「HOW」を100回以上繰り返す_Vol.167
1
向山氏が、障がいのある子に、跳び箱指導をした時のことです。
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運動と運動の連結を教える基本は、リズム感のある動きであろうと思った。
それは、もう、直感的なひらめきだった。
いや、そうではない。前から、リズム感のある動きを教える大切さは知っていた。
例えば、行進ができない子は、跳び箱はダメだったのである。それが、このことと関係するのではないかと思ったのである。
私は、三人の子を集めた。
まず「けんけん」をさせてみた。
吉男くんは、けんけんができなかった。佳子ちゃんと草子ちゃんは、かろうじてできた。
私は、吉男くんの片手を持ってあげさせてみた。そうするとできるのである。次に、自分の足を自分で持たせてやらせてみた。これもできるのである。
「けんけん」1つを教えるために、このように小さなステップをふませていくことが必要なのである。私は、考えながら、自分で驚いていた。
次にフラフープを10個ぐらい持ってきた。石蹴りの時のように並べた。
これを、「けんぱーけんぱー」と言いながら跳んで見せた。
吉男くんはできなかった。佳子ちゃんも草子ちゃんもできなかった。
「向山洋一教育要諦集」8教師が成長して子どもが変わる
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その日は、リズム系列の運動が三人に必要だというところまでわかったそうです。
そして、半年ほどの時間をかけて、身体に蓄積させていかなければならないという結論まで達し、指導が一旦終わりました。
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健常児にとっての1歩のステップは、障害児にとって1歩のステップではない。
健常児の一歩が、障害児にとっての何歩ものステップなのである。
私は、草子ちゃんを教えながら、そのことを痛感していた。
逆に言えば、何歩ものステップを用意できれば、健常児もそこを越えられるはずである。何歩ものステップを用意できるかどうか、それこそが、教師の仕事な訳である。そう思えば、それは、私が、毎日やっている授業と原理は同じであった。ただその一歩の幅が狭いために、より専門性を必要とするだけのことなのである。
「向山洋一教育要諦集」8教師が成長して子どもが変わる
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何歩ものステップを用意すること
諦めないで、問い続けること。
極貧から東大に入り、ハーバードに入った本山氏は、次のように言っています。
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すぐにアクションに結びつくような具体性のある解決すべき課題を導き出すことだ。
そうして、より具体的に落とし込まれた個別課題に対して、解決可能かどうかYES/NOの結論=仮説をだし、YESの場合はどうすればできるのか、その具体解決策『HOW」を明らかにし、NOの場合はなぜできないのか、理由を「WHY」を明らかにするとある。この「HOW」と「WHY」を何度も繰り返すことで、具体的な課題解決のアクションに落とし込めるのだ。
(略)
どうやってできるのか「HOW」を何度も何度も繰り返し問いかけ、その方法を見つけ出し実践することで、あらゆる課題を解決し、物事を実現することができる。
何かを成し遂げようとする時「HOW」を100回以上繰り返すつもりで問いかけてみよう。必ず
それを実現する方法が見つかるはずだ
「一生伸び続ける人の学び方」(かんき出版 本山勝寛)
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2
数ヶ月後、向山氏は、草子ちゃんと再会します。
草子ちゃんは、なわとびも、スキップもできるようになっていました。
向山氏が、最初、天文学な困難さに感じたまたぎごしも、すぐにできるようになりました。
身体の動きもずっとよくなったそうです。
成し遂げたい教育課題を目の前にすると、山の大きさばかりが目に入ります。
でも、まずは、10回
そして、20回、30回・・・そして、100回の「HOW」を繰り返し、前進していきたいと思います。