「アトピー手記」
32歳女性 2005年10月25日
32歳女性 2005年10月25日
私は、何度も寄り道をしてしまい、この手記を書けるようになるまでに10年程経過していますので、記憶が定かではありませんが、アトピー性皮膚炎と戦っておられる方の励みになれば幸いです。
私は、幼少のころからアレルギーをもっていたらしく、肌に症状が現れた時だけフルコードという塗り薬を使用していたそうです。成長するにつれアレルギー症状はなくなり、この薬品は使用しなくなっていたのですが、20歳の時に突然炎症が現れだしました。そのころは、まだ一般的に知られてはいなかったと思いますが、病院でアトピー性皮膚炎と診断されました。そして、ステロイド治療をごく普通にすることとなりました。病院ではステロイドの軟膏を処方されるのですが、軟膏にも種類が沢山あるようで、最初に使用していたものが効かなくなると、より強い効果の軟膏を処方される。今思えば、体内に押し詰めているだけだということが判りますが、その病院ではステロイド治療でしか治せないと断言されました。
発症当初は、無知な私も、徐々に知識を増やしていった結果、ステロイド治療は根本的に治せないことが判り、ステロイドを止める決心をしました。「ステロイドを使用しないで治す病院がないだろうか?」と何軒も巡りましたが、どこの病院でもステロイドを処方するのです。ステロイドを処方されても使用せず、放置状態でしたので、症状は酷くなっていきました。
病院に失望していた時、某化粧品会社の商品で、アトピー性皮膚炎の治療が出来ると聞き、1年程使用していたと思います。ステロイドを使用していないという安心感からです。その商品とは、石鹸、保湿液、ワセリン(?)だったかと思います。この商品も、最初のうちは改善しているかのようにも見えました。保湿液のせいか少し皮膚が柔らいで、痛みが和らいだのです。しかし、やはり改善には程遠い状態でした。
こうしているうちに皮膚の状態は悪化していき、全身が炎症を起こして、治らないんだと失望し、生きる気力もなくなっていきました。そんな私の状態をみて、母は一生懸命に情報を集めてくれていたようです。そして、ついに松本
医院との出会いに辿りつくことが出来たのです。
最初は、病院に不信感を抱いていたので、拒みましたが、ステロイドを一切使用せず、漢方薬で治していると聞き、他の病院とは違うかもしれないと思い、とりあえず診察を受けることにしました。
初めて松本先生とお会いしてまず感じたことは、今までかかった病院の先生とは明らかに違っていたことです。どう説明していいのか解りませんが、なぜか「この先生を信用しよう!」と直感的に思ったのです。そして松本先生からの言葉が、「必ず僕が治してあげるから、一緒に頑張ろう!」と。この「必ず」という言葉が、今でも私を支えてくれていると確信しています。
漢方治療を始め、日が経つごとに、体に変化が現れました。今まで以上に全身の炎症が酷くなり、その様子は火傷をおったような赤紫色で、皮が無いような状態でした。強烈な痛みと痒みが伴い、傷口からは、リンパ液がとめどなく出ていました。衣類と体がくっつき、着替えの時など、剥がすときの痛みは耐え難いものでした。松本先生は、「痒ければ、かいていい。」と言っておられたのでかいてはいましたが、皮膚は薄くなっているわけですから、傷がつき、血が噴出してくるわけです。漢方風呂に入ると、入浴中は痛みは和らぐのですが、入る際ヒリヒリとした痛みが伴うので、入るまでの決心がなかなかつかず、30分~1時間程格闘していたときもありました。そして、入浴後は直ぐに塗り薬を塗らないと、乾燥してきた肌が割れてくるのです。
夜も(?朝とか夜とかなく)痒みと痛みでのたうちまわり、疲れきって眠る日々が続いていました。漢方薬を飲む前よりも、皮膚の状態は悪化していましたが、松本先生と電話でお話し、しっかりと説明をうけ、改善している証なのだと言い聞かせていました。しかし、精神的にも肉体的にもとても辛く、死んだほうがましだと何度思ったことでしょうか。
何日か経ったころから、皮膚が再生しては剥けての繰り返しが始まりました。部屋もお風呂も、皮だらけになりました。清潔にしておかないといけないので、動きがとれない私の変わりに、母が懸命に身の回りの世話をしてくれました。背中に薬を塗ることなどはもちろん一人では出来ないのですが、私の場合、少し動かしただけでも血とリンパ液が吹き出て、痛みが伴い、更に脱力感もあったので、全身塗っってもらったりもしました。母への感謝は多大なものです。
そして、徐々に皮膚もしっかりした状態に変化していったのです。皮膚が普通の状態になったころ、まだIgEの値はまだ多かったのですが、もともと面倒がりな性格なので、煎じ薬の服用を勝手に止めてしまいました。
止めてから1年後にまた症状が出始め、自分勝手に薬を止めていたので、怒られるだろうなとヒヤヒヤしながら、再度松本漢方クリニックに通うことにしました。松本先生は、「よく戻って来てくれましたね。また一緒に頑張ろう!」と言ってくれたので、ホッとしたことを覚えています。普通の皮膚に戻ることも出来ないと思っていた状態から改善された事実があるからです。その時点で、IgEは4010と、最初の倍になっていました。
その後は、サボる日もありましたが、煎じ薬を飲み続けていました。やっとIgEの値が初診当初に戻ってきたころ、突発性難聴という病気になり、某大学病院で入院することになりました。その大学病院の先生に、入院前にステロイドを使用する治療かどうかの有無を問いました。するとステロイドは使用すると言うのです。私は、ステロイドは使用したくないことの説明をし、他に方法はないのか問うと、断固として「ありません。」というのです。そして、「大丈夫です。」と。
ステロイドの使用は避けたかったのですが、耳が聞こえなくなるのも困るので、結局治療をお願いすることにしました。3週間程で耳は聞こえるようになり、退院して、数日間は、アトピーの症状も出ず、安心していましたが、やはりその後症状が現れてきたのです。どうして医者なのに、無責任なことを断言する人がいるのでしょうか?信用した私もいけないのですが...。
そしてまたまた、松本漢方クリニックで血液検査をした結果IgE6260。またやりなおしです。IgEが多くなったり、少なくなったり変動を繰り返してはいますが、松本漢方クリニックへ通い始めたころにでたような酷い炎症をおこすことはなくなりました。今もまだIgE2700と、最初より多い値ではありますが、症状は酷くありません。
知らずに服用していた市販の風邪薬や、目薬に、アトピーに良くない抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤が使用されていることにも気付き、今では一切服用しなくなりました。この調子で松本先生に、「もう大丈夫です。」と言ってもらえるまで頑張ろうと思います。
最後に、私を支えてくれた家族に感謝します。そして、励まし続けてくれた松本先生に感謝します。今、いちばん辛い時期で戦っておられる方、松本先生を信じ、頑張って下さい。