苗立枯病

診断のポイント

・フザリウム菌による症状:発芽直後から発生する。生育は悪く、葉は萎凋し、後に黄化して枯死する。罹病苗の地際部には白色あるいは紅色の粉状のカビが生えることが多い。

・ピシウム菌による症状:根および茎基部が水浸状に淡褐変し、生育が悪く、芯葉が萎凋して枯死する。

・リゾプス菌による症状:種もみのまわり、後に床土全面に白色~灰白色のカビが綿毛状に密生する。根は延びず、先端が膨らむ。

・トリコデルマ菌による症状:種もみのまわりに緑色のカビが密生し、種もみや幼芽は腐敗する。出芽した苗は黄化し、後に枯死する。

・リゾクトニア菌による症状:葉身や葉鞘に灰緑色の病斑をつくり、菌糸がクモの巣状にからまり、葉鞘上に淡褐色の菌核をつくる。

発生生態

・フザリウム菌:土壌伝染し、緑化期間中に 10°Cを下回る低温に遭遇すると発生が助長される。

・ピシウム菌:土壌伝染し、緑化期以降の低温により発生が助長される。

・リゾプス菌:汚染された床土、資材および種もみが伝染源となる。出芽期間中の 32°Cを超すような高温および緑化開始後 10 日頃までの低温は発生を著しく助長する。

・トリコデルマ菌:汚染された土壌および資材が伝染源となる。土壌水分の少ない場合に発生が多い。

・リゾクトニア菌:土壌中の菌核が伝染源となる。育苗末期の高温・多湿条件によって発生が助長される。