その5「ぼくはお金を使わずに生きることにした」
T)で、もうひとつ。マーク・ボイルの本。
」。マネーレスマンやった?
T)そう。原題は「The Moneyless Man」やな。
T)これも今後の暮らし方を考えるタイプの本やな
F)自分も元からそんなふうには考えてたし、なるべくお金を使わずに生活しようと思ってたから。
T)最悪、お金なくても生きていけるっちゅう実例を示してるな、この人は。
F)なんか今までそういう人って、気持ち悪い人が多いとかちょっとへんこな人が多いとか、そういうイメージを自分自身が持ってたけど、わりと普通やもんな。
T)ちょっとかっこよく見えたな、ある意味。
F)それはやってることが?
T)そう。世捨て人みたいな人とはちょっと違うっていうのが。
F)でも衝撃やったんは、ゴミあさりよな。
T)うん。スキッピング。それがけっこう重要で、あれをやることで問題提起っていうかさ。
世捨て人見たいな感じでマネーレス生活しても、普通の人は変人って思うだけやん。仙人みたいな暮らししてって。
でもああいうゴミあさりで食料を得るってことをやることによって、挑発じゃないけど、問いかけてくるわけやん。
F)誰に?
T)普通の町で暮らしてて、自分が便利に使ってるスーパーがまだ食べられるものを毎日ゴミとして捨ててるっていう、
大量生産の社会にいる人たちに対して、それってこれでいいんかいっていうのを痛快に示してるんや。
F)それってでも、そのオーガニックのスーパーとかも協力的やからよかったよな。やっぱそこで日本のコンビニみたいに、
廃棄物を持っていかないでくださいとかって、ゴミ箱にカギかけて、となってくると、この人はもう生きていけへんわけよな。
T)でもそこは坂口恭平じゃないけど、人と人がつながれば。そこは自分とコンビニではなくて、自分とそのオーナーの何とかさんが仲良くなれば。
F)友達やったらいいねんもんな。コンビニの人もこんなん捨てるなんて、と思ってるわけやから。
T)みんなそれこそ気づいてるわけやん、これはおかしいっていうのを。そこにちゃんとアクセスすればそれをもらえるっていうか。
F)日々の生活をインターネットでみんなに公開してるってのもいいよな。昔やった人がいたとかやったらインパクトないけど、
タイムリーに今やってることをインターネットっていう現代の手段を使って瞬時に届けたら、それで生きて行ってるんやこの人は、っていうので共感も得やすいし。
T)イベントもやってたな。
F)フリーフードとか。人一杯集めてな。それでさらにまた輪が広がって‥。
T)インターネットは、そういう意味ではフリーと相性がいいというか。
F)パソコンをソーラーで充電するのとかは大変そうやったけどな。
T)そこはちょっとまだ無理があるんかもしれん。
F)あと石鹸を使わんくなってからのほうが、においがしないみたいなんあったやん?
T)そんなんあったっけ。覚えてない。
F)えっ?!石鹸を使うのやめたと言ったら、みんなぎょっとしてどんだけくさいねんコイツはって顔するけど、そういう人には実際ににおってもらうって話。
あれは石鹸にはずっと使い続けなあかんような成分が含まれてるって。試してみたいような、試してみたくないような。
T)へー。ぜんぜんそこ注目してなかった。
F)ほんまー?!