「アトピー手記」
30歳2013年9月23日
30歳2013年9月23日
アレルギー性皮膚炎治療(脱ステロイド・脱プロトピック)途中経過報告
私の薬の使用歴はステロイド吸入剤(喘息治療、20年)・ステロイド軟膏(10年)・プロトピック軟膏(7~8年)・抗ヒスタミン薬(10年)といったところです。軟膏については症状がひどい時のみ塗る感じで、ほぼ使用しない時期もありましたが、少しずつ症状は悪化していました(プロトピックで抑えて表面的にはあまり目立たない・軽~中症程度)。直近では転勤に伴う転居後症状が悪化し2012年3月頃から3ヶ月間尼崎の皮膚科医に抗ヒスタミン剤の服用とプロトピック軟膏のプロペトで薄めたものを頭・顔・背中に使用するよう指導されていましたが、症状は好転せず変な寒気や真夏なのに汗をかかない、ちょっとしたものが擦れただけで蕁麻疹が出るなど異常な症状が出てきたので脱プロトピックを決意し、松本漢方クリニックのホームページで先生のアトピーに関する論文を読み、少し遠いですが受診しました。
初診時には私のIgEの数値はほぼ1万超えでした(プロトピックを多用していなかった3か月前は6千弱だったのに、短期間で急上昇)。西洋薬を一切止めてからは1週間ほどでリバウンドが出て痒みでほぼ毎日2~3時間しか眠れなくなり、4か月程休職しました。具体的な症状は37.5度前後の発熱、激しい全身のむくみ、何より全身の蕁麻疹、落屑(皮剥け・本当に頭のてっぺんから足の先までです。床に小麦粉を撒いたように積もるので掃除が大変、皮が薄くなって痛む)、頭・顔からの滲出液がほぼ2カ月は絶え間なく続きました。夏で暑いのに加えお風呂を出た後はまるで地獄のように痒くて1時間以上辛い状況でした。2カ月程度で症状が和らぎ、皮膚が強くなる(完全に治ったのではなく日常生活ができる程度)までもう1か月かかりました。参考までに私の実践した治療を以下に記します。
実践した治療:抗ヘルペス薬・漢方薬の煎じ薬・塗り薬・漢方風呂・シャワの脱塩素・週三回の鍼灸・食事改善(野菜・魚中心、添加物の少ない食品を選ぶ)・ビタミンサプリ摂取・α-リノレン酸(エゴマ油)摂取・睡眠の改善(早寝早起き)・週最低三回の散歩
抗ヘルペス薬・漢方関係以外は自分で調べて主に自律神経の働きの改善・体質の改善を狙ったものです(脱塩素・ビタミン・α-リノレン酸などはネットや文献で調べるとすぐ出てきます)。お陰様で体重が8kg程痩せてスリムになり1ました。
さらっと書いていますが上記の治療を全部やるのは手間と費用と気力の点でかなり大変ですので、脱ステ・脱プロは家族の理解を得て協力してもらうことが最も肝心です(症状がひどい時はただ歩くのさえままなりません)。また会社を休まなくてはおそらく睡眠が足りなくて過労死していただろうと思います。
現在はおでこと首や関節に特に痒みが残っていますが、以前とは比べ物にならないほどましです。また、やはりプロトピック軟膏を長く塗っていた部分が特に治りにくいと感じています。ただ、全体的には皮膚のつややはりが違って皮膚組織が若返ったようです。治りにくい部分も掻いているうちにいつの間にかつるつるになっていた部分もあり、かなり驚きました。ヘルペスによる背中のチクチク・ヒリヒリした感じについてはほぼ症状がなかったのですが、夏の暑さで皮膚炎が悪化したことと、夏バテと職場のクーラーのせいで体調が悪くなりまた出てきたので最近抗ウイルス剤を処方して頂きました。IgEの数値も4千程度まで順調に下がってきています。今後はあまり構えずに気長に症状が無くなるのを待とうと思います。
最後に脱ステロイド・脱プロトピックを検討している方ですが、結論から言うと時間とお金と根気がないとできません。休職・退職などのリスクもあります。特に完治までの時間は一番気になるところでしょうが、人によって1~3年程度で治る場合もあり、10年経ってもまだ症状が残っているという方もいるようです。私自身1年2カ月でまだ7割といった感じですし、リバウンドの波は3年経っても出てくる人もいます。今どの程度症状が進んでいるかによって、リバウンドの苦しみも大きく変わりますし、ヘルペス・カポジや白内障などの危険性も高いので、個人でするのではなく松本先生のような脱ステ・脱プロに詳しい先生の下で慎重にすることをお勧めします
(補足:私の調べた範囲では脱ステロイドを実践している先生は何人かいらっしゃいますが、理論的に説明できる方は松本先生しかいらっしゃいません。特に漢方と免疫についてのホームページの最新の論文は必読です)。