containerhotel

南インドに行くにあたっては、エアアジアが就航しているおかげでぐんと料金が安い。価格がしょっちゅう変動するのでチェックしていると、ある日、かなり安くなっていたのでこれは買いだ!とクレジットカードなどを用意して準備周到、二人分のチケットをぽちっとしようとすると、その価格ではみつからない。次に一人分で検索すると見つかる。どうやら、この価格のチケットは1枚しかないようだ。仕方ない。夫には申し訳ないが、自由人の私は一日先に飛んで(日をずらせば安いチケットもあった)、夫は相変わらず会社帰りに飛んでもらうことになった。

久々の一人旅で、(しかも結局は二人とも名古屋発だった、そちらのほうが安かった)見た目余裕、内心どぎまぎしながら、待ち合わせのクアラルンプールへと飛んだ。

クアラルンプールのLCCT(ローコストキャリアターミナル、ほとんどエアアジア専用の空港ターミナル)は、ちょうど今年改築されて、おどろくほどきれいでお店がたくさんあり、カプセルホテルもネット予約できるようになっていたので、そこで一晩過ごして翌日に夫をArrival gateに迎えに行くという予定にしていた。

飛行機は日付が変わるころにクアラルンプールに到着し、そこから構内の端っこにあるカプセルホテルまでてくてく歩く。予約しておいたから良かったものの、6時間くらいの飛行でもわりとアタマが朦朧としていたので、とっととチェックインして眠りたい感じ。キーデポジットとしてパスポートを預かると言われて、なんとなく渋ったらお金でもいいといわれて現金を渡し、キーを受け取ってシャワーを浴びて、寝た。

翌朝(といってもカプセルホテルはコンテナーでできていて薄暗く、朝なのかどうかよくわからなかったが)、時間がたっぷりあったので、ヨガを少しして、荷物の整理でもするかな、と持ち金を数えていたら、100ドル足りない。まだ何にも使っていないはずなのに、はて。デポジットで1000円札を渡したつもりだったけれども実は100ドル札だったか。と思い出そうとするが記憶が曖昧で、思い出せない。レシートをもらっていないのが痛い。空港だと思ってかなり気を抜いていたのだった。

果たしてチェックアウトのときに、帰ってきたのは1000円札であった。うーん。だとしたら100ドルはいったいどこへいってしまったんだろう。なんかだまされている気がする。一応、100ドルも預けなかったっけ?って聞いては見たけれども、この受付の兄ちゃんは昨夜の子とは違う。それは確かだったし、これしかないですね、と丁寧に返答してくれた感じは悪くない。すっきりしないけれども、この事件はこのまま封印して夫にもだまっておけば、たかが100ドル、あぁ、されど100ドルどうしちゃったんだろう。これがあればもっといいホテル泊まれたのに、とやっぱり気持ちに収まりがつかず、いったんはその場を離れたが、もう一度戻って、マネージャーらしき人を呼んでもらった。

昨日のいきさつを話し、わたしが朦朧としていて覚えていないことはだまっておいて、でも100ドルを渡したと思ったけれど違ったかな?昨日の受付の男の子と話せるか?と聞いてみたら、マネージャーは、理解してくれたようでなんやらパソコンをいじりはじめ、10分くらい画面を見つめ続けた。

で、見せてくれたのが、私がチェックインしている様子を映した防犯カメラの映像だった。それによると、確かに私が渡しているのは1000円札っぽい。お金をやりとりしたのは一度だけで、100ドル札も渡している様子はない。むむむー。防犯カメラの動画を編集したんじゃないの?とか、まだうたがう気持ちが少し残るものの、さすがにそこまではせんやろ、と思い自分の記憶のなさを恥じながら、お礼を言ってその場を離れた。なんだったんだろうなー。どこいったんだろうなー、100ドル。現在に至るまで、まだなぞに包まれたままなのだった。