ニカメイチュウ

診断のポイント

・第1世代幼虫の被害は6月~7月にかけてイネの葉鞘部分がまず褐変し、葉がしおれて折れると水面に浮かぶ(流れ葉)。

・さらに被害が進行すると茎全体が枯れ上がる(芯枯茎)。

・第2世代幼虫の被害は8月頃、穂が出すくんだり、白穂になったりする。

・被害にあった穂は容易に引き抜くことができる。

・被害にあった穂の株元付近には、幼虫の侵入した小孔が見られる。

・茎の下部を食害されるため、株元付近から折れやすくなり、倒伏する。

・被害は圃場内で坪状に発生する場合が多い。

・稈の太い品種に発生が多い。

発生生態

・1年に2回発生する。

・越冬成虫は5月中旬から発生し、発蛾最盛期は6月上中旬である。

・成虫はイネの茎や葉に鱗状の卵塊で産み、卵は 10 日前後でふ化する。

・ふ化した幼虫はイネの茎に集団で侵入し、内部を食害する。生育するにつれて分散しながら移動する。

・第1世代幼虫は6月上旬~7月に発生して食害し、被害は茎数の減少で実害は少ない。

・第1世代成虫は8月上~中旬に発生し、産卵する。第2世代幼虫は8月中旬頃より発生して食害する。

・第2世代幼虫はイネの収穫後の切り株やわら内で越冬し、翌春羽化する。

・第2世代幼虫の方が被害は大きい。