全国学力学習状況調査 「引用」7つの分析
谷先生、堀田先生から頂いた情報をもとに、自分で分析した。
7つの分析である。
①
まずは、自分で問題を解いてみた。
自分で解いて感じたことは、難しくないということである。
正答率70%以上はいきそうなくらいな問題である。
この問題と解くとき、気をつけなればいけないことは、3つ。
一つ目が、条件1にある【農林水産省のウェブページ】から引用すること。
二つ目が、「 」をつけて引用すること。
三つ目が出典を書くことである。
条件2の「例えば、」に続けて書くこと。は、すでに解答欄に書かれてあるので、気をつけなくて良い。
私としては、もっと正答率が高くてもいいと感じた。
46.5%の正答率は、かなり低い。
②
次に、間違えた生徒は、何を間違えたのか?
2つある。
・引用した文章を「 」でくくっていない
・「 」でくくったものの、そのまま抜き出していない
P5に誤答例がある。
「全体の40.4%がこれに類する解答」と書かれている。
つまり、間違えた生徒は、
・「 」をくくって引用しなかった。
・「 」でくくったものの、文章をそのまま抜き出さなかったのである。
国立教育政策所は
「これからの生徒は引用の仕方を正しく理解していないと考えられる」としている。
③
出題の趣旨は何か?である。
それは「根拠を明確にした文章」が書けるかどうかだ。
趣旨は、『令和四年度全国学力・学習状況調査 解説資料』に書かれている。
「自分の考えが伝わる文章になるように,根拠を明確にして書くことができるかどうかをみる。」P23である。
「根拠を明確」にした文章が書けるかどうかをみているのである。
明確にするために引用がある。
その引用は、①「 」を使う、②そのまま書き写す、という決まりがある。
その決まりが定着している生徒が、46.5%だった。
④
引用は、何年生から教えるのか?
中学生の全国学力学習状況調査だから、小学校教師には責任がない。
ということは断じて違う。
「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編」。
「引用」を書かれているのは、何学年か?
第5学年及び第6学年である。
つまり、正答率46.5%は、小学校教師の責任でもある。
なお、「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編」P142で、
引用についてこう書いている。
「引用して書くとは、
本や文章などから必要な語句や文を抜き出して書くことである。
引用する場合は、
まず何のために引用するかという目的を明確にすることが必要である。
原文に正確に引用することや、
引用した部分と自分の考えをとの関係などを明確にすることなどに注意」とある。
特筆すべきは、「原文に正確に引用する」と書かれている。
まさに、今回の問題と同じことである。
正確に引用することの大切さ、意図を教え、なおかつ定着するように繰り返し、教
師が指導していないのである。
もちろん、私自身も含め、である。
⑤
教科書は、引用が何年生から出てくるのか?
「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編」に「引用」は、
第5学年及び第6学年からと書かれている。
しかし、教科書は違う。
例えば、光村は第3学年から出ている。
光村の場合、
3年生教科書で2ページ、
4年生で3ページ、
5年生で8ページ、
6年生で3ページ、
合計19ページである。
しかし、国語科であるから、この19ページだけで引用指導をするのではない。
例えば、物語文。
「中心人物は~だ。なぜなら、19ページに「 」と書いてあるからだ。」というように、引用指導ができる。
私は、今年は4年生担任をしている。
4月から引用を指導し、ノートに引用を使って、意見文を書かせている。
「国語は文章を根拠にします。」と繰り返し繰り返し子供たちに話している。
左が勉強が得意な子供。右が勉強が苦手な子供。
どちらも引用している。
⑥
正答率46.5% なぜショックなのか?
引用するときに「 」を使う。
「 」はそのままの文を書く。
これらは、学問の基本だからである。
46.5%ということは、
半分の子供たちが学問の基本が定着していないということだ。
もっと言えば、人様の文、考え、
研究成果を尊重しようという意識がないということである。
もっともっと言えば、教師にその意識がないということだ。
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『理科系の作文技術』
他人の報告、データなどを引用するときには、
必ずその出所を明示しなければならない。
P161
『論理的思考』
他の文章は正確に引用する文を書く。
(要約は、なるべく避ける)
P41
『考える技術・書く技術』
出所は、正確に、そして書き落としがないように書く。
うっかり書き落としたときなど、あとで原点にたどり着くまでに、
大変苦労するので、予防のために最善の努力をはらうべきだ。
P94
『説得の文章技術』
アインシュタインや毛沢東など、
権威者の名前をもちだし、その述べたことばを、
適切な場所で引用すると、説得の効果を高める。
P16
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著名な本に、「引用」の重要さが書かれている。
⑦
向山氏は、正確に引用させる指導を様々な場面でしている。
『アチャラ』25号。
国語科「わたりの不思議」の読みとり。
向山氏は
「どれもという言葉は、この文章で何のことですか、他のことばにいいかえなさい」と発問している。
向山氏は、ノートを持ってこさせる。
次々と0点となる。
しばらくして10点や50点の子もでてきた。
ある程度、採点が出尽くしたときである。
「星さんが質問の手をあげた。
『本当は10点満点なのに0点になっている』という。
私は「そんなことをない。どこかちがう」と何回か念を押したが、
「同じだ」という。」
この場面は、極めて濃い学びになる。
向山氏は、星さんに「正しく引用していないですよ」と言っていないのだ。
「どこかちがう」と念を押しているのである。
つまり、子供に探させようとしたのだ。
子供は熱中したはずだ。
教師が言えば、それで終わりだ。
向山氏はさらに、この後、こう書いている。
「この文章は、トリのことを鳥と書いている。
自分勝手な書きかえは当然減点である。
「なつどりもふゆどりも」と書いた子がいたが、これも減点である。」
向山氏は、正しく、そのまま引用しなかった子に何点をつけたか?
0点である。
「つまり100点の減点である」と書いている。
向山氏の引用指導を象徴する授業である。
以上、7つの視点で分析した。
今朝、谷先生のダイアリーを拝読し、「46.5%」という数字を見た。
正直、低いなぁ~ぐらいの感想だった。
自分で分析すると、「これはまずい」「もっと勉強しないといけない」と強く思う。
引用は、学問の大原則である。
校内のサークルで引用指導を提案する。