はじめてのマテ

チリからアルゼンチンに入って5日目。ガソリンスタンドで旅行中らしき家族に話しかけられた。そのときは、ちょっと言葉を交わして別れたのだが、しばらく走ったところで、その家族のおじさんが路肩に車を止めて立っていて「止まれ」というか「タイム」っていうかそんなかんじのアピールをしているので、何かと思って止まってみるとマテ茶休憩をしていたのだった。アルゼンチン人とマテ茶は切っても切れない関係で、車でいえばガソリンみたいなもの。

これがないと何もはじまらない。というわけで、外国からの旅人にも、とマテ茶に招いてくれたのだ。 うわさにはきいていたけど、実際に飲むのは初めてだったのでちょっと緊張した。が、飲んでみると、いける。苦味と甘味がいいバランスである。 金属製のストローで回し飲みする、というのが、最初はとまどったけれども親しくなったような気になれて、嬉しい。飲み終わったら、ズッと音を立てて、お湯の入った魔法瓶を持った人に返すことで飲み干したことを知らせるのだと教わった。これは、日本の茶道にも通じるものがある。お湯の温度は83度以下にすることとか、甘いのがいいとかよくないとか、

隣の国では冷たいのもあるけどあれは邪道とか、いろいろこだわりがあるみたいだった。

日本の夕食の時間あたりに、この1日に何回目かのマテ茶タイムがあるので

彼らの夕食は22時くらいになる。キャンプしてると、遅くまで騒ぐのでうるさくてなかなか眠れなかった。

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アルゼンチン人の象徴、どこでも魔法瓶とマテ茶容器を抱えている(左から4、5人目)。