フード左翼とフード右翼(その2)
有機野菜を食べてる人は、わりとお金に余裕のある人?
(F)あとは有機作物を食べている人は、ミドルアッパーやった? アッパーミドルやった?
(T)そんな感じの言葉やった。
(F)要は、アメリカにしろ日本にしろ、有機野菜を選んで食べてる人は、わりとお金に余裕のある人やっちゅう話やねんな。有機農産物は全体のまだ1%くらいでしかないから、今は富裕層が食べてるだけのマーケットなわけで、大多数のフード右翼の人たちにとったら、どうだっていいことなんやろな。
(T)この人が言ってるのは、有機農業は都市と結びついてるっていう説。地方に行けば有機農産物が食べれるかっていったら、ますます食べられなくなったりする。
(F)日本は道の駅が近年人気で、道の駅で野菜買ったら安くて新鮮やから、そこに安全も乗っかってる気がしてしまう。「やー、今日もおいしい野菜が買えたわー」って思ってしまうねんな。でも、それは有機野菜ではないかもしれへん。出してる人は、形のいいきれいなのを出して、いかに他の人よりたくさん自分のところのを選んでもらえるか考えるやろから、化成肥料とか農薬とか使ってるんちゃうかと思う。
(T)そうかもしれん。
(F)コンビニの話もおもしろいな。何年かにいっぺん健康志向のお弁当を発売するけど、いつも売れなくて消えていく。
(T)たしかにあるよな、たまに。
(F)30品目弁当とか。
(T)あったなー。菜菜なんちゃらみたいなんとか。
(F)ああいうのは、ほんの一部の都会のコンビニでは売れるけど、コンビニでお弁当を買う大多数の人は工事現場で働いてるお兄ちゃんとか学生とか、お腹がめちゃめちゃ減って質より量の人が多いから、結局売れない。
(T)都会は都会で競争があるから、多少買う人があってもバカ売れはせえへん。で、いずれなくなる。
フード左翼の人が歳をとったらどうなる?
(F)最後のほうのセントラルキッチンとかはあんまりまだ興味が持てへん話やったけど。
(T)おれはなかなか興味深いと思った。高齢化社会になったらどうするっていう話。フード左翼の人も歳とっていったらどうなるの?っていう。
(F)私どうもなれへんと思うわ。今のまま、自分で作った野菜食べていくから。
(T)そのまま歳をとれればいいってことやな。でも、施設に入ったりとかなったときに……
(F)もうそういうオーガニック志向の施設は絶対にできるで、この流れでいくと。
(T)この人は「フード右翼から左翼に行くことはあっても、左翼から右翼に行くことはない」って書いてあったけど、高齢化社会はそれがけっこうあるんちゃう?って気がした。というのは、自分らの親を見てても、若い頃は子どもがいるからか、気を使ったりしてこだわったりしてたけど、自分が歳とってきたらもうええわってなるのか……
(F)フード右翼的になってくる。
(T)そういう食生活になっていくかもしれんなって。だから、歳とったときにどんだけ食にこだわりを見せる人がいるか。
(F)あと数年やと思ったら、遺伝子組み換えとか肥料がどうやとか農薬がどうやとかいうよりも、そのときおいしいもんでもうええんちゃうか、っていう気になる可能性はあるな。
フード左翼に共通するのは、大量生産食に反対であること
(T)今はそういう高齢者向けに、キッチンサービスがすごい伸びてるって。
(F)うん。
(T)それが将来どうなっていくのか、っていうのも、ひとつの話題として書いてあった。
(F)どうなっていくの?
(T)わからへん。わからへんけど、老人ホームとか増えてきたら、そこにセントラルキッチン方式と呼ばれる給食センター的ところで作ったものを持ってくるようになってくる。
(F)それって給食センターと一緒やろ?
(T)うん。でも、それをビジネスにしていいって認められたんはけっこう最近みたい。それまでは各自作らなあかんかったけど、別のところで作って運んできて食べることが認められたから、その業界が伸びてる。
(F)でも、そんな機械化した食べもん作ったらあかんで。
(T)そやな。フード左翼に共通するのは、大量生産で工場で作るような食に反対を唱えること。そこは共通してると書いてあった。
(F)共通って?
(T)例えばローフードとマクロビの人はセオリーが違うわけやん。そうやって細かく見ていったら共通してないことも多いけど、フード左翼的な人みんなが同意するのは、大量生産食に反対するっていうところやと。
(F)大量生産っていっても、炊き出しはいいで。でも工場とかで作るのは、やっぱり別やねん。そういう作り方はあかんねん。なんかもう倫理的な問題や。生き方の問題やと思う。
(T)セントラルキッチンもいい方に進めば、ひとつのところで作るにしても、みんなで協力して集団生活で一緒に作ってみんなで食べる、みたいなことになるかもしらんし。
フード右翼的なこともわかった
(T)右翼的なこともわかったな。
(F)何?
(T)ラーメン二郎とか。
(F)ジロリアン。バックトゥーザフューチャーで……
(T)それはデロリアン。
(F)思い出すなあ、あの映画。
(T)ラーメン二郎って知らんけど、東京にはいっぱいあるんかな。
(F)神戸になかった? トマトラーメン食べたとこ。あれは桃太郎か。
(T)もっと量が多い系じゃないの、ラーメン二郎は。
(F)そうなんかな。
(T)そういうのを競ってるんやろ。たくさん食べるとか、こってりとかがっつりとか。がっつりっていかにもフード右翼的なキーワードやな。
(F)うん。
(T)メガマックとかメガ牛丼とか。
(F)売れたんやなあ、メガマック。マクドナルドは減益って聞いた気がするけどな。
青山通りに行ってみたい
(T)青山通り、行ってみたいと思ったんやろ。
(F)うん。どんな高い犬連れた人が歩いてるんやろなと思って。あの薄っぺらい犬とかやろ。
(T)何それ?
(F)知ってる? 薄っぺらい犬。見たことない?こんな薄っぺらい。こういう顔の!。こんな足の!
(T)ふーん。
(F)楊枝のような足。足が長くて。バトンみたいな足が4つついてて、縦から見たら薄いねん
(T)野菜に爪楊枝指したような。
(F)野菜ほどの厚みはない!
(T)茄子をスライスして爪楊枝さしたくらい?
(F)そう。お盆の茄子をスライスした感じ。ああいうのを連れた人が、有機野菜を買ってるんやろか。
(T)ファーマーズマーケット、けっこうええ値段しとったもんな。
(F)そらするよな。
(T)この人、結構食べとったやん。
(F)なあ。ランチとしては高いほうだろうって書いてたけど、むちゃむちゃ高かったよなあ。
(T)2、3千円やったっけ。
(F)2千何百円しとったな。
(T)普通に屋台っちゅうかテントで買うようなやつやろ。
(F)たいていそんな感じよな。うちらもよく打ちひしがれるやん。いいけど高いって。高すぎるって。
(T)そんなときにとなりの岩手じぇじぇフェスから肉のにおいが流れてきたって書いてあった。たしかに行ってしまうかもしらんな。
(F)そこまででもないけど。あと肉と言えば、ミートフリーマンデーな。
(T)ポールマッカートニーも言うてるんやろ。
(F)なあ。ポールマッカートニーって生きてる人? あ、こないだ来た人?
(T)そう。
(F)笑けるな。ほんまに肉食べへんのかな。月曜だけなんかな。
あなたの消費が決めている
(F)まあ、食べることは政治なんやって、いうところやな。
(T)それで投票してると。何を買うか、何を食べるかで。
(F)そういえば昨日ニュースで、宮崎県の小学生に選挙を小さいときから身につける授業の話をやってた。その授業の一環で、宮崎マンゴーと宮崎牛のどちらかに誰かが立候補して、それぞれのメリットを宣伝して、周りの人が投票する模擬選挙みたいなことをやっとったけど、そこでマンゴーを選ぶか、牛を選ぶかで、その子たちの政治思想がわかるよなって思った。
(T)ほんまやな。
(F)もうこの一言につきる。「消費は政治的な意思を示す新しい運動である」
(T)そやな。食べもんに限らず。
(F)限らず。
(T)何を買うか、買わないか。
(F)この考え方は広めていきたいな。あなたの消費が決めてるんだよって。
(T)そのためにはやっぱり知らないとあかんねんな。アメリカでは自分で知識を得ていかないと、いいものは得られなくなってる。
(F)おまかせやねんな。消費者まかせ。自己責任で調べれるようにはなってるけど、国とかはノータッチで。
(T)情報を主体的に得ていかないといけなくなってる。
(F)次、この本が読みたい。
(T)どれ?
(F)「誰も語らなかった、知って感じるフィギュアスケート観戦術」
(T)ぜんぜんテーマ変わってるやん。
(F)です!
(終わりです)