バーティシリウム萎凋病

診断のポイント

・収穫期に、外葉が、縁からV字型に、あるいは、葉脈間がまだらに黄化して萎凋する。

・発病が激しい場合は結球葉まで黄化する。

・根部、茎部および葉柄の維管束は褐変~黒変する。

・黒腐病と病徴がよく似ているが、維管束の褐変が、黒腐病の場合は葉柄(地上部)から根部へ向かうのに対し、本病の場合、根部から地上部へと進行する。

発生生態

・病原菌は、不完全菌類に属する糸状菌で土壌伝染する。

・発病した葉に多数形成された微小菌核が、耐久体として土壌中で長期間生存し感染源となる。

・微小菌核は、キャベツが作付けられ、根が近くにくると発芽して菌糸を伸ばし、植物体内に侵入する。

・病原菌は比較的低温を好み、発病適温は20~25°Cである。

・病原菌はハクサイ、ダイコンなどのアブラナ科植物にのみ病原性を示す種と、アブラナ科植物をはじめウド、ナスなど多くの植物に病原性を示す種の2種がある。