「松本漢方クリニックで脱ステロイドを乗り越えて」
36歳2012年1月15日
36歳2012年1月15日
私は幼少の頃から肌が弱く小児アトピーと診断され、その頃からステロイドとの付き合いが始まりました。肌が弱い、天然素材の肌着を身に着けていないと痒くなる、それぐらいの症状だったため中学生ぐらいには、膝や肘の裏の湿疹はなくなっていました。小児アトピーは克服していたのかもしれません。しかし身体の擦れる部分はすぐに水泡が出来たり、昔から料理をすることが好きで水を触ることが多かった為、主婦湿疹のような手の荒れに悩まされて来ました。その都度、町の皮膚科にかかり「一度完全に治るまではステロイドを塗り続けなさい、しっかり治るまで塗り続けたら止めなさい。」と処方されるままにステロイド薬やステロイドにザーネやワセリンを混ぜて薄めたクリームを身体の保湿クリームとして塗っていました。痒みが酷い夜はステロイドが入った飲み薬も処方されていたと思います。
「ステロイドはよくない。」とは知りながら、「あなたの場合は酷い症状ではない、飲み薬を処方せず、軟膏なら100分の1位のステロイドの強さだから常用してもさほど問題ないでしょう。ステロイドは決して悪い薬ではない。」という大学病院で部長をされていたという町の皮膚科医の言葉を信じてしまいました。いつか時間ができたらステロイドを断ち切れたらいいなぁぐらいに思っていました。
それまでも何度かステロイドをやめようと試みましたが、やはり本人の意思の強さが大切です。人づてに聞いた皮膚科医は遠くて、通うのが面倒になったり煎じることが面倒になったり、リバウンドの不安もありました。それは年齢や本人の意思もありますが、私の中で「この先生なら!」という納得ができなかったからというのが最大のポイントだったと思います。
なぜ漢方を使うのかという理由もやっと解りました。昨年初頭、同じように肌の弱い妹が常用していたステロイドやプロトピックを止めて漢方で皮膚を治していこうと漢方の医院に通いだしました私も影響されて「やっぱり私もステ2ロイドを断ち切りたい、今、始めたい。」という思いが強くなり私なりに私に合う皮膚科医を探し始めました。
もちろん医学的なことはよく解らないもののインターネットで見つけた松本漢方クリニックのホームページを読んで、ここかもしれない、という思いになり高槻まで行ってみることにしました。とにかく宗教的だったり、精神的ストレスのせいだからと片付けられてしまう先生は敬遠していました。
ステロイド常用で皮膚が薄くなっていっている、これは身体全体に保湿クリムのようにステロイド入りのクリームを塗り続けているからかな。それで乾皮性皮膚炎と診断されるのかな。蚊に刺されたり傷口が治りにくいのもそれが原因なのかな。昔から肌が弱いからしょうがないと思っていた症状も、松本先生に出会ったおかげで、これも治るかもしれない、治したい、そしてステロイドは少しでもまた塗ってしまうと全く意味がなくなってしまうという一番大切なことも知ることができました。
たまに語気が荒くなったりもされる先生ですが、「必ず治してあげるよ。」という松本先生の言葉を信じたいと、患者に思わされてしまう、治療に対して一生懸命向き合っておられる先生だなと感じております。その信じる気持ちは、仕事でケロイドのようになって恥ずかしい思いをしながら職場には手袋着用でOKをもらっていたことも幸いして乗り越えることができましたし、煎じることが毎日日課になることでどこか必ず治っていくような日々の時間の営みでした。
とにかく最初の3ヵ月を乗り越えるのが辛かったです。ステロイドを止めて1ヵ月後位から体液がじゅるじゅると出るようになり、これが身体のどこまで広がっていくのという不安に駆られました。暑い時期と重なってとても痒く不快で、じゅるじゅるが首や腕の肘近く、足首、手の甲、足の甲まで広がり、ぱんぱんに腫れあがりました。本当に痒くて寝ているときは、いつも掻きむしっていたようです。でもその時も、松本先生は「掻いても大丈夫、掻いて汁が出るということは毒が身体から出て行っている。」とおっしゃいました。決して掻いてはいけないという巷の皮膚科医と全く違った言葉でしたが、私には心強く、納得のいく言葉でした。始めて1ヵ月位して体液がひどくなったのでたまに薬草湯に患部をつけるようになり、2~4ヵ月位までは範囲も広がっていったので、毎日のように薬草風呂にも入りました。
確かにいつまで続くのか、どこまで酷く広範囲に広がるのか不安でしたが、痒みや体液が抑えられるのも感じていましたので、仕事をしながら乗り越えることができました。その後はだんだん皮膚の状態が良くなっていくのを日に日に感じ、その喜びに支えられて今まできました。だんだん両手のひらを擦り合わせるとつるつるとした感触になるのが感じられてくるのです。皮膚が再生している、強くなっているという感触です。もちろん乾燥してひび割れることはあるのですが、そのひび割れも頂いた漢方の2種類の薬をすりこむことで、みるみる閉じて回復していくのです。今まで30年余り、ステロイドに多かれ少なかれ浸っていた私の皮膚にはあり得なかった回復力、自分自身が持つ再生力を感じることができました。今思えば、その力をどんどん弱くしていたのはステロイドだったとはっきりわかります。
後、松本先生の煎じ薬、塗り薬のシンプルな処方、あまり難しく考えなくていいという松本先生の言葉も今まで続けてこられた理由の1つだと思います。松本先生、ありがとうございました。皮膚だけでなく精神共に一皮剥けた、そんな気がしています。乗り越えられるということは自分自身の今後の財産になると思います。おおげさに言えば、人生観も変わる予感です。