かっこいい?

市がおこなっている優れたサービスのひとつに、家具のリユースがある。

捨てるにはもったいないよい家具をひきとってくれて、毎年3月に、希望者に無料配布するというもの。廃校になった小学校にためておき、それを展示して投票後、かぶらなければそのままもらえるし、かぶった場合は抽選となる。ひとり2品まで応募できるから、確実に欲しければ人が欲しがらないようなものに、票を投じればいいのだ。

わたしもこれまでに、人とは違う感性を生かして一発当選を果たしてきた。

そして、今回は、もらってもらう側にまわる。

夫の実家からわざわざ高い送料で送ってもらったガラストップのローチェスト。とてもシックでどっしりしていて、捨てると聞いてびっくりし、思わずもらいたいと言ってしまったものの、重たすぎて二人がかりでないと持ち運べず、天板がガラスというのは意外と使うのが難しいのだ。これを読んでいるであろう、お義父さんごめんなさい。

しかし、ごみに出すとそれなりにお金も取られるし、なによりももったいなすぎる。さっそく市に電話して取りに来てもらう。

傷やデザイン、大きさによっては、引き取り不可となることもあるので、とくぎを刺されたが、これは文句なしにもらってもらえると思う。

ガラストップのため、持ち運びが大変というのが少し不安要素ではあったが、見るなりオッケーとのことで引き取ってくれた。

ついでに、同じく夫の実家から来たアンティークの鏡台についても引き取り可能かどうかみてもらう。一応引っ越し先に持っていくつもりだけど少し迷っていた。

「かっこいいじゃないすか。めっちゃかっこいい。」

立て続けに作業服の職員さんはそう言ってくれた。普通のドレッサーは魂がどうこうとか年配の方はおっしゃって引き取り手がすくないのだそうだが、これなら「欲しいっすよ」とは言わなかったが、そんな顔をしていた。

かっこいい、そういわれたらそうなんだよな。あげないよ、これは持っていくよ。

すっかりいい気分になり、帰ってもらった。今までガラストップテーブルの上に載っていた各種電化製品、すなわちホームベーカリー、精米機、フードプロセッサー、ミキサー、シャトルシェフたちが床の上で居心地悪そうである。新居ではいったいこの子たちはどこにおさまるのだろうか、謎は深まるばかりなり。

鍵受け渡し日まであと、9日