有機農業とは?(その2)

で、有機農業とは?

(F)でやん、有機農業や。

(T)そやな。とりあえずWikipediaの「有機農業」という項目をプリントしてきた。

(F)どれどれ「有機農業とは、輪作、緑肥、堆肥、微生物疾病制御といった手法を利用して、土壌生産効率を維持し、病気を回避する、農業の方法である……

…と、ここからはWikipediaを音読。文章が長く、理解しながら全部読むのに50分くらいかかりました。

だいたいまとめると、こんな感じ。

まとめ

・20世紀の農業は、生産量の拡大のため、化学肥料や化学合成農薬の使用、作業の機械化を進めてきた。

・しかし化学肥料ばかりを使い続けると、土壌の生態系に悪影響があることがわかってきた。土中の有機物が不足して微生物が減る。無機質を好む嫌気性細菌が繁殖して、植物が病気になりやすくなる。それを防ぐために農薬が必要になるという悪循環。

・そこで提唱されたのが有機農業。肥料として天然の有機物や天然由来の無機物を使うことで、生産量だけでなく土壌を含む生態系全体を健全に保つことを重視している。

・日本の有機JAS規格で認証されるのは、化学合成農薬、化学肥料、遺伝子組み換えを避けて作られた食品。でも使っていい農薬や無機肥料のリストを見ると、けっこうたくさん認められているように見える。使う堆肥については遺伝子組み換え由来のものも許可されている。

議論が分かれるのは、こういう点です。

(1) 有機農業は環境にいいの?

有機農業は土壌の生態系を健康に保つという意味では、環境に配慮した農法だと言える。一方で有機農業で同じ生産量を確保しようとすると、慣行農業より農地を広げないといけないので、それって環境を壊してるんじゃないかという意見もある。

(くらりょこ的には)

環境に良いか悪いを断定するのは難しい。くらりょこ的には「できるだけ身の回りのものを利用する」ということに価値を置いてます。遠くのものを無理矢理もって来ようとすることと、環境問題は深く関係してるんじゃないでしょうか?

(2) 安全なの?

残留農薬や化学肥料の影響を心配する必要はない一方で、熟成が不十分な有機肥料(堆肥)を使うと、寄生虫や病原菌汚染の原因になることがある。また有機栽培で病害虫防除が不十分な場合、植物自体が病害虫に抵抗するために作る天然の物質のほうが、残留農薬より毒性が強いという研究もある。

(くらりょこ的には)

最終的には価値観の問題だと思います。究極的に言うと、自然に殺されることと、人間に殺さることのどっちが納得できますか?ということになるんじゃないでしょうか。 前者の人は自然農法に共感すると思うし、後者、例えば人類の発展の過程で命を落とすことの方が納得できるという人は、テクノロジーで完全にコントロールするような農法に理解があるかもしれません。この中間でバランスをとっていくのが大切なんだろうと思います。

(3) 栄養はあるの?

有機食品の方が栄養があるという研究結果と、変わらないという研究結果の両方が出ている。違いはあるけど大差ないという結果もある。

(くらりょこ的には)

使う肥料の量や育て方、環境によっても違ってくると思います。少なくとも自分たちの畑で育てた野菜は新鮮だしおいしく感じます。

自分たちが菜園をするのに大切にしていることをまとめてみると、

・できるだけ身の回りのものを利用したい(経済的にも手間的にも環境的にも)。

・安全でおいしい野菜をそこそこの量、手に入れたい。

・楽しい畑仕事をしたい。

・虫や微生物の働き、食べ残しや雑草のエネルギーも利用したい。

という感じになりそうです。

工場でしか作れない化学肥料を買ってこずに、身近なものを材料にして肥料を作る。

これってつまり、経済的に独立することにも深く関わっていると思います。

菜園をやっていると、エネルギー、経済、社会、国…などにまで興味が広がる気がします。その話もまたいつか。

(おわり)