4日目(5月10日:前半)担当:T
朝早く起きて、ホテル近くの台南公園を散歩。うちの父は昨晩の夜市歩きが堪えたらしく、朝はゆっくりすると昨日の時点で言っていたのだけど、いつの間にか1人で出かけていて、台南公園でばったり出会って「もう軽く一周してきた」とか言う。父にとってはぶらぶらと散歩できる場所があるのが一番なのだ。そういう意味でも台湾は安全だし、人は親切だし、親が旅行するにはいいところかもしれない。
公園では年配の人たちが太極拳やダンスなどをするために集まってきていた。サークル活動みたいなもののようだ。そろいの服を着てるような力の入ったグループもあれば、もう少しざっくばらんな感じの集まりもある。「練習時間、朝6時10分!」と書かれた大きな横断幕が微笑ましい。
昨夜、夜市に行くときにはFが機転を利かせて、通りを別々に走っていた2台のタクシーを止めて二家族を分乗させ、同じ場所に行ってもらえるように各運転手に片言にもならないような中国語で伝え、運転手さんも勘よく理解してくれて、無事夜市にたどり着いたのだった。今日はあらかじめ宿の人にタクシーを2台手配してもらい、同じ場所に行くようにも伝えてもらって、安平という古い地区に観光に行く。
安平樹屋という、かつての貿易会社がガジュマルの木に飲み込まれている建物を見物。なかなかの見応えだったが、なぜかランの展示会が敷地内で催されていて、歴史的なおもむきに浸れないのが難点だった。説明を読むと、このガジュマルはそんなに古い木ではないようだ。100年前にはこの建物は普通に使われていた。ガジュマルの成長の早さと破壊力に驚かされる。
日差しが強く暑い中を歩いて豆腐花の店に行く。中心地からちょっと離れたところに、いくつか豆腐花の店がまとまってあるのはどういう理由からだろう。老舗がひとつだけあって、あとからその周りに似たような店ができてきたということだろうか。老舗に入って豆腐花を食べる。さっぱりしていておいしい。いくらでも食べられそうな感じだ。
台湾では日本語や日本のものが流行っているようで、とくに目についたのが日本語の「の」という字。漢字(中国語)の間にはさんで「◯◯の◯◯」みたいにして使う。よく日本でも「「◯◯de◯◯」とか、スペイン語を使ってたりするけどあれと同じようなものだろう。なんとなくひねりが欲しくて、せめて「の」の部分だけでも変化させたくなるのかもしれない。
再び炎天下の車道を歩いて、安平の中心に戻る。わが女性陣は日傘を差していて、真似して折りたたみの雨傘を差してみたら、たしかに涼しい。これまで日傘を差すなんて考えたことも無かったが、帽子みたいに髪型も乱れないし、陰が広くて涼しいし、こんなに便利なものがあったのか!台南で日傘を発見したのである。
安平古堡では、日本語が話せるボランティアガイドのおじさんに説明してもらった。レンガの壁を接合するのに「はさみ」を使っていて、それがオランダの建築の特徴だというような話だったけど、今ひとつどういうことかわからなかった。鉄筋のように壁の中にはさみ状の金属が入っているということだろうか。
昼食は蝦巻を食べる。意外と食事の注文をするのが難しい。片言の日本語がわかる人もいるし、料理名も漢字でなんとなく意味はわかるのだけど、発音ができない。上にずらっと料理名と値段が書かれたパネルが掲げられている店が多いのだけど、「これ」と指さしで伝えることができないのだ。料理の種類も多いから、何でもいいから持ってきてと頼むわけにもいかない。行列のプレッシャーを感じながら、なんとか人数分の食事を注文する。ひとしきり食べた後、もうちょっと食べたいということで、両母どうし連れ立って追加注文をしに行ったと思ったら、ちゃんと目的の料理をゲットしてきた。どうやって注文したの?と聞くと、紙に書いて渡したとのこと。その手があったか。