2011年7月の日記(その3)

7月11日(月)使えば使うほどよくなるものが好きだ

使えば使うほどよくなるものが好きだ。古い物は味わいがあるとか、物は大切に使わなきゃいけないとか、そういうことはさておき、単純にお得な感じがする。この前、木曽で買ったおひつとかもそうだし、ジーパンだってそうだけど、使い込むほどに良くなっていくような感じがうれしい。もったいないとか思って出し惜しみせずに、積極的に使いたくなるし。逆に、買った瞬間が最高品質っていうものには、なんかうかつに手を出したくない気分。

7月12日(火)これをやるのは自分しかいない

英語ぺらぺらの人の前で、英語をしゃべらなきゃいけない、みたいな状況はいやだ。たぶん、ほんとうに力が出るのは「これをやるのは自分しかいない」って思ったときだろう。ネット時代でいろんなことがわかるようになったのはいいのだけど、人のやる気をドライブしてくれるような、ヒロイックな気持ちが持ちづらくなっているのかもしれない。もっと上手な人がいるし、もっと詳しい人がいるし、便利な道具もあるし、お金払えば外注できるし…。で、ヒロイックな気持ちになっている人への目がさらに厳しくなる、という循環かもしれない。

7月13日(水)死というのは…

立花隆「思索紀行

」を読む。キリスト教についての文章で、「死を恐れないというのが、キリスト教の強みだった。だからコロンブスの新大陸探検は、殉教への情熱によるところが大きかった」という内容のことが書かれていた。その他、イスラエルで乱射事件を起こした赤軍メンバーへのインタビューなども収められている。うまく言えないけど、死というのは人の生き方の端っこではなく、真ん中へんにあるのではないか。あいまいだけど、そんなことをちょっと思った。

富士山行き検討。

7月14日(木)「日本の野菜」

日本の野菜―産地から食卓へ

」を読む。旬じゃない野菜が年中スーパーに並んでいるのは、ハウス栽培とか輸入のおかげだよなあと思っていたけど、そうか、保存技術の向上も貢献してるんだな。

富士山行き決定。

7月15日(金)富士山へ出発

仕事から帰り、夕食と風呂のあと、富士山へ向かって出発。今日はちょっと心にひっかかる出来事があったり、ゴミ出しをどうするかということで同居人と議論になったりしたが、車に乗り込むと、気分が盛り上がってきた。よし出発!って走り出したら、いきなりナビが道を間違える。時間ロス。まだ自分の家の近所なんだから、安易にナビの指示に従うんじゃなかった。

相方と交代で運転するが、だんだん眠くなってくる。車で行った方が高速バスで行くより安くつくと判断したけれど、眠れないってことを計算に入れてなかった。いや、かわりばんこに眠ればいいやと思っていたのだけど、なかなかそうはいかない。お互い眠いので、監視しあわなければならないからだ。

7月16日(土)睡眠不足の富士山登山

早朝、須走口の駐車場に着く。天気も良く、堂々とそびえる富士山を眺めて思うことは、一刻も早く登って下りて布団の上で眠りたいということだった。車内で30分だけ仮眠して、シャトルバスに乗り込み、登山口に向かう。登り出すと眠気も徐々に吹き飛び、恐れていた高山病も出ず快調に登頂できた。

富士山登山のようすはこちら。

ところで5合目とかの「合目」ってなんだろう?1合登るごとに米1合食わなきゃいけないってこと? いやそれは多すぎるか。じゃ、水を1合飲めってことかも。うん、それなら納得できる量だな。…なんてことはインターネットで調べたらすぐ答えが出てきそうな気がするけど、登山中はネットもないから、いろいろ想像がふくらみ話のネタになる。

夜は、静岡の友人宅に泊めてもらう。黒ぱんぺんをつまみにビールを飲みながら楽しく話したあと、就寝。極楽。

7月17日(日)焼津、蒲郡、カフェ十八日

おいしい朝ご飯をごちそうになってから静岡を出発。まず焼津に移動して、魚センターという観光客向けの市場をのぞいた。相方が、鰹節(固まりのままのやつ)を買う。実家に削り器があったので、それを使ってみたいと思っていたのだ。削る方向には向きがあると店のおばちゃんに言われたが、どっちがどっちだったか忘れた。

相方はしっかり100円のディスカウントを得て購入。昨日の友人夫妻のだんなさんもそうらしいけど、ぼくも値切るのは苦手だ。ちゃんとお金の話ができる人を尊敬する。あちこちの店から呼び込みの声がかかる。魚は鮮度によって価値が刻々と変わるから、商売センスがものをいいそうだ。昼食に海鮮丼。おいしいし値段も手頃でうれしい。食堂的な店内ではテレビがついていて、普段見ないからか目が釘付けになってしまった。

STU:Lのタケウチさんに教えてもらった、蒲郡のRustic Houseという店に行ってみる。オーナーの奥さんと立ち話。このあたりは初めて来たけど、海が近くて自然が多く、住むには良さそうな場所だ。靴買えばよかったかなあと店を出てから思う。この店は衣服がメインなのだけど、なんとなく雑貨屋だと思い込んでいて、服や靴を買う心構えがなかった。なかなか衝動買いするまでの勇気がない。

その後、旅行で知り合って以来の友人夫妻がやっているカフェに行く。新しい場所に移転して、正式に開店したばかりのお店。というか家?って感じでリラックス。2人にはとくに事前に連絡してなかったから驚かれたけど、カフェ生活も充実してそうで、こちらも和んだ。和みすぎてどんどん話がはずみ、気づけば深夜。ああ、大阪まで帰るんだった。

2人に見送られて、深夜の住宅街をそおっと出発。ナビはさっさと高速乗れと指示するが、そんなん深夜で車も少ないし、街なかは下道で十分だ。との信念で下道を行くと、やたら信号が赤ばっかりでちっとも進まない。暴走する車が出ないようにこまめに赤信号を設定してるのかもしれない。

そんなこんなで高速に乗るまでに時間を食い、やっと高速だ、あとは大阪まで一直線ってところで「眠い」の声。運転してる相方が眠いと言う。ああ、じゃどこかのサービスエリアで交代しよう、と相方を見ると、もう目がとろんとしてる。ええっそんなに本気で眠いの? 「眠いから何か話して」と言われるが、こちらも眠くて思考が止まっており、話すことがちっとも見つからない。うーん、と考えてると無言になる……って、やばいやばい。二人とも眠ってしまうぞ。なんとかサービスエリアまでたどり着いて、仮眠。さらに別のサービスエリアでもう1回仮眠。女子サッカーが優勝したという映像を、クーラーが効きすぎたフードコートでぼんやり見た。

(T)