炭疽病

診断のポイント

・葉柄やランナーには、3~7mmのくぼんだ黒褐色の細長い病斑ができ。病斑はやがて拡大し、茎を取り巻き、折れてその先端部は枯れる。

・葉の病斑は、最初、灰色の直径2~3mmの、うすい墨を落としたような円形病斑であるが、進展すると茶色の不正形の大型病斑となる。

・多湿時は病斑部ににピンク色の粘塊状又は粉状のカビ(胞子塊)を生じる。

・クラウンが侵されると急激にしおれ枯死する。しおれた株のクラウン部は、外側からしみいるように褐変する。

発生生態

・病原菌は、糸状菌の一種で、托葉やクラウン部、あるいは、被害植物の残さで越冬し、翌夏の一次伝染源となる。

・胞子は粘着物に覆われていて風では分散せず、雨やかん水で胞子が飛散し感染が拡大する。

・30°C前後の比較的高温で、多雨の気象条件で多発する。

・二種類の病原菌が報告されている。

・発病に品種間差が認められ、やよいひめ、とちおとめ、章姫、女峰などは発生しやすい。