●SanFranciscoからLos Angelsへ
市内の仕事場へ車で通勤する旦那さんに乗せてもらって一緒にサンフランシスコの街へ戻る。今夜の夜行バスでまたロサンゼルスへ戻りアリゾナフェニックスへと向かうため。バークレーからサンフランシスコダウンタウンまではこの日は混んでいて1時間かかるとナビが言っている。が、なんだか渋滞を横目にスースーと走っている。聞けば、このレーンはCAR POOLと言って2人以上(3人のこともある)乗っている車に限り使える専用レーンなのだそうだ。いつもは旦那さんは一人なのでここは通れないが、今日は私たちが乗っているため使えるとのこと。また、このレーンを使うために見知らぬ同乗者を拾うコーナーもあったりするらしい。あとでレンタカーで走るときにこのことを聞いておいたのがとても役に立った。そしてどれだけの人が単身で乗っているかがよくわかるのだった。
夫の超優秀な元先輩は、駐在員とはいっても専用の事業所を持たずにシェアオフィスを利用しておられる。その透明ガラスで仕切られたブース内にバックパックを置かせてもらったのだが、なんともおしゃれで機能的な空間で惚れ惚れした。広いロビーラウンジには、お客さんと打ち合わせしたりできるソファがふんだんにあるだけでなく、テーブルサッカーや卓球が置かれている。その気になってくつろいで気になっていたオフィスの人用のKOMBU-CHAなんかも飲みつつ(先輩がいいって言った)休憩してから街に出た。
まず、今夜乗るバスターミナルのチェックをしてからFerry Buildingまで歩く。ここで改めてAcmeベーカリーのパンを明日の朝用と今サンドイッチする用に買う。すぐそばの惣菜屋さんでサラダを買って挟んで食べる。ウマい。修学旅行生も長いバゲットをかじりながら歩いている、いやほんとそれが一番美味しいよ。アメリカ、物価高いのでふらっと外食ができません。特に昨日は納得行かない高級ランチだったのでより今日のこのサンドイッチが美味しく感じる。ブルーボトルコーヒーも一応飲んでみるが、アメリカのコーヒーってなんであんなに大きいのに全部飲めてしまうのだろう。
15時に荷物を引き取りに行き、だんなさんに滞在のお礼のあいさつをして、向かったのは、ブルーミングデールズ。老舗のデパート。さきほどツーリストインフォメーションでバックパックを預けられるところと聞くと、向かいにあるブルーミングデールズで預けられると思う、という。普通のロッカーとかを期待していたので、本当にデパートで私たち観光客の荷物をしかも無料で預かってくれるの?こんな感じで私たちあんまりデパート向きではないんだけどね?と聞くと、そうね~フム。と「ブルーミングデールズのトラベラー割引」クーポンを私たちの前でピラピラさせながら、こんな感じで、私たち荷物をおいたら買い物を楽しむつもり感を演出したら?という。
ツーリストインフォメーションのおばちゃん、そんなことおすすめして大丈夫?笑ってしまったが、実際この通りやったら(やらなくてもいけると思うが)荷物を笑顔で預かってくれた。しかも5時間も。
muniというレトロなおもちゃみたいにかわいい乗り物は乗らずに愛でるだけにして(乗ると高い)、夫が行きたいというAT&T球場へ。海に面していてスプラッシュホームランで有名。その道すがら私が待っていたHAPPY HOURを掲げる地元パブがあった。その名もLOCAL TAP。今ならドラフトビールがどれも5USD。カウンターでお店の人にwhatever local beer you recommend (おすすめローカルビールを)とお願いすると、ショットグラスを手に何やら入れはじめた。わ、なんか勘違いしてる?と思うと、飲んでみて、とのこと。気に入らなかったら他にもたくさん種類があるからと。のどが渇いていたし熱望していた初のローカルビールだったので、もうそのままコレとコレでお願いするわ、と頼んだ。まだ春先の風のある日にアメリカのビールはキンキンと冷たすぎたが、それでもアテのフムスがまた美味しく、すっかり酔っ払ったのだった。
球場は閉まっていて中には入れなかったが一周する。ほろ酔いでみる球場はなんだか輝いていた。
チャイナタウンに向かう途中にある坂の途中の小さな公園に、何度もネットやラジオで目や耳にする少女像があった。夫が見てみたいというので見に来た。うちにはテレビがないのでそれがどんなものでどんな風に置かれていてということまでは知らなかったので驚いた。とても美しい像だった。生花の花輪がかけられていたので人が世話をしているのかも知れない。向かいにはマイクロソフトのビルが建っているのだがこちら公園側にはホームレスとその犬以外は全く人気がなかった。この像を置くことにしたサンフランシスコの姿勢は悪くないなと思ったしこの立地は完全な死角なのだった。
当初、夜行バスはCabinバスの寝台の予定だった。値段は日によって違うが、週末だと115USDと普通の夜行バスの約3倍である。飲むかどうかは別として、睡眠サプリや耳栓なんかがキットでついてきて、ロサンゼルスまでゆっくり個室カプセル空間で寝ていけるという話題の黒いバスだ。HPを見たら絶対乗りたいと思った。だけど到着時間が際どくてまた飛行機に乗り遅れる可能性がある。バスの降車場所でUberを呼ぶという手も考えてチェックしてみたけど呼んでから20分以内に来る車はいなそうな雰囲気、もちろん流しのタクシーに会える可能性は非常に低いらしい。一旦予約入れたものの、泣く泣くキャンセルし、BoltbusというGreyhoundより少し良いというオレンジ色の夜行バスを予約したのだった。このバス、予約を入れた順番に乗り込むことにはなっているが、席は完全自由。私たちは始発のサンフランシスコバスターミナルからだったから良かったものの、そのあとのサンノゼでは席がなくて引き返して行く人達がいた。こんな夜中にどうすんのかな。しかも全員がきれいに詰めて座るかどうかは良心に任されていて隣の席に荷物をおいて寝てしまっている人のところには座れないことになる。ちょっと腑に落ちない気持ちになっているところへ後ろの男性一人の席にうまく収まった女の子。この子がテンションが以上に高く、盛り上がってしまい隣になった彼との自己紹介から近況、夕飯食べそびれたからサンドイッチを今食べる、どんな音楽聞いてるの?ヘッドフォーンは片時も離さないんだなどと全部聞こえる。っていうかウルサイよ!夜行バスなのに寝れない…Cabinバスなら今頃ベッドでぐっすり寝てただろうか。