六甲山カフェ訪問 2011/05/02

先日に引き続き、六甲山へ。ふもとの登山口にあるカフェに行ってみたいと思ったからだ。といいつつ、いざ向かう段になって、やっぱり六甲までわざわざ行くのめんどくさいかなという考えが頭をよぎったけれども、なんとなくカンで行くことにした。

通称「山カフェ」と呼ばれるこのカフェは日替わりでマスターが変わる仕組みになっていて、今日は先日ここで出会った男性(Itaminhosさん)がカフェマスターをしていた。そのときにもらったチラシに、今日のメニューが書かれていて、アフリカンシチューというのがおいしそうだと思って、食べに来たのだった。

昼過ぎに行くと、お客はおらず「今日はほとんどボウズ」とのこと。注文したアフリカンシチューとカレーをそれぞれ大盛りにしてくれた。どちらもうまい。食後にエスプレッソを飲みながら、Itaminhosさんが百姓になるまでの話を聞く。

Itaminhosさんはアフリカ音楽のパーカッショニストの顔も持つらしい。仕事はずっと食品会社に勤めていたが、病気になったことをきっかけに会社を辞め、百姓を始めた。百姓をやると言うと、まわりからは反対されたそうだ。今は農作物を作り始めて10年目くらいとのこと。住宅と畑は、管理人になるかわりに無料で借りている。百姓として自給自足プラスアルファで得られる収入と、一般的な仕事で得られる収入は、金額にすると文字通り桁違いの開きがある。始める前にためていた貯金がほとんどなったいま、そこのギャップをどう埋めていくかが課題だという。なんとなく僕らとスタンスが近く、問題意識も共有できそうに思えた。話しているうちに珍客来店。男性2人と女性1人の3人組。いきなりワインをおごってくれて、みんなで話が始まる。男性のひとりMさんという人は、なにやら経営コンサルタント的なことをしているらしく、押しが強くてエネルギッシュ。カリスマ性があるというのもわかる気がする。会社をいくつも持っていて、大金を稼いでいて、有名人とも知り合いなのだ。というようなことを、相方のようなIさんというおじさんが言う。この2人の会話はかみ合ってるようでかみ合っていなくて、漫才を見ているよう。Mさんは誰かに何かを与えれば、それが回り回って自分に帰ってくるというようなことを言っていた。贈与論的なことをポリシーにしているのかもしれない。ワインをおごってくれたのもその一環だろうか。

そこに東京からItaminhosさん宅に見学に来ている青年と、ハイキング後にたまたまカレーを食べにこの店に寄った青年が加わる。東京からの青年は、会社を辞めたばかりで、アフリカ音楽好きと農業への興味から、Itaminhosさんにコンタクトを取ったのだそうだ。

コンサルMさんに「若者よ、お前は何がしたいんだ?」とか突っ込まれて、たじたじになりながらも、暗くなるまでいろいろ話す。いろいろ刺激になった一日。なんだか旅の宿で話しているような気分だった。(T)