● Berkeley
サンフランシスコと一口に言っても広い。薄汚れたBARTという電車に乗って市内からバークレーへ行きたいのだが、駅のホームで念の為「この電車はバークレーに行きますか?」と人の良さそうなおじさんに聞いた。何かを読んでいたおじさんは顔をあげ、非常にゆっくりと「アイ・ドント・ノー」と言った。そうか知らないなら仕方ない。まぁいっか、と乗り込んだ電車はちゃんとバークレーへ着き、そのおじさんもずっと乗っていた。あれは意地悪だったのか、わたしのBerkeleyの発音が悪すぎてどこのことかテンでわからなかったのか。どちらにしてもひどい話だ。
カリフォルニア大学のある学生街でもあり各国料理が食べられると聞いていたので、お宅へお邪魔する前に通りかかったベトナム料理屋に入る。ある意味アメリカではその国の名物を食べるプレッシャーから解き放たれていると言える。味の素は効いていたが、なかなかのフォーと土鍋ごはんのコムタイカムを食べて先輩のお宅へお邪魔する。通りにはウォルナッツやパインなど木の名前が付けられていて実際緑が多い。どの家にもちょっとしたガーデンがあり余裕のある地域であることがうかがえる。大学にほど近い信じられないほど素敵な一角にあるKINFOLK
にでてきそうなお宅でピンポンを押す。息子さんが先に寝ついたリビングでなぜかこちらが日本のビールをごちそうになり、寝たこともない1mくらいありそうなマットのベッドで就寝。
翌日、食育や地産地消で有名なアリスさんがはじめたシェ・パニスに予約をいれたが、朝食はそのレストランから独立したKelsie Kerrさんが2014年にはじめたお店Standard Fareに連れて行ってもらった。結果としてこちらのほうが断然よかった。今回はオートミールとキッシュとスコーンを食べたが、特に今までこんな感じかな、と適当に作っていたオートミールとの違いに驚いた。それからは真似して家でも食べているが本物を味わうのは大事だなと思った。ランチも食べてみたかった。
その足で地元のスーパーBerkeley bowlへ。入り口でBotanical interestsのオーガニック種子が売っていてそこでもう動けなくなってしまった。結局40ドル分15袋ほどを購入した。あとからいくWholefoodsスーパーマーケットでも売っていたのだがこのときはまだ知らなかったのだった。量り売りや地元食材がたくさんあるよいお店。ちなみに駐車場に止まっている車はほとんどが鼻先を突っ込んでいる。たくさんかうからトランクを開けやすくするためかな、とのこと。車がないとやっていけないのはこの街も同じかな。
シェパニスはランチでもチップなどを含めて一人45ドルもしたわりに、サラダ・パスタ・デザートのみで内容も何だこんなものか、という感じだった。グリーンサラダに至ってはうちの方が美味しいと思った。Acmeベーカリーのサワードーのパンがついてくるのは良かったけど、こちらもあとでフェリービルディングに行ったとき、びっくりするくらいの安い値段で売っていたので驚いた。しかもサービスという点では日本人に対する嫌がらせなのか、席が他にも空いているにもかかわらず、20センチも離れていないすぐ隣の席に同じような日本人カップルを入れてきた。しゃべりにくいわ!
アリス・ウォータースといえば、美味しい革命で有名な人。私は近所にあるマーチン・ルーサー・キングジュニアハイスクールでの食育菜園 の取り組みをパーマカルチャーを通じて知ったのだったと思う。シェ・パニスでボーイに聞いたらここから近いよとのことだったので、その中学校を訪ねてみたら、意外とあっさりそのエディブル・スクールヤードにたどりつくことができた。ここでも、今までになく本物のコンパニオンプランツがそこここに溢れていて、チキントラクター、コンポストなどいちいち感動のガーデンだった。授業中なのだろう子供が時々数人出てきては何かを摘んで調理室に消えていく。あの中はどんな授業風景なのかな。覗いてみたかったけどさすがにそれは遠慮しておいた。
単一で育っているものはなにもない。道にはチップが敷き詰められていてフカフカしている。
毎日どこかで開かれているというマルシェの木曜日版が近かったのでそこで奥さんと待ち合わせ。日本のマルシェがハレとするとここはケ。夕食と明日のパンを買いに来るといった感じだ。しかし高級であることは否めない。オーガニックなものの値段としては悪くないが、やはり余裕のある人の買う物であることは確か。イタリアンケールカーボロネロとオーガニック豚のソーセージをカリフォルニアのワインと共にごちそうになる。Morell’s breadも美味しかった。ほとんどをサワードーで作っているらしかった。朝、スタンダードフェアに行くときすぐ近くにそのパン工房があって、「ガラスに張り付いてじっくりのぞき見してたのは私たちです」と奥さんがパン屋さんに自己紹介したので、おもしろい人だなと思った。
車がないと行けないかなと思っていたBio Fuel Station にも旦那さんが息子さんとともに連れて行ってくれた(全然歩いていける距離ではない)。ここらへんのBerkeleyめぐりのポイントは以前、講演を聞きに行ったアーバンパーマカルチャーのソーヤ海さんのウェブサイトを参考にさせてもらった。併設されているのはファーマーやビーキーパーのための、かなりおもしろい雑貨店だったけど、実際にBio燃料を入れに来た車には出会えなかった。どのくらい利用されているのだろう。
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