「アトピー手記」
65歳2014年7月25日
65歳2014年7月25日
平成26年5月20日、数日前にネット検索して知った松本漢方クリニックを訪ねました。事前にホームページを何度か読んでいましたので松本先生の治療に対する独自の考え方やポリシーは理解できていましたが、本当にステロイドを使わないのだろうか?微かな疑問が心の片隅にあったのは私には長く辛いアトピーの体験があったからです。
ここで私のアトピーの経緯を少しお話しします。42歳の時左肩に2~3個の小さな湿疹ができたのがアトピーの始まりでした。薬局で手に入れた市販の塗り薬を塗ると一旦治まるのですが暫くすると又出てくる事を繰り返すという可愛いものでした。しかしいつまで経っても完治しないどころか少しずつ緩やかに悪化しているように感じ近所の皮膚科を訪ねたのですが、これがいわゆる地獄の入口だとは思いもしませんでした。
ここからはアトピーで苦しんでおられる方々と同じだと思いますが、良かれと思い名医を探して転々と遠方まで足を延ばし国立病院から個人病院まで数え切れないほどの有名な病院を探しては診てもらいましたし、挙句の果ては外国の病院にも通いましたがその全てに共通していたのはステロイド剤の処方でした。自分でいうのも変ですが妙に生真面目なところがある私は、いつしか全身に広がったアトピーを治す為に必死の思いで朝と晩にステロイド軟膏を妻に手伝ってもらいながら全身に塗り込む毎日でした。この生活を丁度10年間続けましたが人生の大事な時期にステロイド漬けで普通の社会生活すらできない体になっていました。
転機は52歳に訪れました。東京に「アトピーは治る」という医者がいる事を友人から聞きすぐ電話しました。「ステロイドの塗布を今すぐに完全に止めること」「自分が開発した漢方の煎じ薬と漢方の錠剤を一日に何錠飲むこと」「漢方の入浴剤を入れた風呂で毎日タオルを用いて全身を擦ってリンパ液を出す事」ステロイドをやめたことにより強烈なリバウンドが来たら瀉血(しゃけつ)と鍼をするので東京に来なさい、以上が指示でした。
ステロイドを完全に止めるというこれまでと真逆の処方は10年に及ぶステロイド漬けの生活を経験し「死ぬまでもうアトピーは治らない」絶望の毎日を過ごす私には一筋の特別な光に感じましたのですぐに実行に移しました。ただ「ステロイドを抜けばアトピーは治る」というだけで論理的な説明は一切ありませんでしたので、ちょっと乱暴だなぁとは思いましたが、それよりも失礼ながら本当にワラにもすがる思いだったのです。その後強烈、猛烈なリバウンドとの戦い(本当は思い出したくありません)の日々を過ごしたのち、約1年半後体内からほとんどのステロイドを抜くことが出来ました。
「ステロイドは対処療法であり緩やかにそして確実に悪化させても治癒することは絶対に無い、つまり根本的な原因治療では無い」「国立や大学病院、有名な皮膚科の医師は全て、まるで申し合わせているかのようにステロイドを出して、解ったうえで症状悪化の処方をしている」
これが、体験を通じた私の実感です。
それから12年が経ちましたがこの間アトピーはおとなしくしていた訳では無く、両腕の肘の内側や首から両肩又両手の平や甲にかけて毎年のように場所は限定的ではあっても姿を現していました。さすがに劇薬ステロイドを二度と使う事は無く自分で購入した吸引機を使って瀉血をしたり風呂で患部を擦っていれば、冬に出来たアトピーは春頃には、そして夏に出来たアトピーは冬には何とか姿を消してくれていたのです。ところが去年の初秋から両手のひらと甲にアトピが現れ暖かくなっても勢いを増すばかり。再度東京の医師の漢方を3か月程使い瀉血(指に鍼を刺すのは本当に痛いです)をしても悪化する一方。妻は良心的な医師は必ずいるはずだから諦めず探すようにと言うのですが、過去の体験が頭にこびりついている為「どんなに探してもどこへ行っても毒薬に等しいステロイドを患者に平気な顔で処方して得意顔をしてる無責任な医者しかいない」との考えは変わることはありませんでした。
ある日長女が「ステロイドを絶対に使わない医師をネットで見つけた」と言って来ました。どうせまやかしだろうしそんな医師などいる筈がないと思いながらも念の為にホームページを訪ねてみました。一週間ほどかかりましたがほぼ全てを読み終えて「全ての病気は、人間が本来持っている免疫力、自然治癒力を高めてやることで治るだけのことなんだ」という論旨が終始貫かれておりました。絶対にいる筈のない医師がもしかしたらいるのかも?とにかく一度診察を受けてみよう。2種類の塗り薬と漢方の煎じ薬を処方されて今日で2か月と5日。私の左手は100%完治。そして右手も99%治り、そろそろ治療も終わりそうな状態です。65歳になり落ちてきた免疫力を高めて頂いた結果です。
私は距離的に遠くないこともありこれまでに3回診察していただいていますが順番を待っている間、同じく待っている赤ちゃんや老若男女の患者さんたちを見てはとても羨ましい思いを致します。皆さんどんな経緯を経て松本漢方クリニックにたどり着いたのか分かりませんが、自分はここに来るまでに23年もの歳月を要しましたが、この方々は完全治癒に向かって一直線のレールに乗っかって幸せな、実にラッキーな方々だといつも思います。半面、今日も全国の病院の皮膚科でステロイドを薬と思って受け取っている山のような患者さんがいることも忘れてはいけないと思っています。
タイトルの通り「アトピー手記」を書くつもりでしたが殆どが私の過去の体験とそれによる自分の独断に終始してしまい申し訳ありません。最後になりましたが完全な縦社会である医療界や行政に対して真正面から敢然と戦いを挑み続けておられる松本先生をはじめスタッフの皆さま、私は何もできませんが心から応援しています。そして松本理論の賛同者が一人でも増える事を祈念しております。お世話になりました。有難うございました。これからもよろしくお願いします。