「幼児のアトピー治療」
(お母様記述)3歳2016年6月13日
(お母様記述)3歳2016年6月13日
松本漢方クリニックで最初にもらう注意書きに、「小さな子の治療は、親の方が大変」と書かれていましたが、まさにそうでした。母である私自身が赤ん坊の頃からアトピーで、20代でステロイドをやめて大変な思いをした経験があるので、最初に息子にアトピーの症状が出た時も、薬を使う気は毛頭ありませんでした。1歳頃に顔や腕、お尻など血が出るくらい引っ掻いて、夜も痒みで泣き叫ぶ日々がありましたが、この時は、辛抱強く症状が退くのを待ち、比較的短期間で綺麗になりました。
しかし、2歳2ヶ月頃に始まった症状は、そんな私を弱気にさせるほど、凄まじいものでした。3月頃に、背中にできた赤い斑点から黄色い汁が出始めて、あっという間にお腹、顔と全身に広がり、見た目はともかく、かわいそうなのは、痒みでお昼寝の前後や夜中に狂ったように泣き叫び、掻いて血だらけになってしまうことでした。あまりに泣き声が激しく、掻いてあげたり、あやしたりしても全く泣き止まないので、夜中に夫に抱っこで外に連れ出してもらい冷たい風に当たって、落ち着いたら帰ってきてもらうようにしていました。でも、その2時間後には、また泣き叫び始めるのです。夫は翌日仕事があるので、私が夜通し掻いたり、さすったりしながら朝を迎える日々が続きました。毎日、寝不足でフラフラしながら、それでも前回同様なんとかなるだろう、と気丈に構えていたのですが、どんどん酷くなる症状、泣きながら苦しんでる息子の姿、血だらけの下着やパジャマの洗濯。頼れる親類も近くにおらず、24時間一緒の私がいつ倒れてもおかしくない状態でした。夫もこの頃には、しびれを切らして、薬を使おうと言い出し始めたので、耐えきれずに愛知の実家に助けを求めました。
顔も首も真っ赤で、体は赤黒く地図を描いたようなひどい孫の姿に父母はびっくりしていましたが、薬を使いたくない方針を尊重してくれました。実家では、父母が息子の相手を少しでもしてくれている間に、私が仮眠をとることがきたので、体が楽になりまた思考が正常に働くようになりました。ただ、日中は息子は元気なので公園に連れて行くと「わーおばけ!」「顔が真っ赤で怖い!」など、子供たちの素直な反応には私が落ち込み、「いつまでこの症状が続くのだろう・・・。」と、とても辛かったのを覚えています。のんびりした環境で1ヶ月くらいすると、傷が乾いてきて、ウロコのようにはがれ始めていましたが、まだちょっとしたことで、体中から血が噴き出して激しく痒がることに変わりはなかったです。私は、その頃ネットで薬を使わない医者を探し始めていました。その時に、見つけたのが大阪の松本漢方クリニックです。先生の理論と患者さんの手記を読んで、その治療法に深く納得できました。その後、一旦東京に戻ると、顕著に症状が悪化してしまい、心身ともに限界にきていた私は、すぐに松本医院に行くことを決めました。夫に休みを取ってもらい、赤黒い顔をして手足に包帯を巻いた息子を抱えて品川駅から始発に乗ったのは2015年5月の第1週目でした。
松本漢方クリニックの漢方の匂いのする待合室では、膨大な量の手書きの手記が並んでいます。それらを読みながら、今までの緊張感から解放されるようなホッとした気分になったことを覚えています。松本先生は、はっきりモノをおっしゃる方で、私たちがホームページの内容をしっかり読んで理解して来ているかを確認され、息子のお腹を見て「ああ、ひどい!」とおっしゃりました。「ステロイドを使わずに、この症状ならこの子は、アレルギーが強いんやな。」と言われました。診察中もひっきりなしに、電話がかかってきて対応されますが、その活力とはっきりした物言いにパワーを感じました。その後、看護士さんから漢方薬とお風呂の作り方の説明があり、ああこれで治っていくんだ、と不安はなくなり、どんなに大変でもやりきろうと決意しました。
それからは、また私と息子だけが実家に戻り、母に手伝ってもらいながら、毎日必死に薬湯を準備して、抗生物質、軟膏を塗り、漢方を用意する日々が始まりました。漢方は苦いので飲みたがらず、りんごジュースや甘酒に混ぜたりして飲ませました。お風呂は、初めは紫色の湯船を怖がり、汁でくっついた綿を中で取るのですが、非常に痛がり10分も我慢して入っていられませんでした。少しでも長く入っていられるようにおもちゃを持ち込んで、本当に必死でした。お風呂から上がると、すぐに母が軟膏を塗り包帯をして着替えさせてくれるのですが、その間も泣いて逃げ回るので一苦労です。夜になると、相変わらず2時間ごとに大きな声で泣き叫ぶので、さすったり、掻いたり、もうダメだ・・・と倒れそうな時は、母に交代してもらい、私が横になるということを繰り返していました。私も母も疲労が募っていき、イライラしていました。2週間毎に頼む薬の費用は相当なものでしたが、遠方から電話で先生に相談でき、注文もできるのは有難かったです。
とにかく息子は日中は元気一杯で、外に出て遊びたがるので、私たちの体力がついていかず、大変でした。しかし、そうこうして1ヶ月も経つと、なんとなく顔の症状が良くなり始めました。そうなると、もう嬉しくて、嬉しくて、心の中がパアーッと晴れていく感じでした。その後は、少しずつ薄紙を剝がすように良くなっていき、私一人でもなんとか対応できるようになった7月には、東京に戻ることができました。
あれから1年以上経ちます。息子も小さいながら、よく頑張りました。回数はずいぶん減りましたが、お風呂も赤い軟膏も時折、続けています。ほとんど見た目にアトピーと分からないまでに回復し、普通に夜眠れて、楽しくお友達と遊ぶ姿を見ると、あの時、即決して松本漢方クリニックに行って本当に良かったと思います。また、家族の助けなしに、これだけのことはできませんでした。ただただ、先生はじめ、家族に感謝の日々です。
ただ、一緒にお風呂に入ったり、漢方も飲んでいた私にもだんだん症状が現れ始めているので、近く、私がまた松本漢方クリニックにお世話になりそうです。