炭疽病

診断のポイント

・未熟果に発病した場合は、暗褐色の小型病斑を形成するが、腐敗まで進行することは少ない。

・成熟果では、円形で暗褐色のやや凹んだ大型の病斑を形成し、軟化腐敗しさらに拡大する。

・病斑上には、黒色の小斑点を輪紋状に形成し、ここに橙色の粘性の分生子塊を形成する。

発生生態

・病原菌は糸状菌の一種で子のう菌類に属するものと、不完全菌類に属するものがある。

・伝染源は、樹上の果台部やニセアカシアなどの寄生植物上に形成された分生子で、リンゴへの伝搬は 6 月頃から始まる。

・発病果実からの 2 次感染もあり、発生は 9 月頃まで続く。

・感染のピークは 6~7 月と考えられており、この時期、高温多雨条件で感染は多くなる。