「野菜種子売店有?」
一人で第二市場の辺りのをふらふらしているときに、そんなメモを書いた。ただ、雰囲気のある店先にいた老人に話しかける口実だったのかもしれない。台湾で野菜の種を買って帰りたいな、とは思っていたけれど、タイミングが合えば、位にしか思っていなかった。
ところが、メモをいぶかしげに見たあと老人は「おまちください」と確か日本語で言い、店の奥へと声をかけた。出てきたわたしより少し若いと思しき赤ちゃんを抱っこした女性が「はい、何をお探しですか?」と出てきた。「野菜の種を売っているところはありますか?」と今度は日本語でたずねてみると、「探してみますのでお座りください」と椅子を勧めてくれた。老人やその奥さんにも聞いてくれている。どうやらそういうことなら、向かいの漢方屋さんがくわしいみたいと言って聞いてくれたりもしたが、種子店は知らないということだった。
「インターネットで調べますね」と、何だか申し訳ないことになってきたが、今更あとにひけず自分で調べますともいいだせない状況に。日本と同じく、野菜の種苗を専門的に扱っている店は街中にはあまりなく、郊外へ出る必要があることがわかってきた。そこへの行き方を調べるのには、「インターネットは彼のほうが得意なのです」という弟さんも呼び出され、何番のバスでいって何ていうバス停で降りればその店にいけるのかどうか、どのくらいの時間がかかるのか、全部調べさせられていた。ホームページを持たないお店のこういう情報を調べるのってけっこう難しいのはわかっているので、グーグルアースまで使って最寄バス停探してくれている様子に申し訳なさが爆発しそうだった。結果、「ホームセンターに行ったほうがいいかもしれません。それなら、簡単に行けます」と超がつくナイスアイディアをやっと導き出してくれて、事なきを得たのだった。
ちなみに、この若奥さんの結婚相手は今タイに単身赴任中の日本人で、しばらく京都に住んでいたこともあるということでお子さんの名前もエリちゃんであった。その日本人男性に関係あるのかないのかわからないが、お店は日本の食材などを輸入販売しているセレクトショップだったよう(日本なんとか洋行みたいな名前)だが、今は木彫りの置物とか何かの神棚とか、鳥かごとか掛け軸とかいろんなものが置いてある土間みたくなっていて営業しているのかどうかはよくわからなかった。ちゃんとお礼もいえなかったが、無事にホームセンター「強力屋」に行くことができて、空芯菜などの種が買えました。ありがとうございました!