【物語文の要約始動】
物語文の要約は,説明文と手順が違います。
両者ともキーワードを見つけて再構成するという部分では同じです。
キーワードの見つけ方が,違います。
説明文のキーワードの見つけ方は,次の手順です。
① キーセンテンスを見つける。
※キーセンテンス:中心になる一文
② キーセンテンスからキーワードを見つける
③ その他のキーワードを見つける
たいがいは,②でキーワード検索は完了します。
例外的に③が必要な時があります。
説明文のキーワードは,ほとんどキーセンテンスにあるということです。
つまり,説明文の形式段落要約は,キーセンテンスの再構成ということになります。
物語文のキーワードは,説明文の手続きが取れないことがあります。
ほとんどそうでしょう。
なぜなら,物語文にはキーセンテンスがない場合が多いからです。
説明文の場合,キーワードの見つけ方は,スキルとして子供に教えやすいのです。
しかし,物語文は,そうはいきません。
キーセンテンスがないのですから。
だから,物語文でキーワードを確定するとき,子供達に「納得」させなければなりません。
この納得の部分が,川棚の物語文要約で足りなかったところです。
授業者は,板書の要約に意見を言わせました。
そもそも初期指導で,この意見交換という作業に無理がありました。
子供の中に根拠がないからです。
キーワード確定のための。
意見交換のあと,子供にキーワードを問うています。
根拠がないから,キーワードといわれても,ストンと落ちません。
先生が,「これとこれとこれだね」で終わりです。
このストンと落ちさせるために,私は,介入させました。
次のようにです。
ここからは,子供に板書させた後からのことです。
―――――――――――――――――――――――――
「この場面は,どんなお話ですか?」
「松井さんのお話です」(誰かのつぶやき)
「それで?」
「車にに夏みかんをおいた話です」(誰かのつぶやき)
「それで?」
「夏みかんは,もぎたて」(誰かのつぶやき)
「大事な言葉は,何?」
「松井さん」
「夏みかん」
「車」
「のせた」
子供たちの要約で次の言葉を赤チョークで丸囲みする。
「丸で囲んだ言葉が全部入ってるのが満点だ」
―――――――――――――――――――――――――
キーワード確定の場面は,以上です。
授業者のキーワード確定の仕方と,私の仕方は,違います。
わかりますか。
授業者は,説明文の要領で進めていたように思います。
説明文と物語文の要約手順は,若干違うのです。
もちろん,この後,文末に「中心人物」を持ってきて,再度要約をさせるという作業はしますよ。
それは,割愛します。
言いたかったのは,キーワード確定の仕方ですから。
私は,子供達に要約するときのイメージを伝えます。
けっこう大事だと思っています。
―――――――――――――――――――――――――
このお話を知らない人が読んで,場面が頭に浮かぶのが良い要約です。
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と。
このイメージは,説明文にも通用します。
子供達に「要するにどんなお話?」と聞くと,断片的にしゃべります。
その断片的なつぶやきに,キーワードは必ず出てきます。
初めから,整然と答える子は,稀です。
その断片的な話を逆に利用すれば,キーワードが出しやすいのです。子供たちの中から。
子供たちのつぶやきの寄せ集めからキーワードを洗い出していくという手順なのです。
みなさんの問いも指示も間違いではありません。
が,授業としては,きちんとしすぎて面白くないように思います。