昨夜は、チェックインを終えた時点でもう午前0時を回っていて、明日の予定を確認して眠りについたと思ったら朝だった。
大きな窓のカーテンを開けてみると、だだっ広い空港のような景色。ビニールハウスがみえる。
畑をつぶして、この新函館北斗駅ができたのかな、と思う。
さて、さっそく朝食。6:30からの朝食でちょっと過ぎたころにロビー階に降りると、長蛇の列。
昨夜のチェックインの列の何倍もの人が、ビュッフェ方式の食事にありつくために並んでいた。
しまった…。どうしようもないので、ひたすら並んで待つ。昨日は3食テイクアウトばかりだったので、さすがに温かいものが食べたいし。
30分くらいかかったか、やっと食事を手にできた。基本冷凍ものだが、それでもありがたい。地元新聞のサービスもうれしい。
予想外に時間をとられたので、急いで食べてチェックアウトし、すぐ隣にある駅から7:57発の特急北斗で白老へ向かった。
ホームの乗車位置に動物の名前が英語で印されているのがかわいい。かつては外国人がたくさんきたこともあるのだろう。
2時間半ほどで白老駅到着。ウポポイに便利な改札が設けられているので、そちらを通って駅の北側からウポポイに向かって歩く。
白樺が積み上げられている製材所の横を通り、道の駅のようなところ(ポロトミンタラという施設)があったので、ちらっとのぞくとロッカーがあった。
どこかでバックパックを預けたいとおもっていたところに、スーツケースがゆうゆう入りそうなロッカーが3~400円と格安だった。ウポポイはいくらだろ?
中国系の女性案内人がいたので訊いてみると、調べてくれて、こっちの方が安いです!とのことだったので、お礼を言ってザックを入れて身軽になる。
駅からウポポイまでは徒歩10分少々かかる。駐車場がメインで、ウォークイン入り口はあれ?これ?っていうくらいわかりにくいのがちょっと残念。
入場には現在コロナ対策だろうか?事前にチケット購入と博物館の整理券(指定入場時間あり)が必要。
すいていれば、その場でできるが、空いていなかったら困るので取ってきた。けどフレキシブルじゃないのでちょっと不親切かな。
予定が変更になってしまったらキャンセル料がかかってくるし、ウェブサイトもよく読まないとチケット購入がややこしい。
とはいえ、今回は予定通り到着できたのでよかった。入場して1時間後に博物館の予約をしていたので、それまでまずどこにいこうか?
中のアトラクションも、何時からどこそこで何があります、その整理券が今発行中です…とか頭が混乱し、持ち時間が少ないとほんとうにショートしそう。
ウポポイには時間の余裕をもっていってくださいませ。
「イランカラプテー」とアイヌの衣装を着たアイヌの人が紹介してくれる楽器のミニWS。ムックリとトンコリという楽器の演奏を聞く。初めて聞く音階の楽器だった。親しみやすい音だがちょっとした不協和音にちょっと心がざわつく。
ポロト湖畔を歩いて住居などをちらっとみたら、弓矢体験もあり、やりたいのはやまやまだったが、次は大ホールで民族舞踊だ。遅刻したら入れてくれなそうな感じだったので、走った。
ホールでの民族舞踊は、思っていたよりも素晴らしかった。いろんな場面に応じた歌や踊りがあり、声の出し方がクリック音とかふだん日本語では使わないような音がたくさんでてきた。倭人との交易で手に入れたという漆塗りの重箱のフタを(そおっと)たたきながら歌うとかどこかエキゾチックだ。ショーが終わったらカーテンがあき、ポロト湖が視界一杯にとびこんできた。壱岐の一岐国博物館でもそうだし、梅田のフェニックスホールでもそうだった。はやっているのか。毎回めちゃ感動する。
博物館に入場する。
ここは、国立民族学博物館で見たものもあり、動物の罠づくりの映像などは興味深かった。
そのあとあと少し時間があったのでKAMUI EYES(カムイアイズ)という動物の目線で自然の中を動き回るドーム型個別の映像アトラクションをみたが、これはちょっと別にいらんかったかな。
あっというまに3時間。次の電車の時間があるので白老駅へ戻る。
13:34発特急北斗9号で南千歳へ。30分で到着する。昼食を取る暇がなかったので、ここの乗換時間43分で隣接するアウトレットモールのなかにあるラーメンスタジアム的なところで食べようと考えていた。が、このアウトレットモールがなんというか、とっても廃れていて、悲しい感じ。ラーメン屋さんもそんなに流行っていない様子。迷っているうちに時間が無くなってきて、もうコンビニかなにかでちゃちゃっと買って…とインフォメーションできくも、南千歳駅付近には、コンビニはないですね…とのこと。仕方ない、イベント出店していた名もなき団子やさんで、みたらし団子を購入し、暑かったのでセブンティーンアイスと久世福商店(どこにでもあるよね)でクラッカーを買い、駅に戻る。
ホームには、予約でのみ受け取れる駅弁屋さんがあった。これを知っていればなぁ。もう今のJRでは駅弁、駅そばに出会うのもメイン駅のみで、空港に近い南千歳駅でさえ自販機しかないとは想定外だった。
釧路到着は、夕日がちょうど赤く染まる時間だった。駅舎が全体的に赤っぽい。釧路は夕日の町としても知られているというからまさに今がそれなんだろう。駅は昭和レトロな大きな建物。演歌が似合うどこかせつない雰囲気をただよわせている。人気の少ない大通りを幣舞橋へ向かって直進する。
ホテルは釧路川沿い、そう、リバーサイドだ。
チェックインの前に、すぐそばの高台にある、まなぼっとという市民センターのようなところの展望台に上がって釧路の町を一望する。
いわゆるマジックアワーで、徐々に暗くなっていく、日は落ちたけれどもまだ明るい川と街を眺めた。
一息ついたら、さぁホテルへ。
昨年も釧路行を計画していて、その時は川の反対側のホテルパコに目をつけていた。こちらは展望天然温泉つきで、それがよさそうだった。今回あらためて検索したら、その温泉の休憩展望スペースが工事中だとか。それで、たまたまタイムセールにでていた少し駅からは遠くなる幣舞橋の向こう側のホテル、「センチュリーキャッスルホテル釧路」が目に留まった。
部屋はタイムセールで訳あり?狭そうだったが、ほぼ寝るだけなので構わない。メインが選べる朝食が豪華で評価が高いみたいだった。
バックパッカーからは卒業したかもしれない世代の私たちにとって次に楽しみなのは、地元食材を使ったおいしい朝食が食べられることである。昨年も青森のJALホテルでホタテやアップルパイ、盛岡のアートホテルでじゃじゃ麺や盛岡冷麺、などなどいい思いをしている。
さらにこちらのホテルは北海道出身の建築家、毛綱毅曠の建築によるもので、調べると釧路市立博物館をはじめ釧路中に彼の建築物が点在していることがわかった。
確かに部屋は狭かったが、問題なし。
ラウンジにはなんと、ワインを含むフリードリンクがあり、ハーフサイズの特製エゾジカカレーとともにいただける。うれしくなって、ハーフサイズをそれぞれ食べた後、有料のフルサイズをオーダーしてしまった。私的には、フリーワインが大きかったな。そしてこのゆったりした大人っぽいラウンジでいただけるならもう夕食はこれでいいか、(しかもフルサイズでも300円くらいだった)という気分になったのだった。
その後、暗い釧路の町へ。釧路川のほとりの公園には美川憲一が歌った「釧路の夜」が流れる歌碑があったりI LOVE KUSHIROだったり(最近多いね)を楽しみ、釧路ラーメンの店が歩いて30分くらいのところにあるからそこまで散歩しようと歩き出した。
市街地は本当に真っ暗で、これでお店がやってなかったらショックとあきらめかけたころ、「釧路ラーメンこぐま」の赤い看板が見えた。
角をまがってやっと見えた。しかも暖簾をくぐってお客さんがでてきた。いい感じのお爺さんがやっていて、客は私たちだけ。
看板に釧路名物とあったのも嬉しい。細めの麺と甘めのスープ適度な夜食感がちょうどよい。
雨がぽつぽつと降りだして明日の釧路湿原がちょっと心配。明日も列車が少ない区間でシビアな旅程。ベッドの上であーでもないこーでもないと再検討。1時すぎ就寝…。