「松本漢方クリニックの治療に必要な
東洋医学アイテムと仲良くなるまで」
37歳2017年2月2日
37歳2017年2月2日
★はじめに
クリスマスの2日後の診察でわたしは、松本先生からプレゼントを頂きました。それは「手記書け」のひとこと。診察する前から、夢に見ていた言葉。ありがたく頂戴したあと、暮れのご挨拶をしたら「1年も世話しとらん」先生とお会いするのはこの日で10回目。まだまだひよっこの患者です。それも・・・読んでもらえばわかりますが・・・かなりのヘタレ(根性なし)です。ちゃんとした手記を書ける自信がないですが、自分が読んできたたくさんの手記に、どれほど励まされたかわかりません。少しでもその恩返しができたらと思います。
★初診察までの道のり
幼少からアトピーです。父の事業失敗など経済的事情もあり、真面目に皮膚科に通院したことがありません。大人になって親元を離れてからも、そこまでひどくならなかったので、食生活や適度な運動、身体を冷やさない、など自分の管理下でできることで対応していました。
出産(2014年3月)後から肌の調子が悪く、子供の予防接種で小児科医に「お母さんこそ皮膚科行ったら」と言われる始末。育児の息抜きも兼ねて近所の皮膚科へ行きました。授乳に影響ないからとステロイドを出されて、塗ったらびっくりするほどすぐにきれいに(見た目は・・・)なったので「不気味」に思いました。
そして2015年晩夏。口と首にできもの発生、範囲の拡大。アトピーとは違う、それ自体が刺すように痛む症状にパニックになりました。皮膚科では、アトピーの人がヘルペスになるとかかる「カポジ水痘様発疹」と診断されました。冬になるとだいぶましになったものの、夏になったらまた出てくる・・・アトピーとはのらりくらりといままで付き合ってきたけど、この痛みとは一生付き合いきれそうにない!!
ここでやっとアトピー、ヘルペス、カポジなどとネット検索欄に入力しました。そして探して探して「痒かったら掻いていい」という理想の一文に出会うまでに、それほど労力はかからなかった・・・!!いい時代です。ですが。HP全体を眺めて「問題はこの名医にヘタレのわたしがついていけるかどうかだ」と考えました。なにせ、いままでまじめに病院通いしたことがありませんから、かなり真剣に迷いました。それでも行ったらわかるだろ!!と最終的には直感で行きました。
★初診察から、東洋医学アイテムと仲良くなるまで
初診にのぞんだのは2016年9月9日。松本漢方クリニックはすべてが聞きしに勝る第一印象でした。「ステロイドを使用したんだから怒られて当然」と診察に望んだのに、自分なりの予習をしたのに、初回は緊張もあって、見当違いの応答をして叱られました。「こりゃあアカン」と泣いてしまったわたしが肌を見せると、「あんたカポジ違う、ヘルペスや」「治るで」の言葉と握手は、手記で読むのと体験するのとでは大違い。こちらの覚悟を試されている緊張感がいつまでも抜けませんでした。そして帰りにはバーゲン帰りのように両手のビニール袋にどっさりの漢方薬。「さあ、解毒生活開始だ!!後戻りはできないぞ!!」
余談ですが、わたしうつ病持ちでして、正直なところ先生の剣幕には、いまでも慣れなくて毎回ドキドキです。自分のパニックを抑えるので手いっぱいになります。診察室入ってすぐの椅子で呼吸を整えたりなんかして。叱られると凹みます、スミマセン。ホント弱虫なんです。だからこそ先生に優しくされた日はそれだけで半泣きです。
★漢方風呂
初診の日、帰宅後すぐ入浴しました。15分もしないうちに両手が獣の手になり、常軌を逸する痒みの渦中へ。「痒かったら掻いていい」という前提で入浴しているから、野獣化しても不思議と怖くなかったのを覚えています。思えばそれが肌を耕して開墾する生活の始まりでした。「痒かったら掻いていい」なんて、今までそんなこと言ってくれたお医者さんには出会えなかったです。松本先生を探し当てたわたしは、かなりツイてる!!運がある、縁がある!!うまいこと生活習慣にするためにも、楽しまなくては!!と、しまいこんでいたバスピローを出しました。お風呂のふたを閉めて本を読んだり、ジップロックにipodを入れて濡れない場所に置いて音楽を聞いたり、いまではKINDLEでAmazonプライムビデオ連続再生・・・やりたい放題です。いい時代です。2時間以上の入浴のうち半分の時間はカラダをよじって爪を立てて全身掻きむしる・・・という言い訳で幼い子供は一時保育へ。治療を兼ねた息抜きなんていいご身分かもしれませんが、治療を1日でも多く継続させるためです。
★煎じ漢方薬
いちばん厄介だったのは1日3食のお供の煎じ薬でした。次回診察までに所定の量が飲みきれず、叱られたことも。(そりゃあ𠮟られて当然ですよね!!)とはいえ処方された2種が、それぞれに方向性の違う不味さ・・・。とりあえず専用の手鍋(内側に目盛りのあるもの)を2つ購入。不味いからと嫌がっていても仕方がないので、それぞれにわたし専用の「なまえ」をつけて「よろしくね」と言いながら飲みました。慣れるまでは、飲み終わったらご褒美(甘いものを少し)を食べていました。夏のうちは常温水を両手に飲んでいましたが、寒くなったある日、大好きなお白湯と飲んだらずいぶん飲みやすくなりました。すこし熱めのお白湯が個人的には合いました。この飲み方をするうち甘いものは不要に。いっしょに飲むお白湯の量も減ってきています。
★お灸
「家でもぐさをひねってお灸なんて、ちょっとカッコイイ!!」意気揚々と自宅で灸をするも、最初は失敗しまくり。みずぶくれ、やけどの跡がくっきり。一時はオノレの不器用さに中断しましたが、その後コツを教えていただき、だんだんとできるようになりました。最初は子どもを寝かしつけてから、深夜にお灸していました。ですがある日、いつものように待合室で手記ファイルを読んでいると、自分と同様にお子様を持つ患者さんが「夜更かしでお灸は本末転倒」と書いてらっしゃったのです。それからは夜のお灸はやめました。「気持ちばかり急いでいたのだ・・・」と立ち止まることができました。(こういう「横のつながり」が、松本漢方クリニックならでは!!)最近は朝少し早起きしてお灸をしています。朝に据えると眠気が飛んでいきます。松本漢方クリニック鍼灸科と並行して近所の鍼灸整骨院へ通って、週に1~2度の鍼灸ライフを継続中です。
★塗り薬
紫雲膏と中黄膏は衣類に色素が移ります。手持ちの生成りの天然素材の肌着の色は、だんだんと変わっていきました。タンクトップは痒さゆえ肩の部分をこすったりひっぱったりでヨレヨレに。何のそれしきのことと思われそうですが、こちとら両手が獣でも女子のハシクレですのでダメージ大でした。いちいちそれを見て溜め息ついても治るわけじゃないので、自然と黒い肌着が増えました。
★松本理論
自慢じゃないけどお馬鹿さんです。授業で生物を選択しなかったとかの次元ではありません。松本理論の理解について、とても不安でした。とりあえず松本医院患者の最高峰Naoki王子(尊敬を込めて呼ばせてください)のブログを読みました。こちらも1度さっと読んだくらいでは、とてもわからないです!!さらに、理解する前に更新されていくので、とても追いつけない!!そこでNaoki王子のブログの図解を自分の手で書き写しました。学生気4分を楽しみながら書くと、読むだけよりは多少なり頭に入ってきます。並行して患者さんが手記で紹介されていた免疫学の本も読みました。どんどん更新されていく松本漢方クリニックのHPや患者さんの手記、そしてNaoki王子のtwitter、さらには松本漢方クリニックBot(twitter)も追いかけていると自然と勉強になります。読む速度が追いつかなくても、追い続けることが学習になっている気がします。
先程も書きましたが、こんなに横のつながりの感じられる病院はほかにないです。くじけそうになるけど、ひとりじゃない。もう少し続けられれば、カラダの方が松本理論を証明してくれるはず・・・そう思って血液検査の結果が出るのが楽しみになりました。結果を見て万歳三唱しました。でも「ここからだなあ・・・」というのが正直なところです。まだまだ気が抜けません。
★おわりに
現状は鎖骨、胸部のステロイド焼けが残り、各部位でヘルペスが出ています。掻きすぎからか両手中指薬指がばね指(腱鞘炎手前の状態)になりました。調子のいい日と悪い日があります。発作的に痒みがおさまらなくて家のことが手付かずになることもあります。それでも昨夏に比べたら、どれほどか楽になったでしょう。この手記を書きながら、初診の時の気持ちに返って、適度な緊張感で自分の肌と向き合おう、向き合わなければと思います。完治の手記を書くことを、夢見るだけじゃなくて現実化したい。子どもと一緒にプールや公衆浴場にためらいなく行きたい。今日も、がんばります!!