「アトピー治療手記」
30歳2016年1月19日
30歳2016年1月19日
私は乳幼児の頃アトピーを発症し、近所の小児科で頂いた塗り薬(おそらくステロイド)をずっと使用していました。8歳の頃、母親がステロイドの危険性を知り、脱ステロイドのために1学期間休学し、自宅で温泉療法を行いました。リバウンドは激しいもので体中が真っ赤に腫れ、浸出液が大量に出ました。痒みと痛みで苦しくて、泣いていたのを覚えています。3ヵ月くらいで落ち着き普段の生活に戻ることができたのですが、またしばらくすると症状が出てきました。ステロイドを使用しない治療をいくつか試してみましたが効果がなく、最終的に土佐清水病院にかかりステロイドを処方されました。
19歳の頃、ヘアマニキュアが原因で円形脱毛症を発症しました。症状はどんどん重くなり、全身にまで及びました。このことで治療法を探している時に、偶然松本漢方クリニックのホームページにたどり着きました。私はステロイドの使用に疑問を抱いていておりましたが、他の代替策もなくどうすればよいかずっと不安でした。ホームページに書かれていたアトピーをはじめとする免疫疾患についての解説は私が初めて納得できるものでした。さらに他の患者さんの手記を読むことでこの治療法への信頼の度合いが増しました。自宅は埼玉でしたがホームページを見た次の日に松本漢方クリニックを受診しました。
2011年2月末~2011年6月末(3度の大きいリバウンド)
漢方を服用してから1週間程で、首と肘裏を中心に炎症が出てきました。症状は徐々に重くなり、範囲も全身に広がっていきました。4月に入ると、夜、寝苦しくなる日が続き、外出も困難になってしまったので、一旦仕事を辞め治療に専念することにしました。
すると無意識に抑えていたものが一気に出たのか、炎症はさらにひどくなり、強烈な痒みと掻いてできた傷の痛みに悩まされました。リンパ液でベトベトの体は常に不快で、心が休まるのは漢方のお風呂に入っている時ぐらいでした。本来何時間もお風呂に入るのはつらいように思われますが、他の患者さん方もおっしゃっているように、炎症がひどいと逆に湯に浸かっている方が楽で、むしろ出たくなくなるのです。私は毎日4,5時間漢方湯に浸かるようしていました。
5月に入って2度目の大きなリバウンドが来ました。この時は膝裏>首>肘裏>胸~肩>顔の順に症状が重かったように思います。5月半ばを過ぎて徐々に良くなり、6月初めは比較的落ち着いていたのですが、半ば頃に今までで一番重い3度目のリバウンドを経験しました。炎症がひどい所はやはり顔や首、肘裏膝裏など皮膚の薄い部分、というかステロイドをよく使用していた部分でしょうか(私は顔にはあまり使用していませんでした)。大きいリバウンドは大体3週間くらい続き、徐々に治まっていくといったサイクルでした。
2011年7月~2012年9月上旬
3度のリバウンドの後は少しずつ症状が軽くなっていき、7月下旬頃には外出できるようにもなっていました。顔や肘裏の症状は治まっていったのですが、代わりに今まではあまり酷くなかった手の甲や足首に出始めました。
その後も炎症部位は移動しながら、軽くなったり重くなったりを繰り返す状態が続きました。特に冬になると乾燥からか症状が重くなる傾向にありました。掻いていない部分でも皮膚がやぶれ血が滲んだりするので、松本先生から頂いた黄色と赤の塗り薬をしっかりつけていました。
また、私はスギ・ヒノキの花粉症もありましたが、やはり春になると症状が重くなりました。ただ鼻水や目の痒み等は松本先生から頂いた漢方で大分抑えることができました。
2012年9月中旬~2015年4月(4度目のリバウンド)
4度目の大きなリバウンドは1年以上経ってから突然起こりました。今までほとんど炎症がなかった大腿部の裏から臀部にかけてジュクジュクとした炎症が起こり、とても座っていられない程つらい状態でした。特に夜は痒みが強くなって眠れないので、布団に顔をうずめて大声を出すなど、精神的にもかなり参っていました。ひと月程でピークは過ぎましたが、その後も大腿部の炎症は2年以上続きました。全体の症状は相変わらず重くなったり軽くなったりを繰り返す感じでした。
治療中は治療前に比べかなり寒さを感じ、夏でも結構厚着していましたが、体温は常に37度近くありました。皮膚が壊れているので体温調節が出来なくなっているのと、熱は皮膚の炎症によるものだそうです。
松本先生に勧められ、自宅でずっとお灸をしていましたが、2014年夏頃から東京の鍼・磁気治療院に通いはじめました。その他には特別何もしませんでしたが、食品添加物はなるべく避け、野菜中心の食生活を心掛けていました。
2015年4月~2015年12月
あまり変化のない状態が数年続きましたが、松本漢方クリニックに通い始めて5年目、大分症状が落ち着いてきたと実感できました。特に夏と秋は調子が良く、再就職もできました。乾燥の季節になるとやはり少し悪くなりますが、それでも去年の同じ頃と比べるとずっと良いように感じます。2016年1月現在は首、大腿部の裏の痒み、時々体幹部や膝裏肘裏に炎症が出ていますが、日常生活に支障はない程度です。ヘルペスの症状は、治療の最後の方までしつこく出ると聞いておりましたが、現在は時々指や手のひらに出たり、肩こり、軽いめまいなどがあるだけで、抗ヘルペス剤は服用しておりません。
5年間の私の治療過程の中では、首の炎症が一番酷かったです。皮膚が引きつって痛むのですが、動かさないと血行が悪くなって余計症状が悪化するので、なるべく首の体操をしたり、蒸しタオルで温めたりしていました。
私は過去にリバウンドを経験していたので多少覚悟していましたが、それでもつらく苦しいものでした。症状が重い時や治療期間が長くなると心に余裕がなくなってしまうものですが、ホ-ムページに書かれている自分と近い症状の患者さん方の手記を読むことで勇気づけられると思います。
アトピーとは何か、そして、そもそも病気とは何かを松本先生から教えていただき、長年の疑問も解消しました。一般的な医療機関だとアトピーは皮膚科、リウマチは整形外科と分けられるのに、本当は同じものだったなんて!と驚きました。
思い出したのですが、松本漢方クリニックに掛かる前の1年間くらいはアトピーの症状が全く出ておらず、もしかしたら膠原病になりかかっていたのかもしれません。松本理論に出会わず、あのままもっと強いステロイドを使用するようになっていたらと思うととても恐ろしいです。
松本漢方クリニックを見つけるきっかけとなった脱毛症は、どうにか産毛が生え、睫毛や眉毛も徐々に回復しているように見えます。これもステロイドの影響が強いらしく、完治までにはなかなか時間がかかりそうです。
先生からは電話でよく「ストレスをかけないように」と言われます。外部からのステロイドを拒んでも自分で作っていたら意味ないですから。「病は気から」って本当なんですね。怒りや妬みや不安といった感情を抱いたところで現状が変わるわけでもなく、それどころか身体に悪影響を及ぼします。ストレスがかかっても、一旦冷静になってそれを流せるように心掛けたいです。また、人によって治療にかかる時間や症状の重さは様々なので、あまり焦らず、病気自体にとらわれないようにしていきたいと思います。
松本漢方クリニックで治療を開始してから約5年、家族の助けもあってどうにか日常生活を送れるところまで回復することができました。これからも完治に向けて根気よく治療を続けていこうと思います。松本先生に、松本理論に出会えたことに大変感謝しております。本当にありがとうございました。