さんふらわあ 号の弾丸で別府に行く。
足掛け3日、行きも帰りも船中泊となるためホテル代が掛からないので気軽。
気が向いたらさんふらわあ のウェブサイトで空席情報を確認して予約するだけ。こんなご時世のためかキャンセルも2日前まで無料で親切。
現在(2023年1月)は旅行支援があるが、利用する場合は、1番安いツーリスト(大部屋)には使えないので注意が必要。
その期間の割引率に応じて、クーポンによるキャッシュバックも込みで計算するのかどうかによっても総額が変わるので、一概に旅行支援を使う方が安いとも言い切れないので、前もって試算してみるといい。
私たちは、今回旅行支援を使って、ツーリストベッド(2段ベッドがずらっと並ぶ部屋)にした。
男性はいびき率が高いので、女性の旅行者なら空いていれば大部屋、ツーリストベッドともレディースルームがおすすめ。
旅行支援の場合...
往路(大阪→別府)で、別府滞在中と復路の船内で使えるクーポン、
復路(別府→大阪)で、大阪帰阪後および復路の船内(売店のみ)で使えるクーポンが、それぞれチケットと同時に発券される。
さんふらわあ 乗り場は、大阪メトロ「トレードセンター前」駅である。
「フェリーターミナル」駅もあるのでややこしいが間違えないように注意。
「トレードセンター前」駅は降りてすぐには、ここからさんふらわあ が出てる感のないホームなのだが、改札を出るところには小さく表示がある。
あと一駅というころでコスモスクエア駅で一旦ニュートラムに乗り換える。
ATCのある駅として多少馴染みがあるかもしれない。さんふらわあ のカウンターまでは徒歩5分程度。すぐ隣にDAISOがあるのでとても便利。
ツーリストベッド:布団とシーツ、枕がある。冬は暑すぎるくらい。
Wi-Fiがあるが、弱い。iPhoneとは相性があまり良くないようだ。船室では全く使えない。ロビーならみんなが寝静まる深夜にサクッと使えるようになったこともあった。
お風呂にはドライヤー、リンスインシャンプー、ボディーソープあり。鍵付きロッカーもある。貴重品はフロントで預かってくれる。
1月に新造船されたら色々きれいになるんだろう。私たちは25周年のラストイヤーの船だった。それでも悪くない。ベッドサイドにもライトとコンセントがあるのが嬉しい。マイスリッパがあると移動に便利。
(ベッドの指定は不可)
レストランはビュッフェスタイル。入船直後は並んでいたりもするが、しばらくしてからでも十分入れるのでお風呂に入ってからでもいいかも。
売店のほか、ビール、カップヌードルの自販機、製氷機、給湯器あり。
出港時のドラがちょっとみもの。こんなに鳴らしてどうするのか、ってくらい鳴らす。
別府タワーは現在改修中で入れない。通天閣と同じく内藤多仲のタワー6兄弟の一つ。
往路
(日〜木曜)19:05 大阪発 → 翌朝 06:55 別府着
(金曜日・土曜日)19:55 大阪発 → 翌朝 07:45 別府着
復路
(日〜木曜)18:45 別府発→翌朝 06:35 大阪着
(金曜日・土曜日)19:35 別府発→翌朝 07:35 大阪着
5:30くらいからじんわりとアナウンスで起こされる。実際は着岸してからしばらく降りられないので慌てる必要はない。ロビーは混み合うので、部屋でゆっくりしているか、展望ロビーの席でまったりするのもよし。朝食としてレストランも開いているほか、コーヒーや、うどんとおにぎりセット500円というのもあるらしい。うちはドリップコーヒーとカップスープとパンを持っていくことが多い。給湯スペースで紙コップも用意されているほか、マイボトルがあるとドリップしやすい。
サッカー場と雪山
別府国際港に到着した後は、バスで駅方面に向かう人が多い。電動アシスト式シェアサイクルも設置されている。バスは2社あって、まあまああるが事前に調べておくのも良い。また、旅行支援はないが、初めての別府なら、亀の井バス乗り放題がついたプランもあり、明礬温泉や鉄輪温泉エリアにも行けるのでおすすめ。その他にもセットプランは各種ある。ツーリスト(大部屋)で旅行支援がなくていいならこれらのプランの方が割安になったりすることが多いので要チェック。
超ローカルな住宅街を歩いて、向かったのは別府市営市民球場。日本屈指の投手だった稲尾和久さんを記念して建てられた球場。甲子園をモデルにしたとか。完全な夫の趣味。こうやって各地の球場を見たいらしく、今回もまたか、という感じで渋々付き合ったものの、海が見下ろせる高台にありとても気持ちいのよい散歩となった。(港から徒歩約30分、線路を渡れる場所が限られているので注意)
球場から、グローバルタワーへ向かう。途中の立派なサッカー場では、すでに試合前の練習に来ている高校生が、おはようございます、と挨拶してくれる。めちゃくちゃ爽やかである。感動してこちらもちょっと大きな声で挨拶を返す。タワーに向かう途中に大きな緑地帯がある。別府公園。松の大木が多くてどっしりとして落ち着いた公園。別府のセントラルパークと言ってもいいくらい。謎の木の実を拾う。リースにつけよう(来年)。
暮しの手帖 第5世紀15号に「別府」への旅が載っていて、今回は参考にさせてもらった。その一つがこのグローバルタワー。別府を一望できる100mの展望台は私のリクエスト。高所恐怖症気味の夫も珍しくあまり怖がっていない。こちらも磯崎新さんの設計だ。今から行く別府タワーの方や行かないけど気になるレトロな遊園地、ラクテンチ、湯煙のあがる温泉地がいくつか見えた。
京大の地熱研究施設も真下にあり、レンガ建でかっこいい(普段は見学不可)。
港から色々歩いて、ついに別府駅に到着。大分駅へ移動すべく、電車に乗る。
当初の予定ではまず、一風呂と考えていたが、時間的に、大分に向かうことになった。別府→大分間の電車はいつも混んでいるので、時間より早めに乗り場に行った方がいい。とギリギリに乗り込んだ時に思い出した。
次の「東別府」駅前にも東町温泉といういい感じの温泉が見えて気になるところ。
大分駅から徒歩15分ほど。
磯崎新さんの建築物を実際に入館無料で楽しめる、アートプラザも暮しの手帖で知った。当時からの不思議な色合いの階段室や、図書館であった名残のある展示室など、写真の掲載は不可だが、大分市まで足を伸ばす価値がある建物だと思う。
2階には世界の各地に作られたり作られなかったり取り壊されたりした氏の建築物の模型がいくつも並び、圧巻だった。今まで行ったことのある街にも作品があることも多かった。
1階に展示されているアート作品も興味深かった。一階の素敵なレストランでは、氏がデザインしたモンローチェアに座ることができる(私たちは外から見ただけ)。
ちなみに、私たちが訪れた翌日に磯崎新さんは、お亡くなりになりました。学芸員さんが、ダンディーな方で、とお話しされていたのが印象的でした。
往路の発券時に、別府で使えるクーポン(こちらは1000円の金券が6枚、紙のみ。)をもらっていたので、使えるお店を探してランチ。
これは、往路の船の中でやっておきたいことの一つ。街を歩きながら探すのは至難の技。
ただ、ホテルは使えることが多い。アートホテルは近年わりとお世話になっている。そんなに高くないけど、お洒落で食事も美味しい。こちらのレストランも広々とした創作中華のレストランで、コース形式で持ってきてくれて、束の間のゆったりした時間。インスタフォローで10%offになる。とのことで、小籠包も追加した。
猿が好きだ。夫より好きだ(夫よりも熱量が高いという意味)。却下されそうになったが、猿ってやっぱりかわいい。見てると幸せ。大分市駅からバスで25分ほど。高崎山下車すぐ。行ってみると冬場は山に餌がないので、降りてきてくれることが多いそうで、時期的にもバッチリ。また恋の季節でもあり、激しい求愛の噛みつきなども見られて騒然となり濃厚な時間だった。今はB群がいて、世界最大級の群だそうで中々な数の老若男女。イケメン投票などもあったのでもちろん投票しておいた。
バスで別府駅へ戻り、春日温泉へ。今回は今年最後の温泉に浸かりに別府へ来たつもりだったが、他にも行きたいところが増えて、温泉が後回しになってしまった。しかし、良さそうな共同浴場を調べてきたので、そこに行く。別府の中には大きく分けて8つの温泉地があり、その中にも非常にたくさんの温泉がひしめいている。左図は防災のためのマップだが、○○温泉の表示が多い。きっと一つ一つがいいお湯なんだと思うと、まだまだ別府には通えそう。
いい時に来たね、誰もいないよ。お婆さんが、ガウンを羽織りながら言う。何歳に見える?と聞かれ、70くらい?と言うと、バカな、とでも言うように「95ですよ」とのこと。現役の踊りのお師匠さんだとか。耳が遠い以外は元気、というだけあって、浴場に響き渡る大声で問いかけてもあまり聞こえていないようだったが、一通り自己紹介をしてくれた。お肌つるつる、姿勢シャーンで、同じお湯に入れるのが嬉しくなった。竹瓦温泉と同じ地区にあり、お湯は無色透明で硫黄臭もなく、天井が高く清潔感のある温泉だった。200円。
(これらの共同浴場は、お釣りはないので小銭の用意が必要。)
バスで別府国際観光港に戻る。港行きでなくても、一つ前の「第三埠頭入口」でも同じ。18:45発なので60分前にはカウンターでチケットを発券する。その時に帰りの分の大阪いらっしゃいクーポンを受け取る。別府の残りクーポンを、フェリーのビュッフェで使う。なんかリッチな気分。行きと違って帰りはとにかく空いていて、ツーリストベッドの部屋は、私たち二人の貸し切りだった。嘘みたいにガランとしている。
往路は悩まされた(耳栓は必須です)いびきも気にせずゆっくり眠れて疲れもとれた。
朝の南港はとても寒い。「大阪のほうが寒いくらいや」と呟いたら夫に「そらそうやろ」とつっこまれてしまった。確かに。