2012年ベスト本を語る
2012年に読んで面白かった本について語ります。
番外編
T)以上が、2人に共通したノミネート作品やったけど、まあ順位はつけんでいいか。
F)そうやなあ。順位って言うものでもないな。甲乙つけがたい5作やな。
高丘親王がそこに入ってくるっていうのはちょっとあれやけど(笑) まあくらりょこ的やったからな。
T)あれがないと、実用的すぎるっていうかさ。ちょっとファンタジーがないと。
F)うん。
T)くらりょこにはそういうのも入れてあるということで。
F)小説的なものをあんまり読まへんからな。
T)でもあれ読んだやん。「変愛小説集」。
F)去年読んだんは「変愛小説集2
」)もよかったけどな~。「2」はどんな話があったっけ?
T)チアガールのやつや。
F)あー!あれよかったな。
T)ふふふ。
F)ワンツー、レッツゴーみたいな。チアガールに憧れてたんやろ? おばあちゃんたちやったっけ?
T)西部になぜかチアリーダーに憧れを持つ人が住み着いているさびれた村があって、主人公の女の人が幻のチアガールを探しにこの村を訪れて‥‥
F)で、バーみたいなところに入っていくねんな‥‥山の向こうからチアガールの練習する声が聞こえてきたりもして‥‥あの話はよかった。
T)ありえへん話に聞こえるけど、なんとなく人生の深みを感じさせるような、絶望の中に希望を見つけるような、そんな後味やったなあ。
じゃあこれを、F特別賞ってことで。
」や。
F)ええ~、それを言っちゃあおしまいよぅ、なタイトルやな。で、どんな本やったん? コツはなんやったん?
T)要は自分のストーリを語れってことや。本に何が書いてあったかいくら語ろうとしても、そこには時間があるわけで、最初読んでたことも後のほうでは忘れてるし、読んでる間に自分の考えも変わってくるし。そんな本の中身だけ取り出して語るなんてそもそも無理なことで、要はそこから影響をうけた自分のことを語る。
F)そういえばこういうエピソードがあってね、とか?
T)創造すんねん。作るねん。
F)その本に書いてあるだろうことを?
T)じゃなくて自分のストーリーを作り出していかなあかん。
F)クリエイトするんや。
T)そう。新しい自分の考えとか、自分の経験と照らしあわせて思ったこととかは、オリジナルなわけやん?そういうオリジナルなもんを作るきっかけとして本がある。本を丸ごと暗記して覚えようとかそういうことじゃないわけで、自分にどういう影響があって、それが何につながるかっていう話やから。だから本をもう読まなくても、タイトルだけでも、そっから何か思うことがあって、そこから自分のことを語っていけばそれで読書としては十分やねん。もちろん読んでもいいんやけどな。
F)でもそれやったら、読んであそこにめっちゃええこと書いてたよな、とかはできへんな。
T)うん。
F)どっちが大事や、って話やねんな。
T)そう。本の中で一番おもしろいところを探し当てることをしてないからといって、自分にはこれを語る資格がないということでは全然なくて、堂々と語ったらええんや。
F)でもグループで語ってるときに、あそこのあれよかったよね、って話になるとつらくない? そっからぐーっと引っぱっていって、自分の話にする?
T)何ページにどう書いてあってってのはあんまり広がらへんっていうか‥‥。それよりもみんなが1回も読んでない本を見ながら、あーだこーだ言うほうが、よっぽどおもしろいんかもな。
F)読まずにする読書会をしたらいいんか。
T)そう。それか目次だけ読むとか。そこから語りあったりしてもおもしろいかもなあ。
F)お題なだけやねんな。
T)そこで何があって‥とか勉強し出してもおもしろくないし、どんだけ読んだかを自慢してもしょうがないし。そこで何が反応したかというか。
F)何を考えたかのほうがまだ忘れにくいな。本の内容も最近もうすぐ忘れるし。
T)内容を覚えとくことよりも、そこで自分が何を思ってどう動いたかが重要やからなあ。
F)思ったことをどんどん連想していったらいいわけか。
T)うん、著者がどう言ったとかは知ったこっちゃないんや‥‥とかいろいろ言うてるのも俺が自分で思ったことやから、実際書いてあったかどうかは知りません!
F)この本は最後まで読んだんか?ってちゅう話やな。オチとしては。