朝ごはんも、「はーい、朝ごはんお持ちしましたよ~」とちょっと入院している患者さんになった気分がしてしまう。
しかしコゴミのおひたしや、ウドの味噌汁、なめこおろしや自家製漬物でちょっと気分があがる。
肘折温泉をあとにする。
バスの停留場が細い旅館通りに面してあって、それぞれのお客さんに宿の人が手を振る様子はなかなかおもしろく懐かしい気持ちになった。
新庄駅に隣接する最上物産館は品揃えがすごい。伝統野菜を使ったお漬物や玄米味噌などもあり、30分の乗換時間で買い込む。リュックが重くなってきた。
最上の伝承野菜のページはこちら。このとっくりかぶの甘酢漬けパリパリでなんとも美味しいシンプルな材料で超おすすめです。
ここからは、2日前には雪の影響で一部運休していた陸羽東線(奥の細道湯けむりライン)で瀬見温泉か鳴子温泉に寄って仙台へと向かうことにする。
鳴子温泉は10年ほど前に2人でバイクと電車かわりばんこの北海道&東北旅で、私だけが行ってしまったのでパス。今回は瀬見温泉で下車してみる。
電車を見送るときは少しの不安がのこる
無人の瀬見温泉駅のイラストマップにて、右に徒歩10分で瀬見温泉の公共温泉「せみの湯」。左に??分で川の駅「やな茶屋」最上とある。温泉には満足しつつあったので川の駅に行ってみようと車道を歩く。道路以外は雪なので歩道がなくて危ない道。トラックが追い抜いていく。
川と山に挟まれていて歩く場所がない道
控えめにヒッチハイクしてみたけど、不成功。書いてはなかったけどイラストマップからいくと20分はかからずと川の駅が現れるはずと心細くなった頃に見えてきた。
おもしろいお店の作り
1時間半後にくる次の電車に乗らないと仙台からの飛行機に間に合わなくなってしまうので、若干帰り道を心配しながらお買い物。
ビーツ。重いので小さいのを1つ買う。山菜はたくさんあった。どれも塩のみで好感度高い。
「最上」って地名がよい。どの品物をみても最高級品のような気持ちになる。ビーツが安かったりまじめな山菜の塩蔵が豊富だったりとわざわざ来てよかった。
鮎で有名な場所らしくお弁当がなかったら鮎の何かを食べたかったがさきほど新庄の最上物産館で買ってしまったのでそのお弁当を食べる。なにげに美味しい400円!
さて駅へ戻ろうかというときに、おじさんに話しかけられた。「ずっと歩いてんの?さっき道で追い越したよ」。
こういうときの「歩く」は額面通りかもしくは「旅行してる」ということか。どっちにせよずっとではなく2泊3日だし答は「いいえ」かな。
にしても渡りに船で「瀬見温泉の駅の方行きますか?乗せてもらえますか?」と頼むと「いいよー」とのこと。
屋根の上では雪下ろし作業中のお兄さんがピースしてくれた。命綱つけてます。喜至楼別館。
とても楽しいご夫婦で瀬見温泉の方も見学がてら車で回ってくれて最後に駅まで送ってれた。
奥さんにきくところによると新婚旅行が瀬見温泉だったらしい。
だんなさんが「そんな半世紀も前の話はするな!」とつっこむ。奥さんは「一期一会なんだからいいじゃない~」ととにかく明るい。
おかげで電車にも間に合ったし川の駅と温泉の両方を見ることができてラッキーだった。
記念撮影なんかいいよーというプリウスを駅で見送る。冬場はいくら洗っても車が汚れるから、さわらないように気をつけてと優しいおじさん。
この路線はあんまり人がいなかった
途中、小牛田(こごた)という駅で乗り換え時間があったので、改札で「降りたらなにかありますか?」と聞いたら「なにもないですね」とにべもない返事。なんか悔しい。
最近はJR線の分割にも凝っている。18きっぷシーズンじゃないときはこういうのをうまく使いたい。ここも駅員さんに聞いたら分割したほうが安いくらいだったので躊躇なく下りてみることにした。
小さい牛の田んぼとかいてコゴタと読む
改札を出て1階に下りると美里町の総合案内所があり、かなりやる気のある物産がいろいろと販売と紹介をされていた。ええのんあるやん。
その中には、大ファンである木の屋石巻水産の缶詰がたくさん並んでいて、何でここにあるのかと思ったら、震災後2013年にここ美里町にかっこいい工場兼直売所を建てられていたのだった。
他にも菅原果樹園の乾燥りんごがおいしかったり、インド人女性が作る豆スナックもおいしかったりと色々味見させてもらって駅に戻った。
改札の人は行ったことがないのか、地元過ぎて気が付かないのか謎。少なくともこれ読んだ人は行ってみて欲しい。
小牛田駅では、離れたホームに2両編成のかわいい列車がとまっていて、あれなんやろう、と話していたのだが、あとで考えればあれは石巻線だった。
かなり大回りにはなるが、小牛田からいったん石巻線で女川もしくは石巻までいき、折り返すようにこんどは仙石線で仙台に向かうというルートもあったな。
単純に東北本線で仙台に戻ってきてしまった。
仙台へ向かうと雪はどんどんと少なくなっていった。
松島風のもの
駅から少しいったところにあるAOYAというJRがやっている産直の店でまた買い物をして、仙台という街のどこをみたらよいのか右往左往して夕食を食べ逃し(またか)
結局空港内の搭乗口ちかくのお蕎麦を食べて帰阪。最後のツメが甘い私たちなのでした。
宮城の名物三種盛り的なお蕎麦。油麩、笹かま、わかめ。駅そばよりはずっとおいしい。