一般の20代教師が求めている指導法
(1)
懇親会で「今の20代教師が求めている指導法」が話題になった。
①すぐできる
②誰でもできる
③修業の必要もない
という話だった。
例えば、教え方セミナーの講座。
"明日すぐできる 国語の授業レシピ"というようなもの。
音読◯10個の指示や、漢字ビンゴなどが思いつく。
思い返せば、自分だってそうだった。
(2)
セミナーの中での小嶋先生の提案も興味深かった。
『授業の腕をあげる法則』でさえ読まない。
ではなく、読めない。
授業の原則10カ条でさえ、一気に紹介すると情報過多なのだという。
自分は『授業の腕をあげる法則』で初めて一気読みを経験した。
「こういうことが知りたいんだ!」と身体中に電流が走るがごとき感覚。
だから『授業の腕をあげる法則』を読めないという、その事実は衝撃だった。
(3)
これらは
セミナーには参加するがサークルには参加をしない20代教師
という現象にも通ずると思う。
自分たち30代と40代では感覚が違うと思うが、30代と20代でも感覚が違うということだ。
TOSSを広める上では、自分たちの感覚も合わせていかなければならない部分があるということに考えさせられた。
(4)
その上で、
すぐできる指導法の先にこそTOSSの魅力・醍醐味があると思っている。
そこに共感をする仲間が、今のサークルメンバーになっている。
プロを目指す仲間と出会うのも、教え方セミナーで大事にしていきたい。
教え方セミナーで出会い、サークルで共に学ぶ仲間をいかに作るか。
運動体としての永遠の課題に向き合っていきたい。
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『向山洋一教育要諦集 第一巻』P176〜177
本の何冊か読んですぐできるような仕事ではないのである。
プロには、高い水準が必要だ。
例えば、プロ野球の水準。
NHKテレビで私と対談した江夏投手は、
「高校野球で甲子園に出たって、それはアマのレベルですよ。プロのレベルとは全く違います」と強調した。
甲子園に出るからには、県下で優勝したチームだ。そのメンバーでさえ、アマだと言い切る。
読者の方々は、これまでに「クラブ」「芸事」「習い事」をしたことがあるだろう。
テニス、サッカー、合唱、日舞、囲碁、英会話、華道、茶道、ピアノ、何でもいい、どれぐらい習えば「人に教えられるレベル」になるのだろうか。
本を二、三冊読めば、教えられるだろうか。
話を二、三回聞けば教えられるだろうか。
本を二、三十冊読み、毎週一回、半年ほど教えてもらえれば、人に教えらえるだろうか。
とても、無理だろう。
では、毎日、クラブで練習して、三年もすればどうだろう。
これなら、初心者には教えられるだろう。
しかし「プロとして教える」には、もっともっとの修業が必要だ。
「たった一つ」のお茶や、テニスや、ピアノでも、教えるレベルになるのは大変だ。
教師は「たった一つ」ではなく、ほぼ、全面的に教えなくてはいけない仕事である。
「教え方のプロ」のレベルになるためには、かなりの修業が必要なのは当然である。
それなのに、本を二、三冊読んで、話を一、二回聞いて「自分は教えられる」と錯覚している教師が山ほどいる。
教師の仕事をなめている。
教師の仕事を馬鹿にしている。
本の何冊かを読んですぐできるような仕事はないのである。
いかなるプロの道もそうであるように、その道のプロに教えをうけ、実際にやってみて駄目な所を直され、自分でも熱心に練習を続ける−ということをしなければプロにはなれない。
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