東京旅行 2日目

グッドモーニングと都電荒川線

7時には起きて出発。朝ご飯は喫茶店でモーニングを食べるのだ。今日は1日東京メトロに乗るのでパスを購入。先月までは1日券だったらしいが、それが24時間券に変わった。ラッキー、明日の朝まで使える!って明日の朝はもう大阪じゃん。

小伝馬町駅から三ノ輪駅へ。ここに食べログでみつけたイケてる喫茶店がある。しとしとと雨が降っているので傘をさしつつお店を探す。果たして裏通りにあったあった。下調べしてなかったら、よう入らんタイプの地元喫茶店/スナック。隅っこの席にはいつもの(だと思う)おばあちゃんが、煙草をくゆらせつつ斜め上のテレビのワイドショーをぼんやりと見ながらママと話していた。煙草が苦手なので一番遠い席に座る。

モーニングは、ホットドッグとトーストがあったのでひとつずつ頼む。トーストはすぐ来たのだが、ホットドッグは時間がかかった。ロールパンにウィンナーが挟まっていてキャベツの千切りが入っているオカンメイドタイプのあれ。そのあと、目玉焼きとコロッケがでてきた。コーヒーにはミニチュアのホイッパーがスプーンがわりについてきた。濃い。コーヒーも雰囲気も、濃いぞ。顔に出さず内心で喜ぶ。

500円足らずのこのモーニングを食べたら、すぐそこの三ノ輪橋駅から「都電荒川線タイム!」。さっそく来ていた電車に乗って1日乗車券を購入。乗ってから、あぁ、もっと駅を楽しんでから次の電車に乗っても良かったかもと思う。数駅先の浄水場の桜がすごく美しかったので、まずはそこで下車。思う存分桜を楽しんでから、もういちど出発地点の三ノ輪橋へ戻り、再度駅を堪能してから、再出発。電車の車庫みたいなところで降りたり、「都電もなか」を買うために梶原駅で降りたりした。この「都電もなか」、外箱は都電、中のモナカも都電具合が絶妙で美味しい。たくさん買うと都電の路線地図が描かれた包み紙に包んでくれるので、思わずそのために数を買う。あとであうJ&Dの息子くんにも一つ買う。電車好きだといいな。

雨の遊園地ともんじゃ焼き

1日券にはあらかわ遊園の入場無料特典がついていたので、普段なら行かないが荒川遊園地前駅で降りて歩く。沿道も桜が満開。雨に濡れて提灯とともに風情がある。道すがら気になる店を発見。「こどもの家」もんじゃ焼き・おかし・・・と書いてある。おじさんとおばさんが忙しそうに開店準備をしている。こんなお店が近所にあったらこども、嬉しいだろうな。遊園地への道すがらにあるなんて最高の立地やな、と気にかけながら行く。

遊園は雨だけど少しは人がいて、だけど動いている乗り物はメリーゴーラウンドと観覧車だけです、と入り口でチケットもぎりのおばさんに言われた。元々乗る気のない私達はいいにしても、子どもにとってはショックだろうな、と思う。でも入ってみたらそうでもなかった。鉄道博物館みたいなところでNゲージ模型の運転ができたり、動物園にはいつまでも見ていられるニホンザルがいたし。おねーさんたちは満足したよ。観覧車が100円やったら乗ったろか。と近寄ったら200円だったので、やめた。夢のない私達。

外へでて、遊園の周りの道を散歩。レンガの壁が不自然に延々と住宅街に続いている。昔あらかわ遊園はもっと大きくてその時のなごりのレンガ壁が残っているのだとか。なんか雰囲気がいい。そのまま、荒川に出た、と思ったら隅田川だった。荒川は野草の先生が東京なら荒川の土手で摘草すると言っていたので見てみたかったのだが、隅田川だった。そして隅田川は淀川かそれ以上に大きな川だった。川沿いの土手には雨が上がって予定通り花見をしようとブルーシートを積んだ自転車のおじさんや、釣りをする人などがいた。

ぐるっと遊園の方へ戻ってまたもと来た道へ出て、ちらりとさきほどの「こどもの家」を見やる。ん!開店してる!もんじゃ焼き食べてみたい!すりガラスをガラガラっと開けて中に入る。父子一組の先客あり。

店のおじさんに「もんじゃ焼き食べたいんですけど、はじめてなんです、どれ頼んだらいいんですか」と聞いてみる。「はじめてなの?だったら、普通のもんじゃ焼きひとつでいいんじゃないの?」と初心者に優しい心遣い。鉄板に火を入れてもらって二人で400円のもんじゃ焼き1枚でいいのか。心が広いね。さすが「こどもの家」だ。

おばさんが丼ぶりに入ったものをはいどうぞ、と机に置いて去っていこうとする。「はじめてなんです、どうやってやるんですか?」と聞くと、「あぁ、じゃぁやりましょうかね」と400円はセルフの方で、フルサービスの方は500円ですよ、とかそんなこともなく、快く引き受けてくれた。といっても、恐ろしい量のソースか醤油かを丼ぶりに入れたら、軽くかき混ぜて鉄板にドシャーっと中身をぶちまけてヒャッヒャッヒャッと大きなコテでかき混ぜて、どうぞ、と非常に簡単なものだった。

思っていた程度の味だ。あとで隣りに座った家族連れもひとりあたり1枚以上は頼んでいるようだし、調子づいて今度は「そばもんじゃ」を注文する。そして自分でやってみた。うーん、味がない。おばさんがすごい量入れていたので、自分では少なめにしてみたら色も薄くて味がない。あれは、あのくらい入れないといけなかったのかもしれない。こっそり鉄板の上にソースを直接かけてみるが、そうするといきなり焦げてしまった。これじゃ大阪のお好み焼き屋さんで、ソースを塗ってからひっくり返すアウェーの人間みたいやな。恥ずかしい。

もんじゃ体験は十分満足したので850円を払ってお店を後にする。安いような高いような不思議な気持ちだった。

都電に戻る。

西に行くほど電車が混んできた。しかも運転士が愛想がない。なんか楽しさは半減してきて時間もなくなってきたので後半はただ乗っていた。路線上も大規模に工事が行われていて風情なし。そんな鬼子母神前駅で降りて、メトロの副都心線に乗り換える。雑司が谷駅から渋谷まで。青山のオーガニックマーケットを覗きに行く。本当はツタヤも見てみたかったけど、時間なしで却下。渋谷から青山へ歩き出すだけで一苦労。国連大学前までは結構離れていたがてくてく坂を登る。マーケット自体は目新しいものは何もなく、規模が多少大きいかな、食べれそうなものが多いかなっていうことぐらいだった。向かい側の青山学院大学がなんか妙にボストンってかんじで素敵だった。むしろあっちに行ってみたかったかも。さて、お昼は東京駅八重洲付近の南インドレストラン激戦区を味わう予定。

八重洲は南インド

少し行けば表参道からメトロに乗れる、と夫が東京生活経験者として進言するので、従う。そこから赤坂見附まで銀座線、乗り換えて丸の内線。ここは阪神の尼崎駅とは違うが、同じホームで乗り換えができて便利だった。こういうの大好き。しかも少し並走する。東京駅は昨日の朝ぶり。八重洲まではまだしばらく歩かなくてはいけない。時間的にタイトな設定なので、早足で歩く。これで、目指す店がダダ混みだった場合はアウトだ。祈るような気持ちで競歩。

果たしてお店はすごく混んではいたものの、カウンターに座ることができ、後でテーブル席に案内してくれた。迷うことなくベジとノンベジのミールスを頼む。ランチミールスが1600円は高いが、インディカ米とサンバル・ラッサムがおかわりできるというのが嬉しい。いろいろ食べてみたくてノンベジも頼んだが、やっぱりベジの方が美味しく感じる。しかし何かが割りと辛くて、夫を見ると滝のような汗を流していた。汗ふけよ。エクアドルのキトの新市街でマドラスカレーを食べたときもそういえば彼はすごい汗だった。

美味しくごちそうさましたあとは、別々の予定へ。

永田町から新大久保へ

夫はインタビューの予定で東京駅西側のとあるカフェへ。私はその時間を使って大学の友だち夫婦に会いに行く。東京駅へ戻らずに有楽町駅まで歩く。そこから友達の住む永田町までは1本だ。っていうか永田町って住むところなのかな。前も彼らは市毛良枝の家の近所に住んでいたし、普通でないのであり得るが。アメリカからの留学生だったDと、同じインターナショナルハウスに住んでいたJ子と私。楽しい大学時代の思い出だ。Dが永田町の駅まで迎えに来てくれた。半袖だ。さすがアメリカ人、気温の感じ方が違う。でも自販機でお茶を買っていた。昔だったら絶対コーラだったのに。

そして今回は明石家さんまの家を見て彼らの住むマンションへ。やっぱり普通じゃない。J子とかわいいハーフの息子がお出迎え。オープンカウンターのキッチンで、お豆腐の入った白玉団子を作ってくれている。めっちゃ嬉しい。おみやげのカステラとさっきの都電もなかを渡す。息子くんは、鉄だった。よかった、モナカも喜んでくれたようだった。数年分の話をしていたら、あっという間にお暇する時間になったが、車で新大久保まで送ってくれることになり、Dの自慢のナナマル号に乗り込む。そういえば、前回にあったときにもこうやってでっかい4駆でドライブしたな。東京の町を少し高い目線で見ながら走るのはとても気持ちがいい。靖国神社のあたりの桜並木の花びらが風で雪のように散りまくってきれいだった。

新大久保で彼らとはお別れして、イスラム街でショッピング。こんなところがあったなんて。店の中は異国。店員なのか親戚なのか、ただのブラザーなのかわからないが、どの店も混み合っていて通路が通れない。サラーマレイコム、って挨拶とか、片言の日本語を介して、人種の違う店員と客が品物について会話しているのがいい。その場で食べるシャシリクが100円で焼かれていたり、いつのまにか合流して、それを食べている夫がいたり、バスマティライスなどリュック満タンに買い物して、それを夫に持ってもらったりした。最後は新幹線で食べる夕食用のケバブを、私はラップ夫はピタで頼み、困った顔をしたレバノン人かトルコ人のおっちゃんが手早く作ってくれた。

駅へ向かう。

新幹線の切符でJR新大久保駅の改札を通るとき、やり忘れたことがないかちょっと振り返って私達の東京旅行が終わった。