少しでも気が紛れるところに居たいということで、この状況の中でもできる仕事を任せてもらい、職場のみなさんには非常に感謝しております。
家族に至っては、日々汗やリンパ液でぐしょぐしょになる衣類や、毎日はがれる皮の掃除を治るという希望を信じてせっせとこなしてくれて、本当に頭の上がらない思いです。漢方風呂や煎じ薬の準備も大変だっと思いますが、家族の有難みをいっそう感じることができ、また幾度と無く折れそうになる心を奮い立たせてくれた先生にも感謝しております。頑張れば必ず好転し、二度と皮膚科に通わなくても済む本来の身体へと戻るはずです。長い人生です、先生を信じてみてはいかがでしょう。
一生うだつがあがらないところへせっせと通うのか、それとも今3,4年辛抱するのか、選択する価値は非常にあるかと思います。