菌核病

診断のポイント

・はじめ茎の地際部、葉柄部などが暗緑色、水浸状の病斑を形成する。

・症状が進展すると発病葉柄部の葉はしおれ、病斑部に白色菌糸を生じる。

・さらに花梗、花蕾へと発病が進展し、白色綿毛状の菌糸を生じる。

・花梗や葉柄の発病部位には、黒色で楕円形~不整形、長さ3~15mmの菌核を形成する。

発生生態

・発病株上に形成された菌核が被害残さと共に地上に落ちて翌年の伝染源となる。

・感染方法は2通りあり、1つは菌核が最低気温10°C前後の日が数日続くと発芽し、小さな茶褐色のキノコのようなもの(子のう盤)を作り広範囲に胞子(子のう胞子)を飛ばす。胞子は古くなった茎や葉の組織や傷口から感染し、発病する。

・もう1つは菌核から直接菌糸を伸ばし、地面に接している古くなった下葉や傷口などから菌糸が感染し、発病する。

・菌核は土壌中の乾燥条件下で数年間生存するが、湛水条件下では速やかに死滅する。

・3~5月と9~11月は子のう盤の形成に好適な温度(15~20°C)であり、この時期に大雨があったり降雨が続くと湿度条件も好適となるので本病の発生が多くなる。

・秋から冬にかけて雨の多い年は発生しやすい。