「想像以上のリバウンドを乗り越えて(主婦湿疹治療手記)」
50歳2015年9月20日
50歳2015年9月20日
初診は11年前の平成16年7月でした。当時、小学校1年だった次男のアトピー治療を始める時に、私も長年患ってきた主婦湿疹を治療することにしたのです。元々、幼少の頃から肌は弱い方だったのですが、結婚して主婦になり、育児をするようになってからは、手荒れがひどくて頻繁に皮膚科に通うようになりました。ステロイド等の塗り薬はもちろん、あまりにも症状がひどい時には、飲み薬も使用していました。飲み薬を使うと、びっくりするくらいに早く手荒れが治ってしまいましたが、この飲み薬が私の漢方治療期間を長引かせる原因になったのかと思います。
◆平成16年7月(IgE78)~平成17年10月(IgE128)【治療開始~1年3カ月】
息子と一緒に煎じ薬を飲み、漢方風呂に毎日入る日々が始まりました。この時期は、顔にかゆみがあり、皮がポロポロむけた程度で、あまり気にならない状態でした。
◆平成17年12月~平成18年6月(IgE166)【1年5カ月~1年11カ月】
この頃から、辛いリバウンドが始まりました。まず、顔がかゆくなり、徐々に腫れてきました。大晦日には、当時、小学生だった息子たちも引いてしまうくらい、私の形相はすっかり変わり、まるでアンパンマンでした。年が明け、少しずつ腫れも引いてきていたので、出勤時には化粧をしていたのですが、朝に塗ったファンデーションが昼を過ぎると、ボロボロとはがれてくる状態でした。額や頬に髪が触れると痒いので、家にいるときはナイトキャップに髪を入れて過ごし、入浴剤のしぼり汁で顔をパックしたりもしました。
3月初めまでこんな状態が続き、顔が落ち着くと、今度は腕の痒みに悩まされるようになりました。昼間は仕事をしていることもあり、腕を掻くことは少なかったのですが、就寝中にかなり掻きむしっていたようです。汁がでてくるので、毎日包帯を腕に巻いてから服を着て、日除け用手袋を着用していました。息子と一緒に漢方風呂には浸かっていたのですが、少しでも腕の状態を良くしたかったので、入浴後も1.8リットルの紙パックに風呂水を入れて、左右交互に腕を浸けながら、片手で家事をしたり、新聞を読んだりしていました。いつまでこんな状態が続くのか?と不安になっていましたが、半そでを着る7月には、治まっていました。
◆平成18年7月~平成19年10月(IgE134)【2年~3年3カ月】
指、手の平、手の甲と順に痒くなり、かさぶた状態になり、治って、また痒くなってと繰り返す感じでした。他にも首がかゆくなったり、咳が続いたり、唇にできものができたり、また腕が痒くなったりと、どこかが調子の悪い状態であることが多い日々でした。常にゴム手袋やビニール手袋を着用して家事をするのですが、手を使って何かをすると、ますます手指が痛くなるので非常に辛かったです。
◆平成19年11月~平成22年3月(IgE135)【3年4カ月~5年8カ月】
この頃は、良くなったり悪くなったりと一進一退の状態でした。いい状態が長く続いたこともあったので、このまま良くなっていくのでは?と甘い期待を抱いていましたが、甘かったです・・・
◆平成22年8月(IgE136)~平成22年12月(IgE251)【6年1カ月~6年5カ月】
久しぶりに手荒れがひどくなってきて、人前では日除け用手袋を着用していないと恥ずかしいくらいでした。9月には腕まで痒くなり、赤い大きな発疹もでき、ピリピリとした痛みがありました。腕が腫れて、重く感じ、自転車に乗っていると振動が腕にひびいて痛むほどでした。頭痛や微熱もあり、松本漢方クリニックに電話して薬を送ってもらいました。腕は赤く腫れ、痒みもあり、掻きむしるせいで血や汁が出ていましたが、そのうち皮がポロポロむけてきました。ようやく治ったと思ったら、また、腕が腫れて痒くなりだし、おまけに足までも痒みが出だしました。結局、「腕の腫れ→痒み→皮がめくれる→治る」というパターンを4回繰り返しました。
でも、後になるほど、周期が早くなりだし、5回目に突入かと思った時には、腕の痒みだけで済み、ホッとしました。足の方は、足首から膝下までブツブツができて、バリバリと掻いてしまい、掻いたせいか赤く腫れあがりました。汁もたくさん出てきて、足が重く感じ、長く腫れた状態が続きました。それでも、腕と同じように足も皮がボロボロとむけて、赤味が引いて治りました。その後も、足の痒みはあったのですが、なんとか腫れずに済みました。また、この時期にめばちこ(ものもらい)もできてしまい、松本漢方クリニックに電話して、抗生物質と目薬を送ってもらいました。手の甲や指も腫れあがり、本当にひどい状態でしたが、顔が腫れなかったのは救いでした。
◆平成23年1月~平成25年3月(IgE113)【6年6カ月~8年8カ月】
平成23年1月は、まだ腕の痒みがあったのですが、徐々に良くなっていきました。その後は、就寝前に手に薬を少し塗るくらいで、指紋もキレイに見えるようになりました。平成24年秋頃は、また両足が痒くなってきたのですが、2年前にバリバリ掻いてひどい状態になってしまったので、今回は少々の痒みはかかずにやり過ごすようにしました。そうすると、1週間ほどで落ち着いた状態になりました。手の方は、指の付け根がカサカサしたり、関節のところがパックリと切れてしまったりしたのですが、以前より治りが早くなったような気がしました。
◆平成25年8月(IgE133)~平成27年1月(IgE82)【9年1カ月~10年6カ月】
平成25年秋には、また両足が痒くなってきましたが、あまり強い痒みではなかったので、掻かずに過ごせました。この頃からは、ちょっと手の調子が悪いなと感じても、短期間で治ると実感できるようになりました。最初にも書きましたが、次男のアトピー治療を始める際に、私や長男(アレルギー性鼻炎)も治療をすることにしたのですが、私たちも一緒に治療をすることによって、次男も嫌がらずに治療が続けていけるかな?と思ってのことでした。次男のアトピーの具合に比べると、私の主婦湿疹はたいしたことないように思えていたので、当初は、まさかここまで酷いリバウンドが出るとは想像腫れて皮がむけている左腕赤く腫れている両足もしていませんでした。
この治療を終えた方は、皆さん感じていると思うのですが、身体的に辛かったのと同じくらい精神的にも辛かったと思います。この治療のことを知らない人に「どうしたの、その手?」と聞かれるのが嫌で、手袋をした手を隠すようにしたり、治療を知っている親兄弟からは経過の悪さを非難されたりもしました。一方で、私が具合の悪さを愚痴っても受け止めてくれた友人達には、とても感謝しています。そして、最悪の状態の時には、電話からの松本先生の声が、現状を受け入れて、辛さに立ち向かう気持ちを奮い立たせてくれました。早いもので、こちらで治療を始めて11年がたちました。おかげさまで、主婦湿疹は落ち着いた状態になりましたが、次男の治療は続いていますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。